病み蜘蛛
昨日の重低音
夏風邪の蜘蛛
しな垂れて八本足
安い酒とダーツ
指一本で取り繕う
安い言葉とハート
ご機嫌な二本足
無花果を踏み潰した
そんな
明日
無闇矢鱈に
波状攻撃する
三点倒立の微生物は
邪魔なだけの横槍と
癖の強いロングヘア
口紅の色選びが
下手くそなだけなら
まだ良かったが
口から出る
言葉の列も
下手くそだった
主観の天の川を
口から垂れ流して
ミルクの入った
カクテルを飲む
まな板の上で
死を待つだけの魚の方が
まだ
前向きだと思った
天の川を泳ぐ魚には
なってはいけない
そんな
午前零時
無闇矢鱈に
物語を描く人間の
惰性的な無責任さを
オブラートに包まずに
口から出した話を
健気に信じる人間は
太陽が地球の周りを
廻っていると
今だに
信じている人間と
何が違うのか
自分自身の物語に
変な脚本家を用いて
台無しに
しているのに
馬鹿な話は
二メートル後方から
トマホークのように
撃ち込まれて
何かを言ってやりたい
気分にさせた
面倒くさい
氷が鳴るから
勘定を払って
店を出る
あの子はきっと
幸せにはなれない
一番大事な事を
他人に聞いているから
無闇矢鱈に
助言に頼って
後々
上手く
いかなかった時の
理由にしている
馬鹿みたいな話
蜘蛛の糸にすら
絡みつかない
自ら
決めねばならない
心情を
他人の
下手くそな言葉に
してしまうだけで
友情を喰われている
闇雲に動いては
病み蜘蛛に
喰われている
骨も残らず闇の中
そんな
半年後