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第六話 最強へ


俺は目が真っ赤になった。見る世界、見るもの全てが真っ赤に映し出されている。だが、どこからか元気になったような気がする。傷が一瞬で全て完治し、今なら誰にだって負けない自信があるような気がする。それほどのパワーが今の俺はあるんだと思う。

マンモスの足がまるで時間が止まったかのようにゆっくりと振り下ろされている。

俺は左腰にあった金色の剣を鞘から抜き、コンマ1秒、誰からも認識できないスピードでマンモスの後ろへと周り、剣を振り下ろす。

俺のパワーが上がったか分からないが、さっきよりは剣の切れ味がよく、肉の深くまで剣をブッさせた。



「ウワァーーァー」



ちゃんとしたダメージが入ったのか、マンモスは悲鳴をあげた。



よし、これなら行ける。

俺は何度も何度も剣で切り刻み、抉り取っていった。その度にマンモスは咆哮をあげていた。

マンモスはぼろぼろに傷だらけだ。



だが、後一発ブッさせばマンモスは倒れるといったところでマンモスの目が更に赤く光りをもたらし、鼻息や吐息を漏らし、殺気がより更に膨れ上がっていった。



「グゥァーーーーーーーー」



更に強い咆哮が俺を襲ったが俺は何もなかったかのようにゆっくりと歩きだした。

マンモスは口から大きな氷を作り、俺に向かって放った。



「そんな攻撃、今の俺には通用しない!」



俺は剣を上から下に降り氷を砕く。

それを見て、マンモスは少し後ずさったが次々と氷の攻撃を放ってくる。




その度に剣で氷を粉々にしていき、悠々とマンモスの顔の正面にいき、



「お前も絶対に許さない!」



剣を横に構えて、顔面から尻まで一直線に切り裂いた。



マンモスはそのまま真っ二つに左右に割れ、血がいきよいよく出ていった。



…………………………………………………………………



「な、何で?何で何の力もないのに倒しちゃうのよー、意味がわからない、どうなっているのよ!でも、竜二...この少年はとても面白そう、これからも観測していこうかしら」



水晶を眺めながらティシフォネは驚きながらもどこか嬉しそうに微笑んでいた。



…………………………………………………………………




「フゥー、やっと終わった...」



この力は何だったのかよくわからないが、敵を倒し、安堵した瞬間にはこの力は消えていた。

目も通常の黒目に直り、俺はその場で倒れ込んだ。


身体中が固まっていて、とてもじゃないが動けない。

しばらくすると、金色の剣も粉々になって砕け散った。

あれだけ、人間離れした動きをしたんだからこれくらいの代償も当然か。



「リア、俺やったよ、マンモス倒したよ、ねぇ、リアは...リアは...少しは報われたかな...」



緊張が解けてか、リアを思い出すたびに涙が出てやまない。

俺はここで寝ることにした。

これ以上マンモスが出てきたら勝てないな。

その時は無理だ。もう動ける体じゃない。

遠く彼方の空、リアが笑っているかのように感じられた。

俺はゆっくりと目を閉じた。



この時の竜二は知らなかった、自分がどれほどのモンスターを倒したのかを。そして、どれほどの経験値を得たことも。

竜二は知らなかった。





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