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第四話 さよなら竜二...


マンモスが力強く地面を蹴ってこっちに向かって走ってくる。


私のレベルは30、それに対してマンモスはレベル80はくだらない。


そんな相手に私一人で勝てるはずがない。

でも、もう避けることも逃げることもできそうにない。

たとえ逃げたとしても、結果は変わらない。



もう無理だ、私の人生って...何だったのかな?楽しいことは何にもなかったな...。

リアは涙を流しながらそう思った。悲しそうに悲しそうにただ泣くだけしかできなかった。




マンモスと私がぶつかる瞬間...

気絶していた竜二が起き上がり、私の前に飛び出し、聖剣エクスカリバーではなく、金色の剣を構えて、塞がった。

一瞬走馬灯かと思ったがそれが現実に起きたことなのだとわかった。

金色の剣とツノがぶつかり、ツノを抑えながら、そのままづるづると後ろに下がってくる。



「リア...早く逃げろ、俺に構わず早く逃げろ!」



「私は逃げません!竜二はこのままだと死んでしまいます。力なんてこれっぽっちも持ってないんです。騙していてすみません、だから、この不始末私がお受け致します!」



私が殺されかけた時に迷わずかけつけてくれた。

自分の身すら犠牲にして、今戦っている。

私は竜二を見捨てて逃げようとした、だけど、私はもう逃げない!

竜二は他の人とは違う、仲間思いで、優しく、そして私が信じる人だ!!

もう迷わない、だから死にに行こう。



「やめろ!下がっていてくれ!」



竜二の言葉を無視し、

竜二がマンモスを抑えているので私はマンモスの腹の横に行き短剣を握りしめ、思い切りぶっ刺す。何度も何度も何度も、だがその程度ではマンモスはこれっぽっちもダメージが行き渡っている様子ではない。

マンモスは俺を横に振り払い、リアの方向へと向きを変えた。



マンモスの咆哮が耳に響き今にも飛ばされそうだ。

マンモスが前足を振り上げ、リアに向かって振り落とした。

リアはその隙をついてマンモスの腹の下をかいくぐり、腹を一直線にして切り裂いた。

それもつかの間、リアが尻まで来た途端、ぎっしりと肉の詰まった、重い足を後ろ蹴りをし、リアを吹っ飛ばした。後ろにあった木にリアはぶつかった。



リアは危機一髪で短剣でマンモスの足をガードしたものの、腹から出る血が一向に止まらない。



だけど、ここで死ぬわけにはいかない!

リアは腹から血が出ているところを手で押さえながら起き上がる。

痛い

痛い

痛い

こんなに痛い思いをしたのは久しぶり。私は負けない、絶対に私は竜二を生きさせてみせる!そのために私は犠牲になる。



「この魔法は使いたくなかったな〜」



使ったら、その莫大な量のマナの量を使うので自身の身が滅ぼされて、死ぬ。

それは一族に伝わる禁呪だ。

私の一族しか使えず、危機を犠牲によって何度も救っていった。母も父も私を守るために禁呪を使って死んでいった。

だから私も竜二のためそれを使うことにする。

大好きで、カッコいい竜二のために!


「マンモスさん、私はあなたを絶対に許さない!殺し、殺しつくす!デス・レペロ・イニミカムプロージョン!」


マンモスの下に大きく紫色の円ができ、下から上へと大きな爆発が空高くまでのぼる。

マンモスは姿形を失い、消えていった。


「ばいばい竜二...大好き...」


そして、私も...


……………………………………………………………………


1日前(異世界に来て2日目)



「リアはなんでティシフォネの命令に従っているんだ?一族を助けてもらったからってのもわかるんだが、何故リアなんだ?他のやつだっているだろ?」



リアのスライムの件が片付いた後、俺たち2人は歩きながら会話をしていた。

日中ということもあり、汗が止まらない。



「それは多分私が一番可哀想な子だったかもしれないです」



「なんか聞いちゃいけないこと聞いてしまったな。悪かった」



「めっそうもない、ここまで言わせたんだから、むしろ聞いてほしいです。私の父と母は魔族に対抗するために命を落としました、それ以前に村からは悪魔の家族と呼ばれ煙たがれていました。ヒューマンとケットシーの子供それがこの私です。ハーフは嫌われるんです。だから村からはそんな私を悪魔だとよんで近寄ってくる人なんていませんでした。ある時、村の人たちが私を殺そうと提案して来ました。その時です、村が魔王軍に襲われたのは、だけどその時に死にかけていた私を助けてくれた救世主それがティシフォネ様です。だから私も自ら付いて行きました。それで私は救われて、忠誠を誓いました」



「そうなのか、ティシフォネって見た目と反して、案外いいやつだったんだね、俺はてっきりそのまま一族を全て滅ぼしてしまうのかと思ったんだけど。ティシフォネってなんか闇が深そうじゃん、だから俺はてっきりそうしそうだなーって、勘違いか」



「か、勘違いですよ!ティシフォネ様に限って、限って、そんなことはーーーーーー頭が、頭が破裂しそう」



「おい!リア大丈夫か?頭が痛いならそこで休もう、無理は良くない」



「プログラムコード17511実行、直ちに修正します」



リアは頭を抱えながら意識がないように目を真っ暗にして俯く。



「プログラムコード?何を言っているんだ?リア?本当に大丈夫なのか?」



ープログラムコードとリアが今苦しんでる状況と関係あるのかも知れない。

俺は聞き覚えのない単語をじっくりと考えるのだった。



「だ、大丈夫です、一時的なものだったので、良くあるんですよ、今みたいに頭が破裂しそうになること」



自分が今何を言っていたのかの記憶がないようで顔を引きつりながら、笑顔を取り繕う。



リアは頭を抱え、跪き続ける。



「それやばくね⁉︎破裂しそうになることなんてないからね⁉︎街に着いたらまずは医者に診てもらうぞ」



「ほんとに大丈夫です、今は元気なので」



「本当か?リアが大丈夫ならいいが、もしやばくなったら言ってくれ」



「はい、助かります」



俺やリア自身でさえも、リアが記憶を操作されていることを知らなかった。

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