三夢 異世界:Ⅲ
…………はっ!またか……。
俺はまた異世界(夢)に来ていた。
草原とも路地裏とも違う賑やかな場所。ムキムキの男達が、酒を片手に下品笑いを掛け合っている。
ここは見た限り酒場だな。賑やかな店内、屈強な戦士や魔法使い、ここは冒険者達の交流の場所って奴だな!
おお! カッコいい! めっちゃ黒光りした鎧! トゲトゲだし! 何これ! スゴイ! スゴイスゴイスゴイ!
色々な人種、様々な職種の冒険者たちがいる。口開きっぱなしだわ。
ん? 奥にも部屋があるみたいだな。行ってみるか。
なるほど。ここで仲間を探せって事だな!
そうだな……ジョブの相性的には魔法使いか弓使いだな。
おっ!いたいた!しかも女魔法使い、魔女だな!顔も可愛い!よしいくぞ!
あっ……そうだった、これまで通りの展開なら絶対うまくいくはずない……いや!失敗を恐れちゃダメだ!ましてここは夢の中、失敗してもノープロブレム♪ ってことで英明イッキマース!
「ごめんなさい、顔とか生理的に無理」
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
現実に問題なくても、精神ダメージが計り知れないいいいいいいい!
ふぅ、大丈夫だ問題ない!なぜかって?ふっふっふっ、もう慣れっこだからだよ!
何回こんな事繰り返してきたと思ってんだ!
もう慣れたわ!まったく……いらん事に慣れさせやがって、アイツは絶対許さん!
さぁ、どんどん行こうか!女がダメならしかたないが男にアタックしよう!
おっ!いかにもゴツい、ハルバードを背負った大男を発見!気が良さそうだからさすがに魔女の二の舞にはならないだろう!
「あの……仲間になってくれませんか?付き合ってもらいたい場所があるので……お願いします!」
さあ!どう来る!
「ええ!もちろんいいわぁ!」
よっしゃああああああああああああああああ
成功!成功成功成功!ザマァ!見ろ見ろやってやったぜ!語尾が少し変だがこの際何でもOK!仲間ゲットだぜ!
「じゃ、いくわよ」
「はっ、はい!」
「元気が良いわね、あんたいくつ?」
「17ですけど……」
「まさかあたしに目をつけるなんてチャレンジャーまだこの街にいたのね♪じゅるり」
「特技とかありますか?」
「それ聞いちゃう?うふふ♡突きが得意よ」
ハルバードで突きが得意、なんか強そうだな!
「さあ、ついたわよ〜」
「あっ!はい……ってここは?」
「何言ってるの?宿屋じゃない♡するんでしょ?」
…………俺はやばい人に声をかけてしまったかもしれない。先程からの口調や仕草、少し考えてみればわかる事だった。
「さあ、いくわよ♡あたしの突き技、久々に本気出しちゃうんだから♡」
「いやああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ああああああ!……はぁはぁはぁ、はっ!穴!穴は……ふぅ、大丈夫」
最悪な夢を見た……ほられる寸前までで良かった。
しかしこんな悪夢、最初以来だな……2年前ぐらいか……。