002話 思考する俺、俺思う故に俺あり……
本日の2話目だぜ。此の俺様からのサービスだと思いな!こらこら何と言う上から目線の物言い何だよ、代わってスラちゃんがお詫び申し上げます。早くこの世界に馴染んで頂くために、本日はもう1話を此の後で再び投稿致します。
さて物語では、待望の果物が外に出掛けたスライム達によって届けられた。
帰って来た大型のスライムは、後から思えば未だ小型だったのだが、沢山の果物や野草を持って来た。しかしスライム達は、どこにその品物などを置いて良いのかが分からない……
俺は辺りを見渡して一計を案じる……洞窟の最奥、今は出入り口から然程遠くない地点へと、それらを置く様に念じる……
そうすると素直にスライム達は、ピヨーン!ポヨーン!ポヨヨォ~ン!と飛び跳ねながら向かい、ズリズリよりかは当然早く到着した。
後に祭壇の間と成る、ここに初めてのお供え、供物が届け得られた瞬間だった。
俺は何となく気持もウキウキとして【うむ、良きに計らえ】などと偉そうに言って見たりしたが、驚く事にスライム達が俺には神妙に平伏した様に感じられ、ここの王様は俺様何だと思い、気分が更にチョットだけ高揚した。
未だ何も無い場所だが次々に積み上げられて行く品々に、俺は満足して食べ始めたのだが、どうやって食べるんだろう?俺には口も無いしな……だが杞憂だった。
先の侵入者を撃退した後、残された身体の一部を消化した経験が生きていて、勝手に祭壇(俺が自分でそう思って居るだけなのだが)から物が消えると、アッと言う間に消化した。
俺は愕然とした……先程迄は、単体で消化したしたので【蜘蛛は蟹味?蛇と蜥蜴は鳥みたいで美味い、これもあれもみんな美味しいぞ~♪】などと俺は狂喜乱舞していたが、今回は一斉に消化したので【ミックス味の青汁ネクター?】仕舞った……やって仕舞ったな、別々に消化出来無いんだ。
などと考えて居た時期が、俺にもありました……要は一品一品別々に置いて貰えば良いのだよ、後に取捨選択が出来る事を知り、己のバカさ加減に頭を抱える!何て事に成るのだが、それは未だ先の話だった。
先発隊をもう一度追い出して、外の探索に向かわせた頃、次発隊が戻って来て俺は一品一品大事に味わった【此はパイナップルの様で美味いな、次も此れを頼む……此れはミカンか……変な形をしているが、俺の知って居る味に近い品々が在るな】などと言いながら注文を付けた。
だがしかし、待てよおい……此奴らの体積に比して、出て来る果物や長い野草は、まあ~るい此の身体の何処から完全体で出て来るんだよ?俺は不思議だったが何となくスルーした。未だこの状況に慣れていなかったからかも知れない……
野草も薬に成りそうな薬草や毒草、キノコの類いも豊富で猛毒草や毒キノコなど、何でも俺は消化して問題が無い様子だった。それが何で理解に及んだかと言うと、最初にやらかして全部消化済みぃ~♪だったからだ。
種も皮も何もかもが吸収されて、その全てが俺の力と成ったが、貯まる一方の此の力の使い道が分からない……今度は種でも吐き出して【いっその事、此れ等を俺が育ててみようか?】などと余裕で考えて居た時期が俺にもありました。
外の空気を吸うだけで俺の力は一呼吸毎に増して行くのが良く分かり、部屋の方も拡張が止まらず、何だか俺、結構凄い?無敵じゃね?などと、不遜にも考えて居た時期が俺にもありました。
と言うのも……草やキノコの栽培に成功して調子に乗った俺は、もう何でも出来るんだぜ俺!俺は偉い!などと思いながら全能感に支配されて種を発芽させた。
ビュ―――――ン!?メリメリ、バキバキとでも音がしそうな程の勢いで成長した。
ゴッソリと一気に力を持って行かれて俺は気絶寸前、何かを食べれば力が付くが、ここで何かを育てたり、生み出したりするのは危険だと思い知らされたぜ。
スライムを次々に生み出している俺は、スライム達を見ながら【もしかして、此れ危険な事なのか?】などと考えて見る……だがしかし、スライムは自然発生をした如く、俺はアレ?程度で何の力も奪われていない事に気が付いた。
自ら増殖するし分裂する……一度生産?いや、発生を抑えてみようかと、何となく俺が念じたところ、アッサリ増産が止まった。若干俺の力が抑えられて、少しだが貯まった様な感じがするのも嬉しかった……
しかし、スライムの数が減ると問題がある……純然たる力、そう防衛力の低下だ。
我が洞窟防衛に欠かせない戦力の低下は、俺に取って死活問題に成る案件だった。
俺はどの程度の力で、何匹生まれるのかの実験を繰り返し、適正値を求めたのだが【まあ良いや適当で……】そう、全くどうでも良かったのだ。
スライム達は、他からのエネルギー供給が在れば、自ら勝手に増えるのである……
そして一度大きく成った木々や草なども、その後も俺の力を奪われて居るのだが、小スライムが捕食する事で、何となく採算が取れているのかな?と思い直した。
今回の教訓と実験で、少しだけ俺自身の事が知れた。それが収穫だと思った……
もうこの頃では、此の俺が迷宮である事は、もう間違い無いと確信していた。
何だって此の俺が迷宮なんだよ……などと言う根源的な命題は、一先ず脇に置いといて……受け入れた上で今後をどうするのか?優先順位を間違わずに考えよう……そう此の俺はやれば出来る子なんだ。屹度賢いんだよ……
しかし、出入り口即部屋は問題ありだな、どうやら此奴らは、俺の手足代わりのような存在らしい……何れ防衛施設なども構築したいが、だがどうすれば良いんだ?ここは勝手に拡がって俺の意思を反映しているとも思えんのだが……
だがこんな考えを示したことで、迷宮が忖度した物かは不明だが、通路に関しては少しずつ伸びて行った。と言うよりかは、出入り口から俺の中心が、離れて行ったような感覚で、祭壇と呼んでいた場所が、次第に奥へ奥へと動いているような感じだった。
そして一日が終わろうとして余所の迷宮は知らないが、何故か俺は生きて居た時の様に、大事な瞬間だったこの時に、迂闊にも眠って仕舞ったのだ。
夢の中でパ――――――ン♪とでも音がしそうな良い感じで現れた女性……ミニのスーツを着こなして、何やら一枚の書類を取り出す……
赤の三角縁眼鏡を少し上げながら、如何にも出来る秘書風な感じを醸しだし「あらこの子、妙に気配が薄いわね……」辺りを見渡して「未だ地上の浄化を始めた許りなのね、それにスライムがメインの子か……生き残るには少し厳しいかもね?」
土のサンプルを採取した秘書風の女性は「まあ今回の子達は、どうにも微妙?なのよね……蜘蛛の子や蜥蜴、それに蛇や蚯蚓まで居たわよ……未だ地上と繋げないで居る落ちこぼれも居るから、この子は未だマシなのかも知れないけれど、今度来るまで生きて居なさいよ」などと言いながら女性は突然消えたのだ。
いやぁ~めっちゃ好み♪胸も腰もお尻も良い……やっとお出ましかぁ~♪さぁさぁ此の俺に謝って【あたしを好きにするのね此の獣!】キッと睨んだ後涙目で【仕方無いわ、あたしのミスだのも……此れで許して貰えるのならば、覚悟を決めたわ】
なぁ~んて展開で、俺は良いでは無いか、初奴じゃの♪などと言いながらベルトを外し【あれぇ~お戯れをぉ~♡】などと言いながら此の俺をそそるんだぜ♪そして一枚一枚脱がせてグフフフ……もう先のラノベ展開妄想が、規定の事実だと言わぬ許りの暴走振りだ。
イヨイヨ此れから良い所だと言う瞬間に、お約束の如く屹度目を覚ます筈だぜ……
何故か落ちまで付けて当人は夢を見ている積もり、いや……実際に彼女がいたのは事実だったのだが、此の主人公、全く幸せなものだった。
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お腹をポリポリ掻いて、ヘソを出し、大口を開けながらだらしなくも寝ていた俺?(イメージ映像で御座います♪)起きてからもする事がないので思考を開始した。
そうなのだ思考する俺、俺思う故に俺ありなのだ……考える迷宮たぁ俺のこった。
此の俺の記憶が曖昧だったり、性格がコロコロと移り変わるのは、俺がだらしないのでは無くてぇ~、一切何も考えない様に仕向けられてるのか?そんな事をマジで考えると怖くて眠れない(実際は睡眠を必要としない)のだが、そもそも俺は何で迷宮なんだよ……
しかし、徐々にそんな事を気にしないでいる俺は、普通に何故か、チャンと迷宮に馴染んできているよな?記憶が曖昧なのは、何かの力が作用していると考えられるから、精神的にはその方が、ズゥ――――と!都合が良いんだよな俺、そうだ俺!俺は初めから迷宮だったんだよ、もう受け入れて此の件を考えるのは止そうぜ俺!
自分で言っていても、何か……何かホント虚しい……
たった一日で独り言を言う様に成って仕舞った。
せめて喋るスライだけでも手元に置いておけば良かったかもな……
もう何も考えたく無い!と、俺は外に出入り口から、今日も出て行ったスライムの帰りを待つ事にした。奴ら今度は何を運んで来てくれるのかなぁ~と、ウキウキとしながら外を眺めていた。
暫くすると【あ!あっぶねぇ~~~~~!此れホントマジかよ?】ぬぼーっと空を見上げていたら、突然目の前に猪みたいな獣が走ってきて、洞窟の入口を塞いだ瞬間の台詞だった。
前足と頭が落とし穴状に開いていた出入り口に突っ込んで、後ろ足まで狭い空間の中でバタ付いたが、多少の動きしか儘ならず。外に持ち上がっては、気を緩めると再び落ち込む……そんな事を何度も繰り返した後、力尽きて動かなくなった。
人間でも獣でも、本当に驚いたら声も出ない様で、力尽きる瞬間に「ブヒ」とだけか細く鳴いたのが印象的だった。未だ死んだわけでも無いのだが……
だがしかし俺は【此どうすんだよ、此れじゃ皆の出入りが出来無いじゃ無いか……傍迷惑な猪だよ】果物を集めて戻って来たスライムの気配も感じられるが、入口を猪が邪魔して入れない状態で【此れ何とか成らないかなぁ……】などと呟いた。
その瞬間、俺の身体からゴッソリと何らかの力が抜けて、出入り口が大きく開くと「ブブ?ブヒィ~~~~~!!!」もんどりを打って猪が、途中から折れ曲がった通路を転げて、スライム達の目の前に現れた。
目を回しているのと、疲労から立つ事も儘ならずで【みんな……やったん為さい】大勢で寄って集って猪を窒息死させると、スライム達はユックリと担ぐ様にして、祭壇まで猪を届けてくれた。
蠢くスライムの上を流れる様に動く猪、俺は見ていて何となく面白いと思った。
俺は殊勝にも……此れを最終的に倒したのは此奴らだ。などと考え始めた……
だから可愛いスライム達にも、チャンと猪の分け前を貰う権利がある筈なんだ。
などと考えて祭壇に捧げられた得物、猪を食べないで考えて居たら、俺の気持ちを察してくれた一匹が、何かの液体を吹き付けて、真っ二つに切断した。
俺は思わず夢の続きの如く【初奴じゃの】と満足げに頷いて【半分みんなで食べて良いよぉ~ん♪】と考える……集まるスライム達を見て、どうやら俺が、態々強く考えなくても、俺が伝える意思があれば、勝手に伝わって居る事に気が付いた。
此の違いは何だろうな?侵入者のモンスターや獣には、俺も全く意思が通じる気がしないのだが、口も無い此奴らの考えは、何となく理解が出来る様に成ってきた。反対に此奴らも俺の意思を汲んでくれている様な感じだぞ……
見ていると「ピッピ〔美味しいね……〕ピー〔流石は創造主様〕」「ピピー〔此の部位も中々で御座る……〕」楽しそうに会話をしているのが、昨日は何となくだったが今日は何となく確信が持てる?位には成って来ている様な、無い様な……ン?俺は何を言っているんだ?
まあ良い、良いのじゃ……この様に下々の者達が喜んで居るのじゃ、何をか言わんやじゃな、カッカッカァ~じゃのぉ……
既に外で待って居た大きめの意思が通じるスライム達が〔只今戻りました〕〔創造主様、喜んで下さい、大量で御座います〕見ればヤハリ体積よりも、可なり出した物が多すぎて、俺は聞いてみる事にした【お前達のどこにこんな物が入るんだ?】
何だか善くぞ聞いてくれましたと、嬉しそうに1番大きなスライムが〔胃袋収納が御座いますので、力に応じて大量の物が入ります〕何だそうだったのか……
いや違うってよ、その胃袋は何処なの?〔さぁー?愚昧は存じませぬが何故か入るので御座います〕それは本能レベルで理解していると言う話しか?〔然様で御座います。胃と言う言葉は理解出来ますが、それが何処に在るのかと問われれば、私はさぁー?としか言えませぬ〕ラノベ設定に良く在る異空間収納の事だろうか……
他にもそんな話しが在ったりしてな?〔はい、その他には……〕【おい、チョット待ってくれよ、俺はお前に何も聞いて居ないんだが】〔あれ?確かに聞かれた様に感じましたが、此れは又大変失礼を致しました〕あ!そうだった……
さっき気が付いた許りで忘れていたな……だったら他に何が出来るんだ?〔然様で御座いますか、然れば……〕
その他に聞いたのは、分裂、合体、変形、胃袋、胃酸、触手、吸収、念話だった。
驚いた俺は全ての個体がそうなのか?と問い質すと〔レベルに応じて使える技能が違います。そしてスキルに慣れる程、更に使い勝手が良くなります〕俺はお前達の事を群体だと勘違いしていたんだがな……
〔確かにそんな一面が御座いますが、個の意識を持った強い方が吸収する事に成ります。そして分裂した場合は、意識を持たして分かれる場合と、単に数を増やして育つのを待つ場合が御座います。創造主様がここで生み出す者には、最初から薄いながらも個が御座いまして、我らも強く個を意識する様に成りました〕
成る程なと感心もして、俺は成るべく個性を伸ばしてレベルを上げる決心をした。
だがこの時俺は……出入り口が拡がった危険性に全く気が付いて居なかったのだ。
本当の意味で生き残りを懸けた生存競争の真っ只中に、俺は放り込まれた事を後に知る嵌めに成る……
此処まで読んで楽しかった。何じゃこりゃ変な物語。駄作しょ。
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厚かましくも評価を頂けたら、最高に幸せな作者で御座います。
本日もう一話を5時頃に投稿致しますので宜しくお願いします。
俺様偉い!の足跡……(迷宮内の理)
中にいる生物を支配出来る事が判明した。何れ他の生物も支配出来るかも?
生物を自在に生み出したり、中で生物などを育てたり出来る事が判明した。