95, ダンジョンで、………新規攻略、五から
森林狼たちのエリアに戻ってきました。フォーレと名付けた元森林狼のボス。シャイナーの足元で子狼となって、同じサイズになった妻や子とじゃれ合っているのを見ると、フォーレも馴染んだなぁと感慨深くて。
もっとも、セーフティエリアの前に整列している元の群れの仲間たちが、あの当時のフォーレと同じようにじゃれ合いを見て唖然としていました。
顎が落ちた狼なんてそうそう見られるものじゃ無いです。
……また、何匹かを誑して五階は終わった。どんどん増える従魔たち、狼系が増えていく………orz
次だ、次! 六階行くぞぉ。
六階は、拳闘木のリングがあって、階級別で戦っていました。無差別級も有るには有るのですが、前回の魔王の拳による介入により、肩身が狭くなったようで限られた場所で対戦されていました。
ロッキーがその無差別級に飛び入り参加してました。
さて、次の七階はロケットハナ・ビーが居たところですが。元々の女王蜂含めて、五組の分蜂した連中全部が元の巣ごとパレットリアに移転、もとい転移しているので何も居なかったような………。
と、思っていたらセーフティエリアには入れないが、その外でぶんぶん唸っているのが居てビックリしました。俺たちに同行しているロケットハナ・ビーのムサシ丸が、警戒音を放ち続けるくらいには、危険な相手という事らしい。
『ブゥン、ブンブンブゥーブゥンブゥブゥ』
蜂のムサシ丸が噛みつく。
『ブンッ、ブブゥーブブブブブブゥン』
相手の蜂がメンチ切っているところに、アルケニーのテュッキアさん登場しました。
『シュー、シューシュウ!』
まだ、そっち系の食べ物、食っていたんですかい? 蜘蛛の魔物だけに、ご馳走に見えたとかいうのかな~。
でも、ヒト族にも蜂の佃煮ってあるから、栄養的には有りかもね。
もっとも、彼女の狙いが自分たちだという事に気付いた蜂二匹は、戦略的撤退に追い込まれました。
『ビー』『ビー』
潮が引くようにセーフティエリアの前から居なくなったのは、この階の新たな蜂たちであるウチャゲハナ・ビーたち、主食はアース・イートピーという花の蜜。
大地に這う蔓から咲く花の蜜を取っている。
実として豆を生らせる。この豆はコーヒーの味がする事から、ヒト族の間でも愛好者が多く栽培されている。魔王の趣味の一つである、モーニング・コーヒーのために最近、畑を作ったばかり。
「やれやれ」とばかりに毒気を抜かれて、次の八階へと。
豚がLもとい、豚ガエル。
ここからパレットリアに転移したもので、乱獲してもすぐに増えていく、ある意味お手軽で美味しい魔物。
最近、新種が出たらしく、ミニブタサイズのコロコロッグという魔物。
網で捕獲して、吊すと同サイズのボンレスハムをドロップするという魔物で吊るし方により、チャーシューになったりもするらしい。これでラーメンが美味しくなるな。
さて、どんどん行こうか、次は九階。
カウエルはのんびりと草を食んでいた。
前回の騒動のあるじは夢幻狼ではあるが、今は子狼モードでヒリュキの後を追い掛けている。何か、融合してからの方がベッタリ率が高いな、メリンダ。
あれから、一年。
てこ入れもしたけど、此処だけは牧歌的で、何か和むなー。
ああ、ミルク搾って………、ゴーレムに搾らせておくか。定期的に市場に出すように、ウチの方でも造っておこう。
こっちのは、上の学院側の門のところにでも繋げておくかな。
一〇階の魔物の夢幻狼は、健在でなんとなく群れが大きくなっていました。やはり、体色がある方が惹き付けられるというか、出会いの確率が高まるせいでしょうか?
ただ、セーフティエリアの中と外でまたガリガリとやっていました。
今回は見守るだけにします。想転移は使いません。
変に通訳したら、こっちまでダメージを喰らいかねませんからね。
でもまぁ、『あねご、ツヤツヤしていますね。』とか、『アイツ、あねごのイイひとですかい?』とか、『あねご、こっち戻って来ないんですかい?』とか言われているんだろうなぁ………。と、ブツブツ呟いていると、メリンダの耳がピクピク動いていたので、ひょっとしたら聞こえていたかしら?
『セトラの大将! 一々言い当てないでくださいよ。勘のいい人ですねぇ! それと、『あねご』も禁止!』
メリンダに怒られました。どうやら全部当たっていたようです……てへっ。