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大いなる買い被り 2

部屋の中には、複数の人物がいた。

室内にはほぼ何の装飾もなく、ところどころに木で造られた机やいすがあるだけである。しかし、その飾り気のなさと柔らかい木の家具が温かみを感じさせていた。


長方形の形の室内には、出入り口から最も遠いところにある頑丈な作りの椅子に座るたくましい体つきの男性がいる。そしてその右手には老境にさしかかった男性が控え、左手には年齢が読めない中性的な美貌のローブをまとった人物が杖を持ってたっている。


その3人と向かい合っているのはまだ育ち切っていないだろう体を純白の神官服に包んだ美貌の少年で、その右手は質素な服に身を包み無表情のままたたずむ若い娘の左手をしっかりとつかんでいる。


そして部屋の隅には腰に剣をはいて、直立不動の体勢を維持したままの若い騎士がいる。この場にいるだれとも違うような異国風の顔立ちをした彼は、部屋の中心で少年に手をつかまれたままの娘をじっと見やっている。


さらに天井付近では、薄緑色で向こうが透けて見える体をもった、まだ5,6歳ほどの姿の男児がふよふよと浮かんでいる。彼はどのような年代の姿も、さらには実体化した姿もとることのできる上位精霊であるが、話がいつまでも進まないことに飽いたのか、いつの間にか現在のような姿となって一人戦線離脱したのである。





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