113, ダンジョンで、……攻略は、十九階へ 終章
6/15から6/17まで横浜鎌倉に行って参りました。
旅行中は書きたいことが多かったはずなのに、
いざ……。
あれれれれ?
やっと、体裁が出来て、お送りできます。
さて、前世の金魚を思い出した風竜の長老は、それまでのドラ吉に対しての言動が突如として変わった。
『ガルルゥ。ガルゥ、ガルルルガルル、ガルガルゥゥ』
ここまでの言葉が出てくる背景には、彼が既に望んでいたモノを手に入れたからだ。
その白銀の鱗に朱金の素肌が綺麗だったそれは、いま白く透き通る羽毛に覆われている。
ドラ吉たちは羽が鳥の羽のようになっていたのだが、長老のギンは全体に変化した。
そして、小型化した。もちろん、サイズは自由に変えられるようだ。
ハチミツに関しては、俺でさえ自由にならないという事を認知して貰い、承知して貰った。嫁さんは自分で探してくれと、放置した。
形が変われば、それなりに変わっていくことだから、ね。
『あるじ様………、それ少し違っています。ドラ吉たちに言ったのは『お前たちみたいなパートナーが欲しい』と言ったんです。』
俺の言葉に反応して、返ってきた言葉がこれ。
詰まるところ、この竜の長老……………実は、メスでした。
「『はぁ?』……………orz」
その真実に俺は開いた口が閉まりませんでした。……南無ぅ。
「結局は、セトラ関連の事案だったな……」
そうヒリュキは評したが、この騒動には続きがあった。
それも思いもよらない続きだった。
ドラ湖に来ていたドラ子の親戚の方々、つまりはドラゴンの方々なのであるが、長老の変化した姿に憧れを持ってしまったようで………orz
ドラゴンの従魔要請が引っ切り無しに、なってしまったのです。
もちろん、従魔申請の大部分のあるじは俺だったのだが、六十余名からなる俺のダンジョンパーティの中から、あるじを望むドラゴンも多かった。
風竜の長老の竜人化なども間近で見ていたドラ子の親戚はもちろんのこと、羽毛に包まれた際の長老の歓喜の念話が、ドラゴンの里にまで届いたようでドラ湖に去来するドラ吉ドラ子の関連筋だけでなく、この大陸に生息する他の種の竜族のツアーが始まってしまった。
走竜や飛竜、そしてそれらの亜種までもが集まってくることに驚きを隠せなかったのだが、この事態に一番驚いたのが何を隠そう王族や貴族、冒険者などのヒト族でした。
ドラゴンを倒すことは一種のステータスであり、その鱗や肉、討伐部位などの各所に得られる物の多いモンスターだったりもするのだが、ドラゴンスレイヤーという称号が少なくなっていったのです。
このドラ湖での事件ののち、この大陸において竜の討伐による収穫物を望む者たちは悪さをする竜の数が激減した中での、老いや病気による死が不可避のモノたちに限られてしまったのである。
最後は華々しく散りたいという、ある意味贅沢な願い。
そして、その調整をするのがパレットリア新国の冒険者ギルドで、散華の依頼が出ると冒険者たち数パーティの合同討伐依頼として受理され処理される。
『あるじ様、よろしくお願いします』という彼ら竜族で従魔化したモノたちは、現在、小型化しており、ほぼ、自分たちと同等の大きさの福焼きを捕まえるのに必死であった。
『待てー』とばかりに右往左往するその姿は、微笑ましいものでした。
我慢しきれなくなった猫ビト族や猫科の魔物たちと一緒に。
追伸、この出来事の中でとうとう、魔物誑しの弟子を卒業して魔物誑しをスキルにしてしまった者たちが続出していました。さすがにドラゴンを従魔化した経験値はハンパなかったと言うことなのでしょう。
南無南無……、ご愁傷様です。
なぁ、ヒリュキ! ユージュ! ルナ! シャイナー! そして、みんな!
苦労はお互い様だな。
だが、考えてみれば竜騎兵としての体裁は整ったし、アレディア王の言う外洋にある島か大陸かは知らないが、そこに行くにしても足は出来たという事になるな。
いままでであれば、ドラ吉ドラ子夫妻と、ロック鳥のピー助ピーコとその子供たちと亀のゲンブのみだったから、渡航手段と連絡方法に一抹の不安があったが、それは払拭されたことになったようだしな。
この大陸での敵対する国は少なかったが、今後、ここではないどこかで俺たちのような過去の記憶を持ち、しかも悪用するようなヤツらが出ないとも限らない。対抗手段は多くしておきたいからな……。
さてさて、次は二十階だけど何が待っているのやら?
だけど……。
ごく普通の冒険者からしたら
本当に、はた迷惑なヤツらですよね(笑)