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4話 ゾンビが出てくる前の世界

神様に見送られた後、目を覚ました俺は何故か電車に揺られていた。


俺は、大学への通学でいつも利用する路線の電車の中で一人、頭を抱えた。


「夢ではないな」


そう。確かに夢ではない。スマホを取り出してカレンダーを確認したが確かに2年前になっている。


それに持っていたリュックの中には1年生時の時間割を書いた紙や1年生時に取った講義の教科書、ノートが入っていたし試しにスマホで俺が覚えている2年間の出来事をネット検索にかけたが何一つヒットしなかった。


「あの女優とアイドルのデキ婚がでてこないわけないもんな...」


それに何より俺の頭の中には神様が言っていた知識とやらが鮮明に記憶されていた。ゾンビへの情報、救世主の情報など......。


そうしているうちに電車は俺の大学の最寄駅に到着した。


大学についた俺は、リュックに入っていた時間割を確認し教室へ向かう。


「よ、おはよ!」

教室へ入ろうとドアを開けた時、うしろからかなり大きめの声が聞こえた。


「おはよ、元気だなおい。」

神様に感謝することがあるとしたら、それはやり直した時期だろう。


2年前にやり直すというからてっきり入学式くらいからやり直すのかと思ったが、実際は入学式から2ヶ月たった6月の初めだった。


普通に考えればゾンビへの対処の為時間は少しでも長いほうがいいのかもしれないが、俺はまた一から入学準備やガイダンスなどを受けるなんてことしたくなかったし、何より友人関係を元々コミュ障の俺がもう一度やり直すなんて憂鬱でしかない。


なので、この配慮?なのかわからないが...には感謝している。


今、話しかけてきたこの狭山大輝もやり直し前の入学式でたまたま隣になってあっちから話しかけてくれたおかげで友達としての関係が出来ているが、やり直していた場合、入学式に先着順で座った席でまた隣になるとは限らなかっただろう。


狭山は俺とは違いバリバリの体育会系でしかも勉強も出来て、大学へは授業料が安くなる特別枠で入ったやつだ。


俺とは真逆なやつだったが何故か馬が合った。


俺がゾンビに噛まれ、パニックになった教室で俺の隣に座って講義を受けていたのも狭山だ。


そしてパニックになった教室で唯一俺の心配をして呼びかけてくれていたのもこいつだった。


しかし狭山には感謝よりもその後ゾンビ化した俺は狭山を襲ってしまったのではないか。そっちの方が気がかりだった。


やり直しするからにはこいつにも生き残ってもらいたい。


そんなことを一人で考えながら俺は1年生で受けた講義を狭山と一緒に受けた。2年しかたっていないのに内容をほとんど忘れていて驚いた。


講義が終わり、狭山と学食で昼飯を食べた後、次の講義が休講になったので、この日、2つしか講義を取っていなかった俺は帰る事にしたが..


まあ、でもどうせなら帰りに寄ってみるか救世主様のところに。










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