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何だって此の俺が迷宮なんだよ……  作者: スラ君
迷宮誕生篇
9/41

009話 俺は初めての戦争を経験した。前編

キャッチセールスに捉まってニヤッと笑いながらアンタ!もう逃がさへんでぇ~♪などと関西弁で言われた様な感じの俺は、当惑していた……

或る意味、強引に引き込まれた迷宮オレは、僅か二日間の度重なる不幸の連続で、もう気持ち的にも限界を超えていた状態だった。


兎も角、心配した切り離し予定の水没した出入り口は、もう俺の感覚では何も感じ無い……


新しい出入り口も引き込まれたのは何故?と言う思いはあるのだが、一応の確認を終えたら今日のところは、何をおいても俺は暫く眠りたかったのだ。


何はさておき確認だよな……皮肉なことに雨は土砂降りから小雨と成り、未だ降り続いて外の見通しは可なり悪いのだが、日が暮れる前で何とか見て見る……


山裾にポッカリと空いた洞窟の出入口は、どうらや雨も降り込んでいない……横幅8メートリ、高さは3メートリ程で蒲鉾かまぼこの断面のようだが、俺はこんな出入り口を作った憶えは無いし、何だか知らない空間に繋がる出入り口が真横に存在している感じがして不気味だ。


坑道か?一段落したらこの洞窟の奥まで、ウォルフ達に調べて貰わなくてはな……取り敢えず量産型、お前達はここで見張りを頼むよ……量産型は黙って出入り口に張り付いた。


外を見ればナンとぉ~!!池、いや、即席の湖状態で、俺が繋いだ出入り口付近は、当分水が引きそうに無い程の水で溢れていた。


俺は驚いたがウォルフの話では、あの実の種で成長した木のお陰で、可なり地上の地形も変わったと言って居た。


何らかの都合で水の流れが変わり、低地の水が行き場を失い、偶々彼処に集まったとも考えられる訳で、押し下げられた俺の迷宮から伸ばした先が悪かったのだ。


まあ何とか急場を凌いで、一息付けたんだと安心もして、俺はウォルフ達やツイに話して、一眠りする事にした。


本当の所は寝る必要も無い筈なのだが、昨日に引き続きハードな1日で、目覚めてから心安まる時間は僅かだった。


まあ実際には、ぬぼーっと過ごして、時間を浪費しただけなのだが……いや、そう言う時間も俺には必要なのだ!俺が必要と言ったら絶対に必要な事なのだ!と俺は誰かに言ってみる……


それに俺は昔から良い子で、早寝早起きなのだ!言い分けをしながら俺は寝たが、反覚醒状態なのか前夜同様に夢を見た……


奥さん、奥さん【止めて!そんな事を……】良いじゃ無いですか奥さん、ご無沙汰何でしょ?【いや!もう主人あのひとが帰ってくるから止して……あ♡そんな事をされたら私は……】ここだな?【違います!駄目、駄目よ、違うのよ……】違うと言っても身体は正直だぜ!【罪な人ね♡】魅力的な奥さんが悪いんだ!と二人は何方どちらかとも無く口付けする……


突然違和感が全身に走り、何かと完全に接続した事を理由も分からないが感じた。


俺の存在が何かに脅かされている……何だ?異物?何だ此れは……焦る俺の元に、ウォルフ達四人とツイが寄ってきて「如何為されました?」【ウォル、警戒態勢、いや、戦闘準備だ】「畏まりました」「何が起きたのよ?」「何やらかした?」


コメットとエバが続けて質問をしてくるが、俺は【分からん、分からんがヤバイ!迷宮に意識を移すから、ツイは動きの鈍った俺の身体を守ってくれ!】「お任せを主様」そして俺は迷宮に意識を集中した。


何処だ?出入り口か!出入り口だ!クソ!くそぉ~う!折角夢も良い所だったのに胸糞が悪い、いや、俺の迷宮からだが何かに浸食されているんだ。


さっき繋いだ場所から浸食されて、未だ少し間隔が残ってはいるが、痺れたように感覚が薄れていく……此れは同種の力か?俺と同じ様な存在は、他にも居る筈だと俺は考えていたが、こんな近くで迷宮おとなりが在ったとはな……


俺はもっと良く考えるべきだった……毎度毎回、何度同じ失敗をすれば、此の俺は懲りるんだよ、あ~もう、自分自身が嫌に成るが何はともあれ〔ウォル!聞こえて居るか?〕〔はい聞こえております〕俺はやや強めで念じた。


洞窟迷路エリアに誘き寄せる〔敵の侵入を迎撃だ!相手は蜘蛛と蟻、蜂やその他の大群だが、お前達で何とかしてくれ、出来るかどうかは不明だが、俺はお隣さんと話しをする〕〔了解致しましたが、しかし此方からも攻めましょう、攻撃は最大の防御です〕〔それは良いかも?分かった任せる〕〔畏まりました〕


確認した時に違和感を感じたんだよ……不気味だったんだよ、何かに突き当たった時にも、良く考えれば良かったが、あの時の俺に気持の余裕は無かった。


あの時、俺は何故か用心を仕掛けたんだよ、けれどその直感を無視して、対処療法的にスライムを張り付けただけだった……その結果無残にも殺されて仕舞った。


先手を打って調査していれば、殺されずに済んだ物を……俺の責任だ!嫌な予感がするのなら、出入り口を余所に移動させておけば良かったんだ。良い訳だが気持の余裕は無くても、体力的にはその余裕が十分に在ったんだからな……


この時の俺は、出入り口の移動が可なり困難な大仕事だとは、未だ知らなかった。


とある場所で……


何だろう?私は長い間微睡みの中に居たわ……信じたくないけど洞窟の中で暮らす夢、私は何?急に呼び起こされて私は目覚めたの?誰に起こされたのかしら……


起こされた?え?私は誰?何?ここは何処?何なのよぉ~~~!?それに私の身体に気安く触るのは誰?ウウウ……気持悪い……私は込み上げてくる悪寒に耐えたわ。


ヒャ!何此れ蜘蛛よ、何で蜘蛛が居るのよ?夢じゃ無かったの?それにガサゴソ、ブンブン蟻と蜂も……キャーーー!黒のGと目が合って絶叫を上げ、私は大嫌いな虫に囲まれて思わず気絶したわ……


しかしそんなに時間も経たずに再び目覚めた。何て悍ましい場所なのでしょう……私には耐えられそうに無い世界だわ。こんなの嫌だ!それに何かに付き纏われて、この嫌らしく触られて居る感じ、もう嫌!鳥肌ものよ……


さっきから触っていた嫌な奴、今度は私に触れながらジッとして、余計に気持悪いじゃ無い!もう止めてよ……


何とか成らないのかしら?この触られる感じと、目の前のカサカサ……もう虫とも言いたく無いわ、もう嫌どっか行ってよ!ズサササ、ゴソゴソ、ズサササ……


あら?一斉に虫共が外に出たわ!私助かったのかしら……他は兎も角も、あの黒のGだけはゼェーッタイ!私絶対ダメ!駄目なのよぉ~!だからホッとしたわ……


一応さっきは急で、一瞬蜘蛛に驚いちゃったけど、蜘蛛だけは何となく好き♡なのよね……Gの天敵だし、チョット可愛いわよね♪アナタもそう思うでしょ?ハッ!私……私何を言っているのかしら……


何時迄も触っているこの痴漢、押しても離れないから相手を引っ張って、止めさせようと考えたのだけれど、より相手がハッキリして、覆い被さってきた感じだわ、何とか逃げようとしているのだけど動けない私、何て不幸なのかしら……


例えるのなら……満員電車で痴漢に遭い、私は我慢出来ずに捕まえようと手を引っ張ったら、更に近付いて酷く成った状態だわね、その上私は身動き出来ない、何て悲しい境遇なのよ、何て私不幸なのよ……(飽くまでも彼女のイメージ表現です)


けれど何で私の身体動かないの?どうしちゃったのよ私、付き纏うこの感じも不快だわ!虫なんか大嫌!あ、蜘蛛と蜂は許すけどぉ、他は駄目なのよ……蟻もまぁ許容範囲?あら又、私何を考えて居るのかしら?やだわ……私、考える事が集中して出来無い子に成っちゃった。


何よ此れ……嫌、嫌よ、何か口元辺りに私口付けされた見たい、初めてだったのに許せないわ!こんな奴殺してやる!私がそう考えると力が湧き上がり、取り敢えず文句は思いっ切り言ってやる!あぁヤダ!嫌だ!可なり息苦しい感じがする……


彼女は未だ自分が何者かを認識していない、二日前にこの迷宮は発生をしていたのだが、本能に従って迷宮の出入り口を作り、本能に従って魔物、この場合は蜘蛛を初めとする昆虫などだが、彼女は後に昆虫インセクト迷宮と呼ばれる筈だった。


だが覚醒直後に遭遇した隣の迷宮、軟体生物スライム迷宮との関係次第でどう成るのかは、今後の展開と言う話しに成って仕舞った。幸か?不幸か?彼女の運命は……そして主人公は……ナレーションはスラちゃんでした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

元々は脱出口の積もりで製作した簡易な通路だった。後で拡げちゃえばもうそれで良いや、と俺は考えて居たので、兎に角ここは狭い……そこを下が見えないほどの大量の虫が行進してくる……天井や壁を這いながら、ガサガサ、ゴソゴソと……


当初逆撃までを考えていたウォルフだったが、アッと言う間に集られてボコボコ、思わず通路を後戻りしながら「撤退だぁー!全員撤退しろぉー!」


プシュー!プシュー!と何かを撒き散らしながらコメットは「何よ此れ!しつこいわね」「コメットねえ、毒でもまき散らせば」「もうそんな事やっているわよエバ、それでも耐性がある虫が来るのよ!特に蜘蛛とGだわ」「G嫌い……」


狭い通路は大混乱で在る……


その出口では……スプロが量産型を集中投入して、現在防衛陣地の構築中だった。


俺は頼まれて通路からの出口、此方からなら洞窟迷路エリアから外への入口だが、地形操作で落とし穴を作った「大将、俺が此奴らと共に胃酸を溜めて、落ちた奴を殺すから吸収をお願いするぜ」


お前ら他人のゲロの匂いを嗅いだことあるか?それを食べたことは……俺は話しを聞いて、そんな気分になったよ、ウッ!?全く此れはリバースしそうな話しだよ……まあ思考を戻して仕方無い、話しを進めるか。


壁や天井から這いだしてくる奴らはどうするんだよ?「兄貴達が噴霧する予定だ。それでも抜け出す奴はいるだろうからな、そんときゃぁ俺の緑と兄貴の青が寄って集って始末するさ」今回は悠長に食ってる暇は、無いと言う事だな「まあそう成るわな、追撃戦の時にお零れに預かるわ」了解だ。


俺は全員に念話で〔俺に少し考えがある、時間稼ぎをするから全員早く撤退しろ〕「畏まりました」「了解だわよ」「何する気かは知らないけど、頑張って欲しい、かも?」かも?微妙に俺の株が下がってないか?まあ良い……


俺は細い通路の一部に長さ10メートリの範囲で、粘着性の液を雨の如く壁や天井から染み出させて、即席のGホイホイを作った【フッフッフ、飛んで火に入る夏の虫だぜ!見よあの格好を!俺は偉いぞ天才だー!】などと浮かれてた時期が俺にもありました。


アッと言う間に多くの虫で埋り、その上を踏み越えた奴らの進撃は止まらない……次から次へ天井から降り注ぐ粘液だが、それを物ともせずに動けなく成った同胞をアッサリ足蹴にして、更に羽のある奴は、滴る粘液を避ける始末で、敵の陸戦隊は阻止できても、空戦隊にはやや微妙な攻撃と成った。


G以外にも飛ぶ虫は、可なり多かったのだ……俺から見れば巨大な蟷螂やバッタが押し寄せて来る状況は恐怖に値する……


それでも、何もしないよりは良いか?と俺は思い、何度も同じGホイホイで懸命に阻んだが、レベルの低さが祟って、粘着液の品切れを起こし敢え無く閉店した。


だがその甲斐は在った模様で、迎撃準備は整い、最初の第一地点では、本命の罠の前に同様の仕掛け施していたから、俺は観戦モードに入り様子見をした。


落とし穴に突き落とされるように、次から次へと罠に掛かる虫達、壁や天井を這う相手は、消防のホースから飛び出した如く強力な胃酸が砲台と化したウォルフから打ち出される!臨機応変に狙いを付けるコメットは、マシンガンのような速射だ!エバは「ウォ~~~ォオ!!!」何故か雄叫びを上げて散弾を虫の塊へと、的確に且つ効率的に命中させて、次々と虫共を殲滅していった。


此奴ら何も考えていないのか?有り難い状況だが、不気味なんてもんじゃねえぞ?後に知ったのだが、虫達は命令と本能に突き動かされている、だけだったのだ。


俺は思った……もし此奴らが成長した後でこの戦いに成ったとすれば、確実に俺が負けて居た事だろうが、天は我々に味方した!今ならば未だ何とか成る……相手の数が減れば、残りは分散させて各個撃破だ。


そう考えて勝ちを確信したが胃酸にも限りがある……早いこと停戦するか、早急にこの通路の支配権を奪い返して、最悪侵攻を遮断出来るようにしなくては駄目だ。


初めての経験で、相手がどの様な力を使っているのか全く不明だが、今度は意識を隣の侵略に対抗するために俺は集中した。


一方の迷宮では……


こ、こいつは……未だ離れない……私の口から魔素サンソを横取りして、息苦しいったらありゃしないわよ!もう離れてくんない?この痴漢め!こうなったら私思いっ切り引っぱたいてやるわ!バシーン!(飽くまでもイメージ表現です)この時から隣を同化しようと、本能に従って迷宮からだが相手を勝手に浸食し始めた。


強引に主人公を引っ張り、唇を奪った犯人は、実のところ彼女からだったのだ……


あれ?虫が痴漢の口にドンドンと吸い込まれるように入っていく……キャハハハ♪何て……何て愉快♪こんな愉快なことは生まれて初めて、お腹を抱えて笑ったわ、キャハハハ♪苦しい……私を笑い殺す気なのね、ギャハハハ(イメージ表現です)何だかもうスカッとしたわ……(因みに彼女も生後二日です)


さぁー虫達よ!隣の痴漢をやっつけちゃい為さい!此の私の命令よ、オーホホホ♪何てね、ほんとバカバカしいこと言ってるけど、どう成ってんのよこの状態わぁ!誰か私に教えてよ、お願いだから……


彼女は未だに自分が迷宮であることも、権能を使い自らが生み出した虫を思いの儘使役出来ることも、何もかもが不明の中、恐怖と不安で単に力を暴走させる……


その一歩手前迄きていることに気が付かないでいた。ナレーションはスラちゃん

此処まで読んで楽しかった。何じゃこりゃ変な物語。駄作しょ。

等々の感想を始め、出来ればブックマーク登録をお願いします。

厚かましくも評価を頂けたら、最高に幸せな作者で御座います。


次回の更新予定日は、04月08日の午後5時に投稿致します。


俺様偉い!の足跡……(迷宮内の理)


中にいる生物を支配出来る事が判明した。何れ他の生物も支配出来るかも?


生物を自在に生み出したり、中で生物などを育てたり出来る事が判明した。


部屋、空間などの模様替えが、任意で可能なのかも?現在考察中である……


迷宮内で意思疎通が出来る生物は、或る程度の知識を分けている事が判明した。


階層を増やす力が潜在的に在る事が判明したが、現状では力不足である……


スライムがご都合主義的に作者都合で扱える驚きの能力……


分裂、合体、変形、胃袋、胃酸、触手、吸収、念話、圧縮

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