96, ダンジョンで、………新規攻略、十一から
十一階降りてきました。十階でメリンダと仲の良かった数匹が彼女を慕って、また従魔の中に加わるという出来事が有りましたが概ねスムーズに移動が完了しています。
さて、十一階は海の下という環境と、泳いでいる魚が見えるというのが大問題です。
前回の時はキマイラの二匹だけでも大騒動だったのに………orz
今回は猫科系統が増えているためにあの時の比では無い状況で、あっちでもこっちでもピョンピョンと跳び上がっては空振って頭から水を被る始末。
あっちこっちで水を浴びてはミャアミャア鳴いていて、どうもこうも阿鼻叫喚の様相を呈しています。
キナコとスキップは前回の経験を生かしたようで海水の落ちてこないところで、おとなしく箱座りをしていました。
この十一階でも、赤雀雲丹の四代目さんを慕って、新入りが。海水をジェットのように噴出して飛び回る海星たち。
普通の雲丹の三倍の速度で動く四代目を追い掛けて、自分たちも高機動になったそうな。三匹の海星たちは体表の色が黒いので、黒い三連海星と自称していますが………自分で飛んでいく手裏剣というところでしょうか?
では、十二階へ参りますか?
そんなに久し振りでは無い十二階。オットトドやコバンアザラシが今以て、格闘技をしまくっている状態の中、アクィオの従魔になったトッタがアオアオ鳴いて駆けて?いきます。駆けてというか、転がり滑っていくような勢いです。
そのトッタの行く先には、オットトドのメス十数頭で構成するハーレムがあり、それらの子トドも集まっているような次第で、それを見たアクィオくんは、顔面蒼白で頭を抱えていました。
「あいつらも連れて行くとか言わないでくれよ?」
小さく小さく願っていました。トッタがどう判断するかでしょうね、それは……南無ぅ。
結構すったもんだした上でトッタが出した答えが、自分と、第一位のメスとその子供の二匹を一緒に連れて行くというものでした。ハーレムの十数頭はハーレムを維持したまま、次回の抽選に賭けるそうです。
十二階はすったもんだで終了し、アクィオの負担が増えた………南無南無。
さて、十三階だ………またマラソンかぁ。
と、思っていたら、十三階で判明したのですが、数々の薬草たちは自分の居場所を確保するためにゴーレムハウスの屋上の畑を全面的に菜園に改造していたので、急遽ゴーレムハウスの拡張工事を行いました。ゴーレムハウスの髪型が、変わりつつあります。ちなみに今まで特に記してはいませんでしたが、ゴーレムハウスは土属性のもの。
だから、薬草たちの菜園への改造が成った訳で、でも自由に生活しすぎだよ、君たち。
さて、これだけゴーレムハウスを量産できるのには理由があります。
ゴーレムの自立行動を支えているのは、内部に刻まれた魔石からのエネルギーがミスリルの金属糸の魔導回路に伝えられて、ゴーレムの体の隅まで魔法力が伝えられているため。
そのためのミスリルは、スクーワトルア襲撃戦当時のミスリル製ゴーレムの体から得られている。
七メルの全高、五メルの厚みを持つそのミスリル鉱山は、九体。落とし穴に落とした後に、超高空からの精密攻撃で内部回路を破壊してから層庫へと転移しているが、魔導回路を人間で言う神経並みの細さで全身に張り巡らせているために、既に大小含めて千体近くが既に稼働しているが、使用している量的なものはまだ片足に満たないくらい。
神経並みの細さの魔導回路に対してエネルギーを補給するのは魔石で、管理者権限で入れる部屋にある。だが、周囲に漂う魔素や、ゴーレムハウスに居る者たちから発せられる微量な魔力も吸い取っているために、非常時における起動が可能になるのだ。
これを逆手に取られて、ゴーレムハウスの屋上で薬草たちの大繁殖が起きた。
全身に張り巡らされたミスリル製の神経の露出した部分から、魔素を吸い取っていたのである。今回判明した改造点を踏まえての拡張工事でした。土属性のゴーレムの体表面は親水性のあるものを、内部にも滑り止め加工の付いたタイルのような磁器で覆う事にしました。加えて薬草たちのいる菜園にも、あまり他の魔物と変わらないような環境にしました。そのまま、大繁殖されても困りますから。
この大繁殖を受けて、他に稼働しているゴーレムハウスの一斉点検を実施した事は言うまでもない。
今回の攻略で判明しなかったら、どうなっていた事か………orz お陰で、ゴーレムハウスの実地検分が出来て、使用している王族や一部の貴族とのパイプが太くなった事はなったが………仕事が増えた。内部に設置してある魔石の一部を俺が加工して持つ事によって直接に、管理権限のある部屋に跳べるのだが、それはそれ、これはこれ、であろう。
ではでは、十四階のロック鳥のエリアでも………ドラマが。