マティアスの献策
──破裂音。しかも耳元でだ。
微睡む間もなく、彼は飛び起きた。夢と現実と異世界がごちゃごちゃと入り混ざり、そこが何処で今が何時で自分が何者なのか、まったく判別がつかない。
そんな彼を正しい座標に引き戻したのは、まだ声変わりもせぬ少年の笑い声──。
「わーい、引っ掛かった。何あの慌てぶり……ぷぷ」
まだ自己同一性65%の段階であったが、怒りの感情を揺り起こすには充分だった。彼は激昂して布団を跳ね除ける。
「何……なんだ、いったい!」
彼──ソーマは寝起きの〈うだうだ感〉をこよなく愛する。それを邪魔するものは誰であろうが容赦しない。
「おはよう、ソーマ。よく眠れた?」
ぬけぬけとその少年は朝の挨拶を交わそうとした。その顔はまだ笑いを引きずっており、如何にもイタズラ坊主のようなその目をキラキラさせている。
──いや、ようなではない。この少年はイタズラ坊主そのものである。本来なら成り立たない命題の逆ですらソーマには断じ得た。イタズラ坊主とは即ち、この少年のことであると。
「お前か、ロイ。こんな素敵な起こし方してくれたのは」
ソーマは上下の歯をぎりぎりと噛み合わせたまま器用に問いかけた。返事はないが彼も待ってはいない。一瞬他に気を取られたように視線を外すと、一転して少年に飛びかかった。
しかし彼の手は虚しく空を切る。
「ちっ」
「無理だよ、無理。そんなフェイクに引っ掛かるわけないじゃん、ソーマじゃあるまいし。それに追いかけっこなら僕は誰にも負けないもん」
少年──ロイは胸を張った。
異世界2日目。昨日はいろいろなことがあってソーマは疲れていた。山賊との戦いに始まり、新たな出会い、腕試し、友人によるゲームの講義。
しかしそれらすべてを合わせた疲労と同じくらい、彼は目の前のイタズラ坊主にこっぴどくやられたのだ。
彼の荷袋だけ外せないほどがっつり固結びされているわ、夕食のサラダに蜥蜴を入れられるわ、ルシアの部屋を自室だと案内されて危うく覗き魔にされそうになるわ──他にも散々な目に遭ったのである。
その度に捕まえようとするのだが、何しろロイの逃げ足の速さは尋常ではなかった。追い付くどころか、どれだけ追いかけ回しても息切れひとつしないのだ。
「追いかけっこなら誰にも負けない」というのは、渋々ながらソーマも認めざるを得なかった。
「さっきの音……あれ何だ」
捕まえるのはいったん諦めてソーマは訊く。
「紙風船か」
「そんな子ども染みたことするわけないじゃん、ソーマじゃあるまいし。魔石だよ魔石。昨日渡したでしょ、目覚まし魔法」
「いちいち『ソーマじゃあるまいし』とか言うな、このガキんちょめ。──確か『朝になったら音楽が流れる』とか言ってなかったか?」
「そんなわけないでしょ。てか、信じたの?そもそも〈目覚まし魔法〉なんてあるわけないじゃん。ラルスに造ってもらった〈ビックリ玉〉だよ」
「ぐ……こいつ」
11歳のロイにいいように弄ばれる16歳のソーマ。自分が情けなすぎてもはや言葉にならない。
この少年と出会ってまだ丸1日も経っていないのだが、ロイは何故かソーマにばかりちょっかいを出してくる。やたらと馴れ馴れしく、相手をするにはこの上なく疲れるが、それでも不思議と嫌な気分にはならなかった。
「こら、ロイ。またイタズラしてるね」
「あ、やべ」
グレースが入ってきた。一応は怒っているらしい顔を見せるが、口調はそれほどきつくない。
それでも苦手な相手なのか、慌てて少年は逃亡を図る。
「待ってくれ、ロイ」
慌ててソーマが呼び止めた。
「お前、魔石に詳しいのか?」
「え? いや、オイラはあんまり……魔石のことならラルスが一番だよ」
待てと言われて待つ少年ではない。語尾の方はだいぶ小さくなっていた。
「ラルスか……相談してみるかな」
彼は難しい顔で考え込むが、グレースの元気な声にすぐそれを中断した。
「おはよう、ソーマ。ごめんね、あの子ったらほんとイタズラ盛りで」
「おはようグレース。それは別にいいんだけど……いや、やっぱりよくない」
数々のイタズラを思い起こすと、年長者の余裕などあっさり消え失せた。彼は憮然とした表情でロイが去った部屋の出口を睨む。
「許してやっとくれ。やっぱり──嬉しいんだと思うよ。本当なら毎日友達と楽しく遊び回る年頃だもの。年が近いと言っても、セリムは皇子様だからマティアスがうるさいし、ジュリアやリゼットは女の子だし」
グレースは哀しそうに少し笑った。
「誰かに構ってほしいんだよ。だから、たまにはでいいから遊んでやってくれないかい」
「……まあ、それくらい構わないけど」
ロイは賊に家族を殺され、天涯孤独の身であるはずだ。そんな陰を微塵も感じさせないその振る舞いを、ただ見たままに受け取ってしまうのは、確かに酷なことかもしれない。
「さ、ご飯だよ。早く降りといで」
世界が違っても変わらぬその言葉。彼は顔を上げて仕度にかかった。ハルトとダイキは既に起きているようで、ここにはいない。
ソーマは気付いていないのだ。ロイがなるべく年の近い男の子の友達を欲しがっているなら、彼の友人たちだっていることを。彼がイタズラに全力で引っ掛かるタイプだと、11歳の少年に僅か1日足らずで見抜かれたのだということを。
──────────
記念すべき〈第1回戦略会議〉が順調だったのは最初の目的地を決めるところまでだった。
取り敢えず決まったことだけを言えば、ラナリア大公国──今彼らがいる国である──の都を、まずは目指そうというのだ。
そこはアースガルド帝国初代皇帝アルヴィン・レイアースの弟、ジェラルド・ルーベルク大公爵が治める国である。彼はセリムの大叔父にあたり、反新生帝国の急先鋒となるべく存在であるから、その庇護を得る為にそこを目的地としたことは、理由としては明快である。
もともと彼らは彼の地を目指し逃亡を続けていた。しかしアースガルド大陸の西端に位置する帝都からは広大なそれを横断しなければならず、間にあるのは旧帝国寄りの国ばかりではない。
追っ手から逃れる為に南下せざるを得なかった背景もあり、彼らは地理的に平穏な道のりを諦め、南部の山脈地帯を越え、実に9年もの歳月を費やしてこの村に辿り着いたのである。
揉めているのはそのタイミング──出発日だ。
「何度も申し上げているとおり、それは一刻も早く、です。村からの支援があるとはいえ、このままでは我々は戦わずして飢え死にしますぞ」
マティアスは何度目か分からぬ説得を試みた。しかし紅顔の少年は頑なに首を縦に振らない。
「その支援してくれる村を見捨てて、僕たちだけ出ていくのかい? もう1年も、彼らは僕たちに安住の場を与え続けてくれたんだよ? 僕は皇子として、それだけは出来ない」
なかなか妥結に至らないのは、利と義が真正面からぶつかっているからだ。
まず利について。10年もの逃亡生活を可能にするだけの資金を所持していたことが既に驚きだが、それもマティアスの言うとおり間もなく底をつく。
それだけではない。たとえ資金が豊富にあろうとも、これまでのように安穏と潜伏しておれぬ様相に事態は変わりつつある。
「魔石の埋蔵量調査か。まったく、余計なことをしてくれる」
ルシアが眉間に皺を寄せた。
レイス村にほど近い岩山からは魔石が採れ、それが村人の生活を支えている。だが国の方針によってその量が厳しく制限されていることから、需要に見合うほどの採掘はされていない。
それは村の男たちが定期的に出稼ぎに行かねばならない程だった。
「そうか、男が少ないんだ」
ソーマは村を訪れた際に感じた違和感の正体に気付いた。
魔石は戦争の道具のみならず、この世界の人々にとっては生活必需品である。制限さえ無ければこの村はもっと賑わっていたに違いない。
「でもそんな便利な物なら、何で制限をかけたりするんだ?」
「それは──勿論、ラナリアが熱心な〈ディオニア教〉信奉国だからですよ」
答えたのはマティアス。その口調には「そんなところから説明しなくてはいけないのか」というニュアンスが感じられ、ソーマは若干の苛立ちを覚えた。
「ディオニア教には、魔法は〈唯一神・ディオール〉の加護により与えられるもの──という教義があります。それは厳しい鍛練の果てに漸く使用できる、神からの賜物。誰でも簡単にそれを使わせる魔石を、彼らは快く思っていないのです」
しかしそれに反して、その利便さ故に魔石は爆発的に普及した。まして戦時ともなればその所有量が戦局を左右することさえあるから、各国はその確保に必死なのが現状だ。
「そのラナリアとて戦乱の当事国。強大な隣国による侵攻が秒読みとまで言われる中、ようやく重い腰を上げ、それを本格的に軍用しようと画策し始めたのです」
そして行われたのが埋蔵量調査だった。その結果は彼らの予想を遥かに上回り、魔石に関して、レイス村周辺はアースガルドでも有数のポテンシャルを有することが判明したのである。
「近いうちに、ここには人が集まるようになるだろう。ラナリアの者たちは勿論、諸国の間者や、将来的には侵攻さえ許すかもしれない」
ルシアの心配はそれだ。セリムがその素性を公にするタイミングはとても難しいが、少なくとも身の安全が確立できていない今ではない。
クレイグなど年長者が旧知の者に出くわす可能性がある限り、多くの人と接触するのは避けるべきで、そうなれば悠々とここに滞在していられる状況ではもはやないのだ。
「だけど、今僕らが出て行ったら〈奴ら〉は必ずこの村を襲う」
それがセリムの義。彼らがここまで到達しながら1年もの間足を止めた理由でもある。
「ウルバノ一家──あいつらか」
ソーマたちが一戦を交えた山賊。普段は無防備な行商などを的にするが、彼らは時に村や街の略奪行為にも及ぶ。男手の少ないこの村は格好の的であり、村人たちが周囲を塀で囲ったのもその防御策であった。
セリムたちがこの村を訪れた際にも彼らはこの村を襲い、それを一行が救った。それ以来、歓迎されたセリムたちは、この宿屋を寝食の場として与えられ、代わりに村を守ってきたのである。
「セリム様。貴方はこんな小さな村のことなど気にかけるお立場では無いのですぞ」
「村ひとつ守れなくて、大陸中の民を幸せにすることなんてできないよ。やっぱり僕はここに残る」
こうして議論は再び振り出しに戻った。
セリムとていつまでもこの村にいるわけにいかないことは理解している。そもそも「新生帝国に打って出る」と言ったのは彼自身だ。
だが村が襲われることが分かっていて、それを見逃すことが彼にはどうしても出来なかった。
「〈討伐〉するしかないね」
それまで口を挟まずにいたハルトが初めて発言する。
「それも殲滅レベルで。あまり時間が無いんだから、こちらから打って出るしかないと思う」
「それが出来れば苦労は無えよ」
それに反論したのはクレイグ。守りに徹するばかりでなくウルバノ一家の討伐は過去にも何度か行われている。村人の要請で国から討伐隊が遠征したことさえあった。
しかし狡猾な彼らは決してその尻尾を掴ませず、その度に逃げられてしまうのだ。
「奴らはアジトをころころ変えやがるからな。それに俺たちを見るや一目散に逃げ出す。とても討伐どころじゃねえ」
それを聞いたハルトが、ニヤリと右の口角を上げた。
「じゃあ打つ手無しというわけだね。こんな時、彼の〈天才軍師〉ならどうするんだろう」
そして視線をセリムに、次いでマティアスに向ける。はっとしたようにセリムは居住まいを正した。
「マティアス。僕には村人を見捨ててこの地を去る決断はできない。ハルトの言うとおり、ここは奴らを討伐し後顧の憂いを断った上で旅立つ。貴方は軍師だ。その為の献策を僕は希望する」
「む……」
皇子としての威厳──それはお願いではなく〈命令〉だった。有無を言わさぬそれにマティアスは思わず反論を封される。
「仕方ありませんな」
大袈裟に溜め息をつきながらも、彼はまんざらでもない。ハルトに乗せられたのだ。
(お手並み拝見といこうか)
その鋭い視線が見つめる中、〈先輩軍師〉は口を開く。
「策を講じるにはまず、最高の結果と最悪の結果について論じる。そこに現状を加味してロジックを構築し、採り得る最良の策へと妥結させる。──彼の〈天才軍師〉、ジルヴェスター・ベルハイム閣下のお言葉です」
「……始まった」
演説するかのように大仰に手を広げるマティアスを、冷めた目で見るジュリア。
「いつもああなんだ。ラナリアがディオニア教徒なら、あいつはジルヴェスター教徒だからね」
彼女は如何にもうんざりといった顔で、こっそりと傍にいたハルトに囁く。
そのハルトは、マティアス云々より、彼にとって最重要人物となるその名がゲームで初めて登場したことに若干の緊張を覚えた。〈煌国の四神〉のひとりで、セリムたちを無事に脱出させた仕掛けの考案者──。
(稀代の〈天才軍師〉ジルヴェスター・ベルハイムか──いずれ会わなきゃならない人だな)
「……では最高の結果とは何か。それは勿論、ウルバノ一家をひとり残らず殲滅することです。そして最悪のそれは、恨みを買うだけ買って奴らを取り逃がすこと」
周囲の反応をよそにマティアスは自らの弁舌に酔いしれる。
「ここで敵について少し整理しましょう。奴らは金目の物なら何でも狙いますが、高いリスクがあればそれをあっさりと放棄する、言わば小者の集団です。
ですからこれまでも決して我々とは戦おうとしませんでした。特にルシアとクレイグに対してそれは顕著で、そのためならアジトすら平気で捨てる程です。
それともうひとつ──計画的な略奪では必ず首領のウルバノ自らが指揮を執ることも大事な要素ですね。奴さえ仕留められれば自ずと一家は崩壊するでしょう」
ここで彼は一息つき、聴衆が静かに聞き入っていることに満足すると先を続けた。
「そこで採るべき策はひとつ──囮作戦です。奴らに敢えて獲物を襲わせ、そこを一気に叩き潰すのです!」
興奮したのかマティアスはテーブルをどんと叩く。
しかし冷静なるインテリを自認する彼である。すぐに赤面し、わざとひとつ咳払いすると声を抑えた。
「……そろそろ採掘した魔石を売りに出す時期で、奴らもそれを知っています。この村で一番金になる物ですから何としてもそれが欲しいはず。
それが村にある限り手は出せませんが、運び出す時ならチャンスはある──奴らはそう考えているとみて間違いありません。その荷駄車を襲わせるのです。当然、我々の護衛は無しで」
「それでどうやって討伐するのだ?」
ルシアが尤もなことを訊いた。
「荷駄の中に隠れておくのですよ。奴らが襲ってきたら一斉にそこから飛び出す」
「相手は馬を持ってるぜ?そんなもんすぐに逃げられちまうだろ」
クレイグも口を挟む。力づくの作戦なら必ず出番が回ってくるだろうから、彼も真剣な眼差しだ。
「それでいいのですよ。万一のことがあっても逃げ切れる自信があるからこそ、護衛がいないことを怪しんででも奴らは襲ってくるのです。我々はそれに対して伏兵を潜ませておきます」
そう言うとマティアスは付近の地図を取り出し、テーブルの上に広げた。
「北に進むと東西に延びる川があります。流れは急で、これを越えるにはこの橋を渡るしかない。荷駄車が通れるだけの横幅と強度がある、なかなか立派な石橋です。
村に近いうちは奴らも動きませんから、まず荷駄隊はこの橋を渡って奴等が襲ってくるのを待つ。そして中に潜んでいた者たち──そうですね、クレイグは必須、あとはハロルドにフーゴ、それにラルスも──が逆襲する。
クレイグの姿を見て奴らは逃げ出しますが、他に道がないので石橋に向けて逆走します。それを、橋の村側でルシアとジュリアが喰い止めるのです」
「挟み撃ちってことか」
「そう、それも橋の上で。逃げようにも前にはルシア、後ろにクレイグ、左右は泳いで逃げるには厳しい川──というわけです」
(悪くないな)
思ったよりまともな策だった。しかし何か引っ掛かる──。ハルトは人差し指を口許に当て、今の策を頭の中で反芻する。
「オイラは?オイラも何か手伝わせてよ」
目を輝かせて身を乗り出したのはロイ。しかしマティアスはあからさまに不快感を表し、この少年を侮蔑の目で見た。
「お前などに何ができる。私の作戦に支障を来さぬよう、頼むからここでじっとしていてくれ」
「ちょっと……そんな言い方ないでしょ」
立ち上がって語気を強めるジュリア。肩を竦めるだけのマティアスに思わず詰め寄ろうとした。
「よせ、ジュリア」
「だって──」
ルシアに制され、彼女は渋々椅子に座る。だが気分を害されたのはソーマたちも同じだ。ダイキが挑むように問いかけた。
「俺たちはどうするのだ」
「お好きに。奴らの戦闘力を考えると、この作戦は最低クレイグとルシアがいれば成り立ちます。ただ、何しろ敵は20人近くいて、ウルバノだけは逃すわけにいきません。2人の邪魔にならぬよう、ハロルドたちとその取りこぼしを防いでいただければ」
「──何だと?」
まるで盤上の駒を見下ろすかのようなマティアスの態度にダイキは眉をひそめる。ちらりと横目でハルトを見るが、彼は閉口したまま動こうともしない。
「まったく護衛を付けないというのも不自然じゃないか」
嫌な空気を見かねてセリムが話を戻した。
「それでも奴らは襲って来ると思いますが……そうですね、では念には念を入れて村に残る男たちに協力してもらいましょう」
涼しい顔でマティアスがそう言うと、作戦の詳細に話は移った。
──────────
部屋に戻るなり、ハルトに詰め寄るソーマ。
「お前なら何か言い返してくれると思ったのに」
彼は怒りを露にする。彼らからすれば主役は自分たちだ。確かに現時点ではルシアやクレイグの方が力量は上だが、作戦を立てたのもハルトではなくマティアス。
これではゲームとして楽しくない上に、何より人を馬鹿にしたような軍師の態度が我慢ならなかった。
「ごめん。でもいろいろ勉強になったよ」
しかしハルトの微笑は相変わらずだ。
「最高の結果と最悪の結果──成程ね。決行は10日後……ギリギリだな」
彼はひとりで何かをぶつぶつと呟いたかと思うと、急に顔を上げた。
「ねえ、ちょっと協力してくれないかな。面倒だから一気に片付けちゃおうと思ってさ」
訝しそうにその顔をみるソーマとダイキ。ハルトの脳内が高速で回転し始める。