双子台風接近に伴う落雷注意報~コヨミ姉
あの時、こんな感じみたいな?
『フゥ、おしゃべりとは余裕ですか? あなた方は……』
と呆れた口調の横槍が入る。
『わたくしはプ・リウス・スクーワトルア。四歳ですわ』『わたしはプ・リメラです』
第一王子の二人の王女の一人、銀髪碧眼の姉のプ・リウスだった。双子の妹の方のプ・リメラも睨んでいた。ギョッとして、恐る恐る鑑定してみると、ともに【兎耳】レベル2を持っていた。別名地獄耳だが、見た目から言うと、ネコ耳が妥当だろうか? 双子なだけに念話のレベルが既に3ある。厄介な……。
「何か言った、ウェーキ」
コヨミがポツリと聞いてきたらしい。
虫の知らせみたいなものを感じていたようだなと、ウェーキは俺が領地に戻ったときに述懐している。
「な、なにも……。何も言ってないよ?」
ウェーキはコヨミが静かに聞いてくることに怖気を感じたとも。
『プの方たちってわたくしたちですの?』
あら、聞いてた?
『あんたら以外、居ないね? よろしくお願い致します。プ・リウス様?、プ・リメラ様?』
『わたしはプ・リメラ。…リメラと呼んでセトラ様、プの方たちはやめて欲しい。姉様だけにして?』
ネコ耳がぺしょっとしてる。う~む、ヤバイ。なでなでしたくなる。
『な……、なんてこと言うんですの~?』
冷たい妹の言葉に愕然とする姉。あ、尻尾が膨らんでいる。
『わ、わたくしも、リ、リウス…と。よ、呼んで欲しくってよ?』
デレた………。しかも語尾が疑問系ってアリ? んー、あり……かも?
「何か言った、ウェーキ?」
「………………、な、何も……」
絶対零度ってこんな感じ……? ウェーキはただひたすら首を振るだけ。
絶対に、俺がなんかやらかしたんだと、思っていたらしい。コヨミ姉ぇには言えなかったと。
「クスクス、そんなに見つめ合うだなんて、あなたたちずいぶん仲良くなったのね。」
セリカ様の爆弾発言に第一王子のレビン様はハッとして睨みつけてくる。
「もしや、我が娘に惚れたとでもいうのか?」
声と顔が怖い。端整な顔立ちに鬼が潜んでいるような笑顔に背筋が震える。
「いえ、そのようなことはありません」
勘弁してくれ……。そんなことになったら、俺はコヨミが怖いぞ。
……アレ? なぜなんだろう? なぜ、コヨミが出てくる?
「何か言った、ウェーキ?」
「………………………」
返事さえも出来なかったと、笑顔だけど、その笑顔がひどく怖かったと、トラウマっていた。




