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アダムス操縦士学院  作者: 藤咲晃
一年生編 春の章
6/31

Cクラス名簿+a

 理事長:ゼオン・アルティス

 使用機体:黒の騎士人形ゼクシオン


 担当教官:クオン・ナギサキ 

 使用機体:白の騎士人形クォール


 男子11名


 アルト・アルディーニ

 使用機体:橙の騎士人形シリア


 ランディ・イネルハイム

 使用機体:麹塵(きくじん)の騎士人形ドルスタ


 リュウ・ウィンディ

 使用機体:深緋の騎士人形エンリョウ


 ハル・エルトナム

 使用機体:紫炎の騎士人形ヴォイド


 サイ・オルトネス

 使用機体:紅の騎士人形エンブ


 エド・ゾーピス      

 使用機体:雌黄の騎士人形フルム


 ガイ・ディアス      

 使用機体:蒼の騎士人形オルディス


 デュラン・ハーバー    

 使用機体:紅蓮の騎士人形ゴリアス


 ザナル・フォンゲイル   

 使用機体:黄金の騎士人形ヴォルグ


 ジン・ブルークス     

 使用機体:漆黒の騎士人形バルラ


 ファムラン・マーキュリー 

 使用機体:灰緑の騎士人形ファイン


 女子10名


 レナ・アトラス    

 使用機体:白銀の騎士人形ネメシス


 シズナ・イルグリム

 使用機体:鉄紺の騎士人形ミストラル


 リリィ・ザドルロス

 使用機体:灰の騎士人形ギルガリム


 リン・ナギサキ    

 使用機体:琥珀の騎士人形イルソン


 マリア・ニュクス

 使用機体:茜の騎士人形ピュリア


 ベアトリクス・ノークス

 使用機体:紫紺の騎士人形ゼリアノス


 エレン・パステカル  

 使用機体:白菫の騎士人形ネビル


 ミリム・マルドックス 

 使用機体:瑠璃紺の騎士人形ゾーン


 アルフィス・マリロア

 使用機体:桜の騎士人形リーチェ


 トリア・ハーキュリー

 使用機体:浅緋の騎士人形キルセイン



 ▽ ▽ ▽


 ──入学式の当日4月12日──


「クオン少佐。彼らが貴殿の担当する生徒諸君だ」


 理事長室に呼ばれたクオン教官は、ゼオンの階級呼びに苦笑を浮かべる。


「理事長。ここは軍部ではありませんよ」


「あぁそうだったな」


 ゼオンは瞼を押さえ、クオン教官にクラス名簿を手渡す。

 そこに記されている21名と騎士人形の名。

 中には良く知る人物の名まである事から眉が吊り上がる。


「貴殿のクラスには貴族、平民、スラム街の出身。果ては移民者と人種の問わない生徒が多い。特に昨日新たに操縦士に選ばれた生徒もな」


「昨日……覚悟を決める時間も無かった生徒か」


「あぁ。だが選ばれてしまった以上は他人事ではいられんだろう」


「えぇ、それは重々理解しております。しかし彼に意志が無いとなれば」


「……国の方針は相変わらずだ」


 生徒を憂う眼差しを向けるゼオンに、クオン教官は眼を瞑る。

 学業に専念せず、成績不振の生徒は問題無用で拘束される。

 以降拘束された生徒は暗い地下牢で監禁生活を送り、洗脳紛いな方法で戦場に送り出されてしまう。


「彼らが学業に専念できるかは、わたし達次第か」


 ゼオンは重々しく頷く。

 彼は軍総司令官だ。

 かつて生徒だった操縦士が戦場に駆り立てられ、若者が戦火に散る姿を見続けてきた。

 英雄と呼ばれるゼオンであろうとも、彼の功績一つで操縦士の地位を救うことはできなかった。

 それだけグランツ王国の操縦士に対する畏怖は蔓延し、操縦士は国民の盾として役割を強いられる。

 今の国王では操縦士の在り方を変えることはできない。

 かと言って大国に呑み込まれれば、外人部隊として最前線に駆り立てられる。

 クオン教官は軍人として操縦士の未来に深いため息を落とした。

 そんなクオン教官にゼオンは言葉を漏らす。


「まだリリナ姫が居る。彼女こそが操縦士の未来を変えてくれると良いがね」


 リリナ・フィス・バルムンク。バルムンク王家の王女であり、操縦士に対する好意を示す心優しい少女。

 彼女の存在が軍部の操縦士達を失望させず、グランツ王国に繋ぎ止めていた。

 そこまで考えたクオン教官は、古時計に視線を向ける。


「理事長、そろそろ入学式の時間です」


「そうだな。さて私は例年通り悪役を演じるとしよう」


 彼はそう言って鋭い笑みを浮かべたのだった。

 

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