DATA:黒騎士2
更新はボチボチやっていきます。
[自宅]
『残業で遅くなります。父』
父さんは相変わらずだな。
父さんは高等部で数学を教えているので帰ってくるのが遅い。
ちなみに俺の女顔は母さん譲りで父さんのかなり若く見える遺伝子と合わさって日々俺を苦しめている。
さて…データチェックだ。
IDを自分のパソコンに入力し、マイルームを開く。
マイルームや友達のマイルームへのアクセスは[ファンタジー]へのアクセスとはみなされないので自由にできる。
…お!メールだ。
『おつかれっ♪突然だけど明日ちょっとラルドの森行かない?ドッジラビット狩り(経験値稼ぎ)手伝ってほしいんだけど…どお?byエリカ』
エリカとは俺の幼なじみだ。
世界でも有名な青葉コンツェルンの令嬢だが驚くほど絡みやすい。
そのためにメイドさんや執事さんにも気に入られているらしい。
…それにしてもドッジラビット狩りか。
俺もレベル上げのために狩りまくったっけ(現在lv45)。
明日は仕事もないし手伝うか。
ちなみに[白銀]とつくチームは役割分担があって[翼]は[ファンタジー]の開拓([ファンタジー]の隅っこは未だに発見されていない。)、[爪]はプレイヤー達の治安維持、[牙]は依頼を受けて素材などを取りに行ったり他のプレイヤーの移動の際の護衛など色々引き受ける。
『いいぜ。午前中に4限終わらせて午後いっぱい狩ろうか。』
で送信っと…後はマイダンジョン(レベルに応じて挑戦できる階層が増える)に挑戦だな…っとメールだ。
二件来てる?
『ありがと♪今度何か奢るよ♪byエリカ』
ちなみにエリカはlv14だ。
もう一通は…
変なチームの勧誘だな。
さて…今日も潜るか。
ちなみに学校では専用ルームでバイザーで顔を覆いリアルに[ファンタジー]の世界を体験できるが自宅などの場合はパソコンにコントローラーを繋ぎ、RPG感覚で楽しめる。
軽快なBGMが流れ始めて地下一階層の探索が始まる。
地下一階の盗賊やスライムを退けて俺はだんだんと下の階に潜ってゆく。
そして地下26階で[シェアリングエリア]のテロップが出た。
[シェアリングエリア]とは他のプレイヤーが潜っている時に同じタイミングで同じ階層に入るとマップ状況が共有され、マルチプレイモードになることを指す。
この間に相手プレイヤーに話しかけたりすることでボイスチャットをしたりアイテムの交換、プロフィールカードの交換等色々なことができる。
パーティーを組んでそこから下の階層を協力してクリアすることも可能だ。
ちなみに誰とマップシェアをしているかは会ってみるまで分からない。
仮にレベルが高い人とでも今のレベルと装備なら大丈夫だろう。
普段は俺はロングソードと呼ばれる[牙]の管轄では最も使いやすく耐久力があり、店屋で手に入る中ではオーソドックスな武器を使っている。
勿論ダンジョンで手に入る武器やモンスタードロップ、鍛冶屋で鍛えた武器の方が強い物が多いが俺は武器が好きなためにあまり強い武器を作っても実戦で使うことはあまりない。
耐久力がゼロになった武器や防具は勿論壊れるからだ。
エリアボス等が相手なら惜しみなく使うけどな。
そしてエリアを探索していると相手プレイヤーを発見した。
真紅の鎧に身を包んだ突撃槍使いだ。
顔すらも覆う重鎧のためにパッと見では誰かはおろか性別すらも分からない。
背丈は俺よりも高い。
俺がだいたい160ぐらいだから170ぐらいか?
[ファンタジー]はリアルなプレイヤーの身長や顔も再現するからな…と思ってたら話しかけてきた!
『この階層でその装備にそのレベル…ということは司波か?』
漣「はい、よく分かりましたね。」
コントローラーにはマイクが付いていて音声が相手にも届くようになっている。
声からして女の先輩だろう。
『ちょうどこの探索が終わったら話そうと思っていたんだ。話しながら探索しないか?』
漣「その前に先輩は一体…?」
『申し遅れたな。[爪]の副隊長の五十嵐遥だ。ハルで構わない。』
ハル先輩かぁ、って[爪]の副隊長!?
漣「つ、爪の副隊長さん!?」
五十嵐さんといえば学内でのミスコンでも上位、成績優秀、部活でも弱小と呼ばれた剣道部を全国レベルまで引き上げた英雄である。
ハル『うむ、以前は我がチームの者が世話になったな。』
漣「そ、その節はスミマセンでありがとうございました…」
過去に一度[爪]の特権を使ってカツアゲしてた輩を倒したことがある。
白銀同盟[爪・翼・牙]間の争いは原則として禁止の条約を破ってしまった俺をハル先輩は庇ってくれた。
それが無ければ俺は今[牙]にいなかっただろう。
ハル『はは、恐れなくても構わんよ。日本語が変だぞ?』
漣「分かりましたよ…」
ハル『そういえば司波は今日は何目当てだ?』
漣「脱出用アイテムもありますし50階のボスの様子見ですね。」
10の倍数の階層は[エリアボス]と呼ばれる強い敵がいる。
ダンジョンは一回出ると地下一階からやり直しだが倒したボスは倒したままになる。
ハル『やめとけ、レベル60程度無いと勝てないしあそこは脱出アイテム使用不可エリアだ。』
漣「え?そうなんですか?」
普段はネタバレは暗黙のルールで禁止だが俺はどちらかといえば情報が手に入るので嬉しい。
ハル『ああ。私もミツキと他三人に手伝ってもらってようやく倒せたんだ。』
漣「先輩ほどの実力者が…ですか?」
ハル『私にもレベルの低い時期はあったさ。とりあえずは…お前の実力を見せてもらいたい。』
[プレイヤー・ハルから勝負を挑まれました。]
ってえぇっ!?
いきなり学ラン一桁とバトル!?
漣「せ、先輩!?俺は…」
ハル『大丈夫だ。アンティルール無しの勝負、無論受けるだろ?』
漣「…仕方ないですね。他言無用条件なら大丈夫です。」
ハル『よし、ならバトルだ!』
画面が割れるエフェクトが入り、戦闘画面に移行した。
戦闘はアクション戦闘となる。
[戦闘開始]
ハル:ナイト
レベル:83
HP:8500
MP:2100
VS
レン:ナイト
レベル:45
HP:4800
MP:1200
とんでもない差だ。
ハル『ではゆくぞ!』
先輩は槍を掲げた。
不安を直感した俺は横に跳んだ。
すると俺の居た場所に火柱が上がった。
漣「あぶねえ!」ハル『なかなかの反応だ。次行くぞ!』
先輩が槍を地面に突き立てるとそこを中心に炎の衝撃波が発生した。
360°上空も回避不可能な攻撃、[ファイヤーソニック]だ。
回避が不可能なら…裂く!
特技:ウエポンチェンジ
漣「ファイアガントレット!!」
ロングソードが消え、俺の腕に赤い色のゴツい外見の篭手が装備される。
俺は両腕を衝撃波に突き立て、左右に開くと炎も割れた。
すると目の前にハル先輩が迫っていた。
ハル『読めていたさ!やはりウエポンチェンジがあったな!』
やっぱりな…自慢じゃないがウエポンチェンジを使えるのは学園で俺だけだ。
スキル習得条件は分からないが気付いたら新スキル習得のアイコンが出ていた。
俺は今無防備で両手を広げていかにも攻撃してくださいと言わんばかりの状態だ。
特技:ウエポンチェンジ
ハル『無駄だ!武器が消える時と現れる時の一瞬の隙を突いている!終わりだ!』
漣「これが一番の隠しておきたかった理由です。」
ハル『なっ!?』
先輩の武器は先割れスプーンになっていた。
ウエポンチェンジは触れた武器を戦闘中でも移動中でもストックアイテムと入れ替えられる。
勿論それは自分に限ったことではないが普段は入れ替えた武器はそのままになる。
個人対戦なら戦闘後に戻るので使っても特に揉めることはない。
ハル『ならばこのまま行くまで!』
特技:バーニングダガー
まさかスプーンになっても来るとは…
漣「こっちこそ!」
特技:ギガストライク
拳系特技最強クラスの技だ。
レベル差があるが武器の差もあるために勝ち目はある!
そしてガントレットとスプーンが交錯した。
WIN
ハル
HP:58
LOSE
レン
HP:0
[戦闘終了]
負けたか…
ちなみに対戦の場合は戦闘後にHPはマックスに回復する。
ハル『一撃で8000以上削られるとはな…』
レン「負けは負けですよ…スプーンに負けた…。」
かなりショックだ。
ハル『[爪]の副隊長として負けるわけにはいかないからな。だがなかなか楽しめた。ありがとう。』
漣「こちらこそありがとうございます。」
お互いに礼のアクションをつけて言う。
ハル『見どころあるし[爪]に欲しいな。』
漣「俺は[牙]の仕事の方が好きですから…用事とはそのことですか?」
ハル『いや、私が話したかったのは黒騎士のことだ。』
また黒騎士の話?
漣「それ、ミツキさんからも聞きましたよ。」
ハル『ならば話は早い。対黒騎士用のチームを絶賛募集中なんだ。さっきの話とは似ているが…良かったら組まないか?』
漣「でしたら他のメンバーと勧誘予定の人についてまず教えてもらえませんか?」
俺にも相性はあるし。
ハル『トップ3はそれぞれの仕事があるために誘えなかったんだが…私とライト、リックは確定している。お前が入ってくれれば後はマイを誘うだけだ。』
皆学ランの上位メンバーだ。
このメンバーならトップ3とも渡り合える気がしなくもない。
ハル『できれば明後日までに決めてくれ。』
レン「分かりました。考えておきます。」
ハル『うむ。それではダンジョン探索を楽しもうか♪』
そうしてハル先輩とPC越しの夜は更けていった。
五十嵐遥
♀
15才
3-2所属
左利き
白銀の爪(副隊長)
学内ランキング
5位/300人
学年ランキング
5位/100人
武器:メテオランス
盾:マグマシールド
鎧:マグマアーマー
兜:マグマヘルム
アクセサリー:イフリートの爪
白銀の爪(通称風紀委員)の副隊長。
現実でも風紀委員会副委員長を務める。
成績優秀、容姿端麗、スポーツ抜群と三拍子揃ったパーフェクト小町。
身長は170センチぐらいの痩せ型で黒髪をポニーテールにしている。
独特な話し方をする。
炎系の特技を得意とする。
趣味は猫グッズ集め。




