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Doggy House Hound  作者: ポチ吉
猟犬
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背骨

 解凍から半年経った頃、一通りの訓練が終わった僕の背骨が強化プラスチック製のモノに替えられた。

 左手に埋め込まれた淡い緑のクリスタルは僕の身分証明書であり、携帯用の端末だ。

 そんな訳で僕も今日から改造人間の仲間入りだ。


「……おれはにんげんをやめるぞー」

「なんでお前らの年代のスリーパー連中の何人かは手術の後、そのセリフを言うんだ」

「痛みが無くなるおまじないです」


 適当な言葉を返し、検査に来た医師に「ありがとうございました」と頭を下げる。

 抜き取られた自前の背骨は大半が『いざ』と言う時の為に保管されるが、一部は記念に貰える。僕はネックレスに加工した。触れば落ち着く。少し尖っているので、握ると痛い。だから機会があれば削って丸くしようと思う。

 人工脊髄と、個人認証用クリスタル、そしてドッグタグ代わりに背骨のネックレス。この三つを手に入れた僕は漸く歩兵として半人前だ。

 歩兵。そう、歩兵だ。半年の訓練で僕は歩兵になった。

 僕が五百年後の今に起こされた理由は人手不足の解消だ。まぁ、言い方は悪いがこの時代には奴隷が必要だったのだ。


 あぁ、今更ながら、今、地球では宇宙人と戦争をしている。

 インセクトゥム、蟲人間。バブル、泡。トゥース、半獣人。以上三種族と我々人類は戦争をしている。ホームだからだろうか? 今のところは善戦しているが、それでも、それなり程度には追い詰められている。


 だから僕は解凍された。

 赤子から兵士にするよりも、育った奴を兵士にした方が手っ取り早いからと言うのが一つ。もう一つの理由は、僕らスリーパーの中には稀に『あたり』が混じっているからだ。

 僕はそうではないが、後世の危機に備えて冷凍保存された天才と言う奴が居り、そう言う奴はたとえ記憶喪失でもある程度は優秀なのだ。

 勿論、解凍するには金がかかり、その後の生活にも金がかかる。そんな訳で僕らスリーパーの持ち主たちは起きたばかりの僕達にこう言うのだ『アナタのお値段コレだけです』。

 八割が記憶喪失で借金持ち、十割が借金持ち。そして借金を理由に強制的に戦争へ参加させられる。それが僕達スリーパーと言うわけだ。救われない。救われないが、逆らっても仕方がない。逆らったらスリーパー向けの『教材』として扱われる。あれは……本気で救われない。

 だから僕は歩兵になった。《カンパニー×カンパニー》、ダブCと略されることもある会社の歩兵になったのだ。

 主な業務は資源の採掘と、それに伴う危険の排除。その危険の中に敵性宇宙人の存在がある為、ダブCの業務には自然、戦闘行為が含まれる。

 そう。歩兵である僕の業務は、その戦闘行為だった。


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略称はダブルカンパニーだからWC....
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