80, 大暴走《スタンピード》 ④
なぜか、作者が大暴走中です。まさかまさかの四連?
いつもの半分ですが……。
さて、御布令から数日経ちましたが、城壁内はいつも通りに静かに情勢を見ている感じですが、城壁外の受付窓口には避難民が殺到しております。
どうも、その避難民の数が増えるにつれ、統制が取れなくなってきているようですが、実のところ、俺たちには関係のないことなので。
先日の御布令の時に、城壁内の「奴隷」があまりにも平然としているので何故か?と思い、質問したことがある。
「何故、お前たちは肉親に会いに行かないんだ?」と。
それに対して、返ってきた言葉は………。
「口減らしで売られたのに、今更再会して憎しみを募らせるのは嫌だから……。」
そういう答えがほとんど。
確かに数年前まで、この辺りを含めて酷暑が続いていたからな。ただ、その答えを聞いて顔を背けた者も多かった。それを抜きにしても、この地域では肉親が、もしくは村が、口減らしを行ってきたことは事実だったのだから。
だが、城壁外では、そうも簡単には行くまい。
安寧の土地が目の前にあるのだ。希望を得てしまった彼らにまた長い道を歩けというのも酷な話ではある。
最低限の所持品。最低限の食料。一度見つけた希望に縋ってしまった彼らには、残るのは苦渋の選択だけ。
彼らには、この処遇は厳しいことは分かっているが、仕方の無いことだ。
入国を決めた者たちに弾劾されるかも知れないが、そんなことは俺の責任では無い。
文句があるなら、入国なんぞしなくていい。
これは慈善事業では無いのだから。
どのみち、これは入国申請の時に彼らに告げられ、最終決断をした者に責任が渡される。
そう、入国に関しての責任は全て、避難民の各自が負うことになる。
その決断を迫るための時間は残り少ないはず、なぜなら……。
おそらく、彼らの後方に相当数の魔物が追い立てられてきているはずだ。今はまだ、砂漠ワームのゲンの指示の元、砂漠ワームによるディ○ダ○を実施しており、こちらに追いつく時間を稼いでもらっている。
砂漠の砂の中を掘りまくり、その脆くなった砂の上を歩いている魔物を最下層まで落とし、始末していた。彼らからの魔石の献上が止まないからな。
しかも、その数は右肩上がりに上がっている。
この状況が、峠を越えない限り、学院のダンジョンには戻れない。
砂漠ワームのチームワークの良さに、感動さえ覚えていた。
この行動は、おやつポイントに換算され、彼らの望む一品を用意しようと思ったほどのものだった。
彼らの望んだ一品は、「うどん」でした。それも極太です。
魔法で出した水玉を熱しては、極太のうどんの玉を潜らせてワームコインを戻したものを出汁にして、その場で一匹ずつ手作りした。
替え玉が多かったです……………………、疲れました。