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鏡の裏とかね!
沈黙に耐え切れず、声を殺して話し出す。
「生きて帰れたら、久々にお前の家に行っていいか」
高校に入ってからおばさん達の顔見てないな。元気な顔を見せなければと、死に直面してから思う。
「えー」
楓は露骨に嫌な顔をする。
「小さい頃は毎日行ってただろ」
「小さい頃とは違うよ」
確かに、何もかもをさらけ出していたあの頃とは違う。お互いに隠し事も、考え方の違いも多くなってきている。
「めっちゃくちゃ、翔の写真にダーツの矢が刺さってるの隠さなきゃいけないし…」
「次のターゲットなの!?俺!!」
殺人鬼がキョロキョロし出す。
危っねー、マジで緊張感持って静かにしてくれよぉ。
かくれんぼはまだまだ続く。