表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
142/337

108, ダンジョンで、……攻略は、十九階へ ①

 結果として、風盾(フージュン)風洞(フード)も無事にその機能を果たし、この階のボス、すなわち世界樹の若さまのナンノキの母様に会えた。

 クァットロさん推薦のクラブルォーも大活躍で、泡を吹き出すくらいには、大忙しであった。……ああ(クラブ)だけにね。


 しかし、光魔法の展開よりも蟹の方が早く毒を吸収していくとは思わなかったよなぁ。

 生きているコス○クリーナーが一匹で、十八階のナンノキの母様のいる池の周辺のみならず、この階の毒をどんどん吸い込み、圧縮して、自分の武器にするんだから凄いわ。


 ナンノキの母様も唖然としていました。


 まさか自分以外に、この猛毒というのもおこがましいほどの馬鹿げた濃度の毒を取り込んでしまうモノが居るとは思っていなかったようです。清々しいほどにあっさりとナンノキの糾弾を止め、クラブルォーをスカウトしていました。


『そ、そちらの蟹さんは……、わたしの行っている毒の浄化に力を貸しては貰えぬだろうか。わたしと同じだけの毒の浄化能力を持つ者がいるとは思っても居なかったから。』


 その母様の言葉を聞いたクァットロが、ハァ……と呻く。

『どうした? クァットロ。』

『あぁ、あるじ殿。世界樹の母上殿は誤解しておられる。クラブルォーは浄化している訳ではなく溜めているだけなのだ、……襲い来る敵に対して、種族や仲間を守り抜くための武器として、力無き者の最後の一刺しに備えて。敵対するモノたちが居ないと、その必要が無くなる。最悪、毒を吸わなくなるぞ、それでもいいのだろうか………。』


『……ということなので、敵対種族と一族もろとも繁殖させるならいいがということだ。』

 この答えには母様もビックリしたようで木の体で仰け反っておりました。

『なんと言うことでしょう!』

 どこぞのリフォーム番組のMCか、アンタ。


 ナンノキ自身は、俺の手の中で思念を母様に送っていた。

『わたしがあるじ様についていき、世界の毒素の元を見聞するためにも彼らには頑張って貰いたいものだが、あの池?なら余裕はあるのではないですか?』


 なぜなら、母様の実家、つまりは世界樹の根っこに湖と見間違うほどに大きな池があり、この世界の毒素が満ちているそうな……、そこを浄化して欲しいのだと話してましたから相当に凄いところなんでしょうな。


 なんと言っても、この世界の毒の濃さはハンパないほどの濃さで、しかもナンノキがまだ若木という事もあり、代わりのモノを探すためにここに居たそうな……とは母様の弁。

 そのために魔王様に許可を得て、この階のボスを務めていたと言うことでした。


魔王(シャイナー)、こんな重要なこと忘れてんなよ~。」

「ははは、済まん済まん。」




「『という訳で、今回の功労者はクァットロだな。飯とデザートの希望は何かあるか?』」

 飯とデザートという言葉が出て喜ぶ者の中に、愕然と言う言葉が似合う者たちが居りました。

 コヨミ、リウス、リメラ、アトリの四人。


『そうですな~、我ら海のものになじみ深い味の物がいいですな~。うむ、昆布だしの熱くないうどんがいいですな。熱くすれば他の者にも食せるでしょうし、うむ。それで。デザートはクレープを丸めないままの一枚物で。アレなら、クラブルォーや三連ヒトデにも好評を博せそうですし、あるじ殿たちにも工夫のしがいがありそうですからな。』

 そう言うクァットロの言葉に、『やられた!』そう思いましたよ。

 俺のこ、……恋…人たちに対する気遣いがハンパないな。


「ああ、了解した。褒美(ほうび)を用意しよう。………ありがとうな。」


 クァットロのリクエスト、冷やしうどんとクレープの薄焼きせんべいがみんなに振る舞われた。若干、アレンジされて饗された。


 ……もちろん、あの四人にも、ね。


美味(うま)美味(うま)美味(うま)し!」


 しかし、クァットロさんの食べ方は豪快でしたよ。

 大盛りの冷やしうどんに自ら飛び込んで、食事開始。冷やしうどんを食っているのか、出汁として自分が入ったのか分からないくらい。


 牽制のために飛び交っていた三連ヒトデたちは、うどん相手に躍り食いをしていました。


 さらには………。

「「「「良かったよぅ、食べられて~。クァットロさんありがとうぅぅぅ」」」」

 そう言うコヨミたちの言葉にルナが気付いた。


「アンタ、何やってんの? 可愛い娘たちをイジめちゃ駄目でしょうが!」

 パッカーンという音がするくらいには、俺の頭が全力でぶっ叩かれました。





 まあ、そんなこんなで十八階の攻略は終わりました。

 次は、十九階。どんなところかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ