005話 見よ俺の知謀を!初体験の罠作り
目の前に差し出された虹色リンゴ、俺はデスられながらも感謝して食べる……
1号を初め部下達四匹は、創造主様が機嫌を取り戻して、正直ホッとする……
燦然と光輝く瑞々しい虹色リンゴを前にして、俺は知らず知らずに何故かゴクリと生唾を飲んだ。
飽くまでも何となくそんな思いがして、俺は徒や疎かにしては成らないと、祭壇に捧げられた内の一つをユックリ味わった。
忽ち力が満ち溢れて、全能感が俺を包む……そしてその実を消化した後、種が俺の中で溶けていく……今なら何でも出来そうな感じがして、俺は指をバキバキ(飽くまでもイメージ表現です)鳴らして「掛かって来いやゴブ共!」などと大きな声を出した。
おんや……何で?何で声が出ているんだ俺?目線も低く微妙で1号と俺が同じ目線なのだ。
アレ?何だ此れ……周りを渡して見ても可なり目線が低く、見上げれば森エリアの高い天井が、光輝いて見えるのだが、さっき迄と見え方が若干違い、俺は下を見て漸く全てを受け入れた。
そして徐々に喜びが込み上げて来て「俺は、スライムに成ったのかぁ~!」「創造主様、お戯れを……」1号が否定すると「目の前に居るんだがな……」
此れ迄も祭壇エリアで生まれた個体は、他の場所で生まれた個体よりも強かった。
驚いた四匹は唖然とした後で「生まれたてでその大きさは凄い、流石はあの果実の力だと感心も致しましたが、創造主様、新しい弟妹なのでは御座いませぬのか?」他の三匹も動揺を隠せないで居る模様だ。
1号の問いに俺は「違う模様だな……兎も角だ。フハハハ♪遂に俺は自由に動ける身体を手に入れたぞぉ~!此れでお前達と一緒に冒険が出来る」その発言で驚いた1号は「それでは此の場所の支配者では、無くなったので御座いますのか?」あ!そうだったよ……スッカリ忘れていた。
俺は動揺しながら「チョット待ってくれよ、今確かめる……」チョット前迄試していた権能を、迷宮に対して念じてみると、チャンと扱える事が判明し、ホッとして「どうやら問題無いみたいだな、うん……問題は無い」「それは何より、その様な話しなら上々、お目出度う御座います」他もホッとして口々に祝いを述べた。
1号は嬉しそうに説明口調で俺に話し出す「私が初めての単独行動をした後、木が落ちて来た時には、もう部下を連れて居たので、色の違う葉や実の全てを回収出来ましたのが僥倖でした。もう最初の一口で力が溢れて頭はスッキリ、圧縮スキルを憶えたのも直ぐで御座いましたよ創造主様」
外出する度に印象が変わったのはその所為か「だからお前は他の者とは違い、俺に感情などが伝わったのか?」「然様で御座います。それに創造主様、ご覧下さい」言うなり巨大化してドラム缶程の大きさに成ると「ホラ此の通り……自らの大きさ迄自由自在、簡単に圧縮出来ます」
その大きな姿を見て俺は「ヒョッしてお前達は、あのゴブ共に勝てていたのか?」「勝てました」「あんなの簡単よ、外でもワンパンで倒して居るわ」「俺ならデコピンだぜ」「ウンウン」だったらどうして……
俺の愚痴めいた感情を忖度して1号は「創造主様が撤退だ!などと我らに強く仰いましたので、我らでは創造主様の命令には到底逆らえません」あ……そうだったな「その後は何のご指示も御座いませんでしたから、此の場所で控えておりました」
俺は勝手に此奴らを過小評価して、思い込みで手足を縛って仕舞ってたのか……
「そうか……済まなんだな、俺が頼りないばかりに、心配をみんなに掛けたよ」
1号は恐縮する様に「いえ何ほどの事も御座いません。それよりも彼奴らの排除をお命じ下さい」「いや、それには及ばない俺に考えが有るんだ。少し力を試したいから、もしそれで駄目なら頼むよ」「畏まりました」
俺はそれ迄に扱えていた迷宮本来の権能に加えて、スライム達が扱う分裂、合体、変形、胃袋、胃酸、触手、吸収、念話、圧縮の全てが此の時点で扱える事を瞬時に理解していた。因みに迷宮も扱える権能が強化されたのだが、大した事を此れ迄はしていなかったので、全く気が付いて居ない様子の主人公だった。
目の前に残る虹色リンゴを収納した時「未だ此のリンゴを収納するだけで、容量の方は既に一杯な感じだな……まあ取り出してくれた時に、瑞々しい状態だったから此の方が良いんだろう、けれどもう少し入るかと思っていたがな……」言いながら歩き出した?時には四匹も付いて来た。此のリンゴは俺の切り札だな……
余談だが、レベル1で此の容量(虹色リンゴ十個分)は、破格の能力だった。
俺は森エリアから洞窟迷路エリア迄、ポヨ~ン、ボヨヨ~ンと一緒に移動しながら「此れは此れで微妙に不便だな……歩く感覚が残っているから違和感が半端ない」「創造主様のお体は、未だ生まれたてで御座います。それに慣れれば問題無き事、何れ時間が解決致しますでしょう」
1号の言い様に納得しながらも「それにチョット前なら全てのエリアを自在に感知して、思い通りの事が出来たのにな……」そんな事を口に出すと、俺の頭?いや、脳内?まあ取り敢えず不便だった状態から、俺の中に全ての情報が送られてきた。
俯瞰した状態でエリアを眺めた俺は「こりゃ良いや、奴らの動きも手に取るように分かる……それでは一丁やって見るか」「何をで御座いますか?」アレ?言って無かったっけ?あ!言って無いよ俺……「罠を仕掛けて殲滅するのさ、それに今後も侵入者対策に使えるし、一石二鳥を試すんだ」「成る程素晴らしいお考えですな」
俺は全てを把握していたが、此奴らと俺の身体を観察と、行動がしやすい地点まで移動する事にした。そしてその間に色々と話しを聞いて見た。
此れ迄俺は、此奴らからの報告を受けるだけで、大した話しなどしていない事に、今更ながら気が付いたのだ。
話しによると、1号が最初に外出した時には、未だ狭かった俺の影響範囲は、二度目には少し拡がっていたらしい……俺の力が増したお陰だと言っていたが、その後リンゴを食べなかった個体と、食べた自分達では、恐らく個体能力の違いで、その三体が一緒にエリア外へ付いて来ても、群れから離れた次点で限界を迎え、いつの間にか可笑しく成って行方不明に成ったそうだ。
後から後悔しきりで、その時点で四匹は相談をして無理しない事に決めたそうだ。どうやらスライムの方も個体差が存在して、強い個体の方が俺の影響を離れても、己を維持しつつ自由裁量で動ける模様だった。
今は大凡半径二百メートリ程が俺の影響範囲で、その中では小さな個体でも自分で判断し、群れとしての行動も可能な様で、俺の希望した果実などを採取してくれて居たと言う話しだった。
採取と言えばあの葉っぱ、あれはどう何だ?「可なりの力がある物と見受けます。同胞が何かの時に使用したいと思いますので、出来れば数枚ほど頂けないでしょうか?」「仲間思いなんだな、良いぞ他の者も数枚ずつは持っておけ」俺はこの場の全員に3枚ずつ渡した。
俺は此奴らの個を認める事にした。と言うよりか、もう話し相手としても申し分が無いし、部下ではあるが、ちゃんとした人格を形成している以上は、敬意を持って付き合おうと思った。
そして俺達は洞窟迷路エリアで、ゴブリンが至近で屯している地点迄進出した。
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僅かな時間でゴブリン共は、可なり疲弊していると感じた俺だったが、聞けばそこそこ時間が経っていたらしい……
ゴブリンは出入口付近で集っている個体と、数体で歩き回って、何やら探している様な素振りをしている個体がいる……
俺はハンドサイン(因みに触手を動かした)を出して付いて来る様に促すと〔創造主様、そんな事を為ずとも、念話で話せば良いかと存じますが……〕〔そうよね、突然サインなんか出されても、え?て感じよね〕〔だよなぁ〕〔ウンウン〕
俺は突っ込まれて恥ずかしかったが〔敵も念話を感知出来るかも知れないだろう、だからだよ〕などと誤魔化すと【オォォォ、流石は創造主様】と言う感情が伝わり俺は面目を保った事を確信した。
後でハンドサインの練習をしておこう……特殊部員みたいで格好良さそうだ。
気分はもう、達成困難な仕事に挑むエージェントか、レンジャー隊員の気分で俺は匍匐前進をズリズリして、後ろの四人に合図を送る……此奴らも俺の気分を感じてくれた物か、道幅一杯に並んで匍匐しながら後に続く……
先ず俺はどんな罠が良いか考えた……さぁー俺の知謀を見せる時が来た!此奴らは水も食料も無くここに囚われ居る状態だからな、水を餌に誘き出してやろう……
少しヒカリゴケの方も出入り口から拡がってきて、薄明かりがゴブリン共を照らし出す……そこへピチャ!ポチャ!水の滴る音が聞こえて来ると「グギャ?」「グギャァ!」「グギャグギャ」などと会話して、三匹が先ず罠の第一段階に掛かった。
俺はヤリィー!などとウキウキしながら楽しい結果を想像して待つ事数秒、慎重に耳を澄ましながら進んで来たゴブリンだったが、通路一杯に拡がる水溜まりを見て嬉しさの余り走り出した。
一斉にゴブリンは「ドッボーン!バシャーン!ズシャーン!」派手な音を立てて、ほぼ三匹同時に水溜まりの中に掘った落とし穴に飛び込んだ。
天井から滴る水滴は、薄く拡がった浅い水溜まりに落ちる音だったのだ。
藻掻くゴブリンだったが、此の儘ではサッサと上がって逃げて仕舞う、俺は一計を案じて穴の中の水を吸い出し落とし込むと、壁の周りから俺の身体(因みに身体は迷宮なのだが……)の土を変形させて、槍状にしてから何本も準備した。
風呂の浴槽に大きな穴が開いた様な感じで、渦潮に巻き込まれたゴブリンは、目を回してもう抵抗も出来無いのだが、俺は止めを差す事にした。
ゴブ共は断末摩の「グギャァー!」「グギャ!グギャー!」「グギャー!」などと声を上げ、恐らく卑怯な!無念!とでも言っていたのだろうが、その後は俺の中に吸収されると、此れ迄はお零れを貰って居た俺だったのだが、自らの手で殺めると数倍のエネルギーが、俺の中に流れ込んでくる事を知って仕舞った。
虹色のリンゴは、破格のエネルギーを俺に与えてくれて、カラッカラだった身体を潤し、新しい身体を得ることが出来た。此奴らは比べる程でも無い位の微々たる物なんだが、此れは又別のエネルギーなのか濃厚なのだ……
グフフフ、アハハハ、ギャハハハと、俺は込み上げてくる笑いが止まらなかった。
次々と悪辣な罠を仕掛けて、自らの力で、その手で止めを差して行った。
落とし穴の中に槍を立てたり、スライムを囮にして沼に落として固めた後、殺したなどは可愛い物だった……
人として有るまじき行為、ン?人として?俺は一体何をしているんだ?血に酔ったのか……大量のエネルギーを得て、俺は変わった?いや、そうじゃ無いだろう……ちゃんと思い出せなくても、此れは駄目だよな……だがこうしなければ、皆も俺も殺されていた。
もし人間が攻めて来たらどう成るんだ?俺は迷宮だからそんな話しにも成る筈だ。
俺は殺せるのか?いや、俺自身が殺さなくてもスライム達が手を下す筈だよな……
この世界の人間は、どう言う扱い何だよ?先を考えたら怖い……こんな事なら何も考えなくて良い、普通の迷宮に俺は生まれたかったぞ……
確かに防衛をするためにも、彼奴らを強くするためにも、仕方無いとアッサリ割り切れば良いし、俺の本能がそれを……力を……強く求めて居る……
だが俺はお調子者で、何も深く考えずに楽しく過ごしたい気持も、確かに俺の中で存在しているんだよ、どうしたら良いんだよ俺は……
もし人間が来たら、愛想良くニッコリと笑って、僕達は悪いスライムじゃ無いよ、などと言って誤魔化すしか無い、よな……
俺は悪い迷宮じゃ無いと言っても信じてくれるかなぁ?自信が無い……まぁ来たら来た時に改めて考え様ぜ俺、俺には天下御免の臨機応変、行き当たりばったりが、あるじゃ無いか……アハ、アハハハと乾いた笑い声を出した。
その後の俺は何となくやる気が失せて、1号達に任せてしまったが、多少なりとも感情が有る生物は、その生死の瞬間に放つ感情が俺に伝わって美味しいのだ。
俺は又嫌な事に気が付いて仕舞ったな……
スライム達が、ゴブリンとボスゴブを倒して、ゴブリナに襲い掛かろうとした時、既に戦う意思が在ったゴブリナは骸に成り果てたが、数匹のゴブリナは涙ながらに命乞いをした。
俺はその時、こんなやり方は好きじゃない、俺のやり方じゃ無いんだよ!偽善だと言われるだろうが、それでも良い、俺はスライム達の攻撃を念話で止めて、出入り口の通路を大きく開くと「許してやるからもう二度と来るんじゃ無いぞ!」などと脅して逃がしてやる事にした。
慌てて逃げるゴブリナ、それを見送って殺伐とした気持ちを落ち着けながら、俺はその姿を見送った。這々の体で逃げ出したが、一体のゴブリナが蹌踉めいてる……怪我でもさせたのか?俺は気に成った。
フラフラと壁を伝い、最後には這う様に出入り口へと向かうゴブリナだが、力尽きたのか止まって仕舞った……仲間はもう疾っくに逃げて、見捨てられたゴブリナを俺は何となく放っておけなくて、様子を見に行った。
俺は四人の仲間と共にゴブリナに近付くと1号が「此れは……」「どうしたんだ」「此れは産気づいてますな」「えええぇ―――――――――ぇ?どうしよう……」俺は驚きと共に途方にくれた。
此処まで読んで楽しかった。何じゃこりゃ変な物語。駄作しょ。
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厚かましくも評価を頂けたら、最高に幸せな作者で御座います。
次回の更新予定日は、04月04日の午後5時に投稿致します。
俺様偉い!の足跡……(迷宮内の理)
中にいる生物を支配出来る事が判明した。何れ他の生物も支配出来るかも?
生物を自在に生み出したり、中で生物などを育てたり出来る事が判明した。
部屋、空間などの模様替えが、任意で可能なのかも?現在考察中である……
迷宮内で意思疎通が出来る生物は、或る程度の知識を分けている事が判明した。
スライムがご都合主義的に作者都合で扱える驚きの能力……
分裂、合体、変形、胃袋、胃酸、触手、吸収、念話、圧縮