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お久しぶりです。


今回は余命僅かな令嬢は愛を知る(https://ncode.syosetu.com/n0404ib/)の後日譚。

もし前作を読んでいない方であれば、前作を先に読んだほうが面白いかもです!

10話ほど付き合っていただければ幸いです(_ _)

結構ご都合主義なのでご了承ください。

「本当に今更いいのかしら……」


ブランシェ王国の中でも随一の歴史を誇るリベルタード公爵家。そんなリベルタード公爵家の一角で一人の女性がぽつりと呟いた。


彼女の名はフェリシア・カレロ。

彼女は2年ほど前に発病した奇病により命を落としかけていた。精霊石化現象という非常に稀な病気で幻の病とまで噂されているものだが、そんな病気を患っていた彼女はもうほとんど生きる意味を見失い、生きることを諦めかけていた。

そんな彼女に大きな機転が訪れた。



リベルタード公爵家の次期当主、ユーリウス・リベルタード。

社交界で知らないものは存在せず、紳士の鏡とまで言われた彼からの縁談の申し込み。


どうせあと少ない命だからと、断ること出来ないのだからと間違いでもいいから行ってみようと決心したフェリシアは、そこで予想外の溺愛を受けることとなった。





「大丈夫ですよ、フェリシア様。年齢なんて関係ありませんし、フェリシア様はどのご令嬢にも負けないくらい、とてもお綺麗です。自信を持って言えます」


アニタの言葉を受け、そうかしらと再び悩む。

アニタは私の侍女であり、姉のような存在だ。私が今ここでこうして生きていられるのも彼女のおかげと言っても過言ではないだろう。

ただアニタは私を過大評価しすぎるところがある。今だってそうだ。


「でももう私は16よ。一般的に社交界にデビューする年頃は9歳や10歳。見たことも、聞いたこともない者がのこのことユーリのとなりの立ってデビューしてもいいのかしら」


アニタが大きく目を開く。


「何を言ってるんです、フェリシア様!! むしろユーリウス様の隣に立てるのはフェリシア様くらいですよ! それに見たことも聞いたこともないといっても、きっと多くの者はこれまで何故知らなかったんだと驚いて落胆します」


最後の方は理解できないのだが、そういうものなのだろうか。

先日、ユーリから改めてプロポーズを受けた。

私の存在はまだ社交界には広まっていない。まだユーリの婚約者だと公表しておらず、きっと知っているのは私の実家であるカレロ家の者とユーリの近い親戚くらいだろう。


そんな私がユーリの隣に立つためにまず必要なことは社交界デビュー。私が夜会や舞踏会、茶会に出たのは主に私の妹であるラウラの使用人としてであるため私自身で社交界には出たことがない。


「はい、出来ました。自信を持ってください」


ありがとうと礼をいい、鏡で自分の姿を見てみる。

白をベースとしたゆったりとしたドレスには、金の刺繍が細かく入っており、胸元には大きな翡翠が輝いている。

ユーリ様がブラックベリーに頼んで作って頂いたのだが、、いささかユーリ様の色とかぶるため少し気恥ずかしい。

それに今まで綺麗な服は何度か来たことがあるが、初のデビューということもあるためここまで豪華なのは初めてだ。


もう少しだけ鏡を見ていると、コンコンとドアをノックする音が部屋に響く。


「シア、準備出来たかい? 出来ていないようならまだ待っているが、、」


「いえ、もう出来ていますよ。入ってきても大丈夫です、ユーリ」


私の返事とともにドアが開き、着飾ったユーリが現れる。

私と同じ白の生地を貴重としており、胸元に輝くブローチは透き通るような赤い宝石がきらきらと輝いていた。

思わず美しくて見とれてしまう。元々綺麗な人であるため何を着ても素晴らしく輝いているのだが、今回は一段と輝きが増しているようだ。


「ごめんね、シア。どうしても待ちきれなくて。早くシアに会いたくて来てしまった」


そうふにゃりと笑ったユーリはなんとも可愛らしい。


「ユーリウス様、フェリシア様への愛は分かりましたがここは最後までレディーの準備を待っておくというのがマナーです。今回は出来ていましたが、もしまだの場合はフェリシア様が断りづらいではありませんか」


アニタに言われふにゃりとした笑顔が消え、しゅんと落ち込んでいる顔になった。


「……そうだね、よく考えれば当たり前のことだ。いくら早く会いたいからと言って勝手に準備中もレディーの部屋に行くのは良くない」


しおれた姿がなんとも可愛らしく、思わず手を伸ばしてしまった。セットした髪が崩れないようにそっと撫でる。


「大丈夫ですよ。私はひとつも気にしませんし、それに私もその、、出来るだけ早くユーリに会いたかったので、、。これでお互い様という事でいいですか……?」


最後は少し恥ずかしくてしぼんでしまった。

ユーリは驚いたように目を見開きこちらを凝視している。何か、悪いことをしてしまったのだろうか……。

そう不安に思った瞬間ふわりと柔らかく抱きしめられた。


「ユ、ユーリ!?」


「いや、これはどう考えたってシアが悪い。僕は帰ってくるまでは抑えるつもりだったんだよ。本当はこんな可愛いシアを他の男に見せたくないのに、こんなに可愛いこと言われたらもっと行かせたくなくなるじゃないか。アニタ、今から行かないという選択はないのかい?」


「ありません。そして今すぐフェリシア様を離してください。せっかく美しくセットしたのが崩れてしまいます。それに今回の社交界デビューはユーリウス様がフェリシア様とご結婚するために必要なことですよ? 出来なくていいんですか?」


それは駄目だと渋々ながら私を離す。


「……分かっているよ。、、それじゃあ僕のお姫様。エスコートさせていただけますか?」


差し出された手を取る。

こうして私達は舞踏会が開かれている王城へと向かった。


久しぶりの登場人物。

こういう人達だったよな……と思いながら書いております……。何気に国名が出てきたの初めて??


面白いな・続きが気になると思った方は、評価、ブックマーク、感想ぜひぜひお願いします!!


御手数ですが、よろしければ下にある

☆→★に変えていただけると嬉しいです(_ _)

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