即興1『天才とパスタ』
お題:天才のホテル
必須:パスタ
制限時間:30分
彼の名は、東藤悠紀夫。
世間で言う、「天才」だ。
IQ200の頭脳を持ち、一度記憶したものは忘れない。
人よりも吸収力が優れているため、習ったことはすぐに覚 えてこなしてしまう。
ひらめきも人一倍、いや十倍、いや、何百倍。
同じ24時間の中で、軽く普通の人の5倍の仕事をしている だろう、若手青年実業家だ。
彼は今、自ら立ち上げた会社と、そのホテルやレストラ ン、レジャー施設と、複数経営している。どれも、天才・東藤 悠紀夫のおかげで黒字の状態が続いている。
ある日、そのホテルに泊まった客が言った。
「ここのパスタ、味が微妙なのよね~」
その客は常連で、毎回ホテルのレストランを利用している と言う。一流のシェフを雇い、一流の料理、一流のもてなしを することで有名なそのレストラン。しかし、パスタ料理だけ は、少し違うのだと言う。
「何か、間の抜けた味なのよね~」
天才は考えた。
非の打ち所がない自分が、欠点を抱えるなんて何事だ。
考えつかくて、シェフにその件を訪ねてみた。
シェフは言った。
「ニホンジンは塩分取りすぎヨ~」
特にアナタね、とシェフは笑った。
オチがよくわからない。
反省。