啄みされざる少女
「おい お前こんなとこで何してるんだ?」
「う〜?あ〜・・・・」
「お前言葉もまともに喋れんのか・・・
仕方ないか・・・・
ついてこい」
「う〜?」
「だから ついてこいって!」
「あ〜!!!」
「あ〜!も〜!!
なんでこんなにも最近はクソガキがいるんだ!・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ぐ〜
「あぁ? なんだ?
お前腹減ったのか?
はぁ・・・
仕方ないな
ほら これ 食べろ
・・・・
お前遠慮というものを知らんのか・・・・
まぁ いい
で お前 なんでこんなところにいるんだ?」
「あ〜 う〜」
「そうだった・・・
お前喋れないんだな・・・
まぁ いいや
今日はそこにでも寝とけ
明日ちゃんとした布団作ってやるよ」
「ちょっと!私も紹介しなさいよ!!!」
「あぁ そうだったな・・・
ほい こいつはそこらへんに落ちてたやつだ」
「何 適当なこと言ってるのよ!
私はあなたが思ってるより高貴な身分なんだからね!」
「はいはい
じゃあ なんでこんなところにいるんでしょうねぇ?」
「それは・・・
言わないお約束でしょ!!」
「はいはい
じゃあ 早く寝ましょうねぇ」
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「ほれ あそこに果実があるだろ?
あれはな 食べれるものなんだ
どうやってとるかって?
そりゃあ 登るんだよ
ほら 行くぞ」
「あ・・・・
何落ちてるんだよ・・・
こんぐらい登れるだろ?
あ お前それはまだ若いぞ!
やめとけ!
酸っぱくてたべれたもんじゃねぇ
お前みたいなガキが食ったら
死ぬかもしれないだろ!
そんぐらい考えろよ!」
「おい あそこに虫がいるだろ?
あれがカブトムシっていうんだ
お前この網で捕まえてみろ
・・・え? できない?
なんでだよ
生き物は殺せない?
いやいや お前今まで何食べてきたんだよ
しかも別にあれ 食べるわけじゃないからな?
・・・・なんだよその目は
信頼できない?
そんぐらい信頼しろよ!!」
「おら ここが 俺のとっておきの場所だ
お前は二回目だったよな?」
「やっぱり綺麗・・・
普段のあなたからはこんなところを見つけられる
とは考えられないわね・・・」
「おいおい ひどいな・・・
さて どうだ?
綺麗だろ?」
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迷いの森と呼ばれる
バクランス王国の国土の3割を占める
森林は毎年8名の迷子者を出す
しかし なぜかその迷子者は子供に限られ
どのような大人も迷子になることはない
逆に言うとどのような状態の子供も絶対に迷ってしまう
たとえ 大人と手をつないでいたとしても
いつの間にか消えているのだ
大人に注意され
わかってるのに
子供はなぜか入って迷い込んでしまうのだ