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真面目に作戦会議

 沈黙に耐え切れず、声を殺して話し出す。 

 

「なんとかアイツの気を逸らせないかな」


 この倉庫の入り口前にキャンプしている殺人鬼を見ながら議題を出す。


「まず私が裸になってアイツの前に行くじゃん」


「まずダメじゃん!まず俺以外の男にお前の裸は見せられないじゃん!」


「あんたにも見せてないんだけど、彼氏面キモ…」


 いや、裸になる提案が初手なのもだいぶキモめだけど。


「とりあえず、音を出して気を引くとか」


 楓が鞄の中をゴソゴソ探し出す。


「ごめん、ちょうど爆竹切らしてる…」


「爆竹は常備しておけってあれほど言っておいただろ!!おらっ!」


 ガシッと楓の髪を掴む。


「いや、やめて。ネイルとれちゃう」


「俺の、教育が!足りなかった!みたいだな!」


 言葉の切れ目にビンタのジェスチャーをする。当然当ててはいない。


「顔は、やめて。ネイルとれちゃう」


 ネイル関係ないだろ!とは言わない。なぜならこれは、中学生ぐらいに一度俺達の中で大流行した、過激ハイパーDV彼氏ごっこだからだ。

 彼氏の俺は無茶苦茶な理由をつけて、無茶苦茶なDVを行う。

 彼女は何をされようとも、ネイルが剥がれないか危惧する。

 人前でやるとドン引きされるのだが、中学生の時は2人共呼吸困難になるくらい笑いながらやっていた。


「で、なんの話しだっけ?」


「うーん、一旦いいかな」


 結構普通のボリュームで喋っていたが殺人鬼には気付かれていない。

 かくれんぼはまだまだ続く。


 



 

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