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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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100, ダンジョンで、……攻略は、十七階へ ②

九州地方の方へ

お見舞い申し上げます。

余震のなか、ほのぼので心を強くお持ちください。

早期の終息と復興を遠き北の地より

祈願しております。

「アレ」と指摘されて、ビビりまくりのセトラです。


 テュッキアさんの目もおっかないですが、男性陣はそろそろ復活して欲しいところです。

 目の前のアレはいまだに刺激が強いので、復活してもコンテニューが待っていそうな感じ。なんと言っても女性陣が手ぐすね引いて待っていますから。


「アレはどういう事? 何でドラゴンが人化しているの?」

 テュッキアさんの指摘は、こちらでしたか………ハァァァァ。


 何かホッとした。


 その瞬間を狙ったとしか思えないルナの言葉が俺を直撃しました。

「セトラ、あの衣装ってニッポン州独特の文化の本に載っていたものでしょう? 一体、どういう事なの?」

 う、うわぁ。ルナ鋭い!

 というか何でアンタ、そんなとこまで造詣(ぞうけい)が深いの?

 不審な気持ちが顔に出ていただろうか、唖然とした顔でルナを凝視してしまった。


「わたしの友達が主にその戦隊シリーズが好きで、良く描いていたのよ。マクハリにも付いて行ったわ。本当にアレって独特の文化よね。」


 な、何ですと!

 ヤバイ、この話題はヤバイ!

 寝ている()の人たちが起きてしまう……。

 話題を変えませう! なんとか躱しませう!


「お答えしましょう! テュッキアさんにも実はそのスキルがあります。人化は、あるじの魔力量に関係してくるので、俺ではない人をあるじにしたいという申告があった時に困るかなと思いまして、お教えしていませんでした!」

 もう、ほとんど「イエス!マム!」の心境でした。


「人化に必要な魔力量って、どのくらいなの?」

 そう言ってきたのはテュッキアさんではなくホシィクさん。

「あなたはそんなに変わらないでしょうが、自分でなれるんだし……。ウェーキの魔力量から言うとまだまだ足りませんが、あとは彼の努力次第でしょう。」

 ホシィクさんは水竜様、自分の魔力によって両足を魅力的なものに変えている。


「魔法を撃つ時に、戻ってしまうからよ……。」

 その、すいません。

「人化に必要な魔力量は、五万MPと魔物誑しの弟子を卒業するという事くらいだね。」

 それは人化している最中に常時使用している際の魔力量。


 ウェーキは、十万に届こうかというところだが、魔物誑しの弟子のレベルがまだまだ低いためにホシィクとの経路が細いのだ。


「そう、人化するなら今のところはセトラに、あるじになって貰う以外に無いのか………、悩みどころね。」

 テュッキアさんの溜め息が、また色っぽい。さすが年の……。そこまで考えた時に凄い目で睨まれました。くわばらくわばら。


「レイ、アポートは使える?」

 というルナの声にハッと気がついた時は既に遅し。

「ああっ、待て。お前ら!」



 狙われていたようです。目標の部屋はすぐそこだし、俺の他にはレイだけが転移の魔法に近いのだから。第三の手でも熟練してきたら可能なレベルの障壁しか張っていませんでしたから……。仲間という事で侮っていたのが(あだ)になりました。ですが、薄い本だけは層庫の中にあります。問題はリュウオウ戦隊ものの絵姿を引っ張り出された場合くらいで、あとは女性誌である事を望むばかり。


「……ン-、何か取れたみたい……。」

 Oh、神よ………orz










 俺はパットに引きずられて時空魔法を発動してしまった時に、自分の魔法が上位転換したことに気付いた。

 空間魔法は転移が主である。では、時空間魔法は……?

 そう思って、ひとまず発動してみた。レイが今使ったようなアポートの魔法。ただし、取り出し先は不明だ。


 こちらの世界では現在の時間さえも明確ではない事。しかし、その世界にあって、今もなお進んだ科学(・・)の技術で、時間軸(タイムライン)を刻んでいるものが此処にあった。パレットリアやスクーワトルアの旧城、神の雷を放ったという伝説の塔。

 これを魔法発動の中心として利用した時に、アポートの魔法が変化した。


 俺はそれに繰転移(アポスタ)と名付けた。完全に無指向の引き寄せ魔法だった。

 それは別の世界だと思うが異世界といえばいいのか、その定義は不明だ。


 だが、似たような世界から世界の壁を乗り越えて落ちてくるモノもあれば、いきなり跳ばされてくるモノもいる。彼らは時空を越えて跳んできた、俺たちの仲間なのだと思う。


 その魔法に最近はハマりっぱなしで、自分の部屋で寝る前には必ず一回は、魔法を発動していたから部屋には結構散乱している。その中の何かをレイがアポートに成功したという事だ。



 頼むから変なヤツを引っ張ってこないでくれっ!


「来たッ! ……ってこれは……。GAL(ガル)GIRL(ガル)じゃん、二××三年ものってアタシらのだっけ?」

 俺的には、女性誌というものは未知との遭遇なのであって、何年ものとかそんなの見ていなかった。だが、今の口ぶりでは前世にもそういう雑誌はあったらしい。


「見せて見せて。」と、女性誌に群がる女性陣。その足元では男性陣が気絶しているという厄介な現実。

 この女性誌をチラ見して、テュッキアがクモのおしりから糸を出しては生地を造り出していきます。その生地で作ったのが、それは人の足に合うようなひらひらのスカートでした。即興で造った割には良い出来に女性陣の溜め息が漏れていました。

 それは、テュッキアの孫たちも同じようでガン見しています。ただ、クモの姿では、それは履けませんから、どうやら人化するようです。


 瞬間に光ったと思うと、そこには前世のテュッキアが立っていました。ひらひらのスカートを押さえて微笑んでいるのは、まさしくあの頃の彼女です。


 ただ、この光景にショックを受けたのは、テュッキアの孫たちでした。

 人化したいがために、俺と従魔契約を交わしたのです。


 男性陣が長い眠りから覚めた時、俺は三人の女の子を(はべ)らせ、人化したアルケニーの一団に囲まれているというとんでもない状態だったのでした。


「お前、また誑したのか?」

 とは、実感のこもったヒリュキとシャイナーのことばに、力なく沈んだ俺でした。


 ただ、アルケニーの皆さま方、皆さん糸を操るのはお手の物で、ヒト族の皆さんのご要望に合わせて、いっせいにひらひら服を作っていました。………orz 南無ぅ。




















 結局、ゴーレムボックスを専用で貸し出しし、その代価としてパレットリア新国にあるダンジョンで洋裁集団として活躍する事になりました。その際のデザインのための本として、繰転移(アポスタ)で手に入れた女性誌は拠出する事になりました。


 こうなりゃ、自棄(ヤケ)だ。このダンジョンを攻略して魔物を誑そう!

 このまま次の階に行きます。次こそは十七階攻略だ。

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