第八話 王女様
「そこまでよ!貴方達、何やっているのよ!こんな門近くで、もし魔法が人に当たったらどうするのよ!少しは考えなさい!あなたも衛兵ならそこはしっかりしなさい!それで、何を揉めていたのよ!」
「お、王女様、これはこれはお見苦しい姿をお見せしていまいすみません。こやつが敵国からのスパイらしいので監禁室に連れて行こうかと思ったのですが、抵抗して、今排除しようかと思った所存です」
この人は王女様なのか、たしかに毅然としててカッコいいというか。
「なるほど、それで君は何か言い分はある?」
「あります。私は敵国からのスパイではありません、ただ自分がどこからか来たかというとわからないとしか言えないので適当に東の国と言いました、ほんとにただ街で買い物や宿に泊まったりしたかっただけです、ほんとにそれだけです」
別の世界から来ただなんて言っても到底信じてはくれないだろう。
「どこから来たか分からないって言うのはほんとにやばいね。だけど、ここまで分からないで突き通すのも君には利益はないことだし、ここはひとつ不問にしないか?そこの少年のことは私に任せて」
「ですが!こいつ、我に対して侮辱する発言をしてここで排除しておかないと私の気が済みません。どうか、わしにもう一度チャンスをいただけないでしょうか?」
王女様に対して、跪き後部を垂れる。
「不問にする!言ったよね?これ以上争ったらどうにかなるかわかるよね?」
王女様だと言うのに威圧が半端なく伝わってくる。
「ひぃぃっ、わ、わかりました。この件は不問にしときましょう」
それを見てか、隊長は怯えて仕方なく従った。
「それで君も良いよね?」
「はい、ですが......おい!待てよ、何逃げようとしてるんだよ!返せよ、指輪」
俺の言葉に無視をし、そのまま歩き続ける。
「ダウリンさん何か盗んだったんなら返してあげて」
「ですが、王女様!こいつの指輪は神器級の品なんですよ!こいつが持っていては宝の持ち腐れではありませんか!」
「神器級?それは珍しいものだな、でも私は貴方が持っていたほうが宝の持ち腐れだと思うけどな、この少年は......、だから返してあげて」
「チッ、返してやるよ、ほら」
この国では王女様が絶対なのか分からないが、隊長は逆らえないらしい。
俺は隊長の手から弾き出された指輪を受け取る。
どこも傷がないことを確かめると安堵する。
そのままダウリン隊長はダリアを抱え去っていった。
俺は左手の人差し指に指輪をはめ、ひと安心した。
「ありがとうございました。お陰で大ごとにならずに済みました」
「お礼なんていいよ。実は私には嘘を見破れるスキルがあるからそれを使ったまでだよ。君は嘘を言ってなかったそれだけだ。それと君にはすごく興味が出て来たよ、よかったら街案内するついでに食事でもどうだ?」
「もちろんです!喜んで!ですが王女様が俺なんかのために良いんでしょうか?」
「なに、気にすることはない、私は昔から王女様って言われるのが嫌いなんだ、だから気楽に接してくれると嬉しい。私はエリシア・シーク・アストレアだ。エリシアと気軽に呼んでくれ、それと、敬語もやめてくれ暑苦しいのは嫌いだ」
「じゃあ遠慮なくそうさせてもらうぜ、俺は佐倉竜二、竜二と呼んでくれ、これからよろしくなエリシア」
「あぁ、よろしく竜二」
俺たちは握手を交わし、街の門をくぐっていった。