86, 大暴走《スタンピード》 ⑩
スマホでの打ち込みも開始しました、
少しは、更新に繋がってくれれば………。
頑張ります。
「「にゃ! にゃにゃ! にゃにゃにゃ!」」
さすがです。二人とも動きも言葉もシンクロしていますよ?
本領発揮ですか? プのネコ耳姫様たち?
シッポがピーンとしていて、それはもう得意げに黒真珠虫を追い掛け回しては捕まえて、池に放り込んでいました。
まぁ、任せましたよ、頑張ってください。
その間に俺は……。
「ウェーキ、コヨミ姉ェ、ユージュ、イクヨ、ホシィク、水を司る者たちよ、召喚申請を受け入れよ! 奏転移」
時空間属性に存在する魔法で、本来なら使い魔などを召喚する魔法を俺の望む者に対しての任意召喚することの出来る魔法。奏転移として、多少はソレっぽくしました。強制転移という訳ではなく、転移するかしないかを選べる任意召喚です。
そのため召喚者には、要請窓が届きます。
その申請を受諾することで経路が繋がり、要請した者の近くへと召喚転移が可能になりました。一応、時空間属性になっていますから、距離に応じた相当のバカ魔力が、マジで必要ですが………orz
しかも距離に応じて、相応の魔力を消費するので結果的においそれとは使用出来なくなっています。
魔法陣の中で循環する魔力の中で利用するとかでないと、現在の俺でも相当な無理が生じます。
これの前段階的な無作為召喚と呼ばれるものは既に可能ではありますが、これもいろいろと不可思議なモノを引っ張って来ちゃったりするので、今のところは封印してます………。俺の層庫にいろいろとヤバイ物が入っています。薄い本とか、ええ色々とマジに………orz
とりあえず、いま現在の用が足りればいいです。
「に、任意召喚だと! 使い魔ではなく、人間をか? なんてヤツだ! ん……?」
俺が送った召喚申請の窓を見て驚愕しているのを、離れたところで見ていたア・クラツ王たちが何やら疑問を抱いたようだった。
「あれは、何をしようとしているのだ? 魔法陣の下では魔物が溢れておるというのに、亜人どもが捕らえているだけで討伐をしようとしておらん! 何を生ぬるいことをやっておるのか? それでも王だというのか?」
ア・クラツ王の激昂だった。
「あのネコ耳姫様がたはスクーワトルアの姫様がたです、名誉毀損になりますよ? ですが、そうですね、あなたがたにはお分かりにはならないでしょう? あれこそがセトラ王の信条ですので、かくいう私もあの方に救われた一人なのです。」
ア・クラツ王の言葉に応えた者がいた。
高さ十メルで薄い壁がグルリと囲っているような所に外階段は付いていない。しかも、聞こえたのは聞き慣れた声、大きく開いたガラス窓の方ではない、内側だ。そう気付いたア・クラツ王は、その声の主に怒りの言葉をぶつけた。
「いままで、何をやっておった? おのれの行動の成果いかんでアネィの身柄が危うくなると知っておっただろうが! アキィム! 恥を知れ!」
その怒濤の言葉の砲弾に驚いていたアキィムは、うっすらと微笑した。
「そうか、アネィを砂漠に放り出したのは兄上ではなかったのだな………。私は、思い違いをしていたな。」
逆にその言葉に驚いたのはア・クラツ王の方だった。
「なに? 砂漠に放り出した………。いくら后の座を欲しがらぬからといってアネィは俺たちの妹分、俺にアネィを害することなど出来ぬわ。……ぬう、俺を謀ったヤツがいるというのか………。城に戻ったらやることが増えたな。だが、それを知っているということはアネィもこの国におるようだな、アキィム。」
ア・クラツ王が意外にも明晰な思考能力を有していることに、俺は驚いていた。俺との判断基準の違いが埋まれば、かなり友好な国になりかねないところだな。
だが今は、こちらの戦いで『源の黒』の使い魔たちとケリを着けなければ何も始まらない。俺たちの最大魔法を突きつけるのみだ。
ウェーキ、コヨミ姉ェ、ユージュ、イクヨ、ホシィクの全員が、任意召喚に応じたことで、俺たちの最大魔法をアリジゴク野郎?に、ぶちかましてやれる。
「しかし、任意召喚か………、セトラも人間踏み外してきたな。」
幼い時から一緒だったウェーキは、痛いところを突いてくる。
「お前だって、既に人外のレベルだ。ホシィクと一緒になるなら、特にな!」
悔しいから、俺も言い返しておく。
「もう……、二人とも同レベルの人外だよ。クスクスクス…。」
イクヨが素でツッコんでくる。
「でもさ、イクヨもこれだけのメンバーに溶け込んでいるっていうのも凄いんだけど……。あたしは、水竜だから。仕方ないけどさ。」
本領発揮する時のホシィク水竜様は、超ビキニの種族固定の姿になっています。本人は諦めているようですが……。諦めきれない人もやっぱりいるようで。
「あー、ホシィクそれは今言って欲しくなかったかも………orz でも、水竜ってアチコチ凄いんだね、いーなぁ……。」
という感想を持ったイクヨ。ちょっと自分と見比べているようで、魔力の上がり方はハンパないです。
「イクヨちゃんもホシィクさんも、わたしから見ると全然凄いです。わたしなんかまだまだ小さくて。でも見ててセトラちゃん、わたし大っきくなるように、頑張るから!」
「「「「「「セトラちゃんだとぉ………、アイツ殺す……。」」」」」」
とどめのコヨミ姉ェの意味深な爆弾発言に、俺は唖然とするものの、三重の魔法陣を構成する者たちの中で砂を吐く者やら、血の海に沈む者やら、血の涙を流す者やらが、大量に出る始末。
あ、プのネコ耳姫様たちもシッポを膨らませて何やら抗議しておりました。
しかし、こんな命掛けの際際のところで、こんな冗談が言えるくらいには慣れ親しんでいる辺りが、この面子(メンバー)の凄いところだな。
「「「「「「「冗談なんかじゃないよ………」」」」」」」」
あ、あははー。さぁ、さっさとぶちかましますか。『源の黒』とやら、テンションMAXでぶちかましてやんよ!