DATA:黒騎士1
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[ファンタジー]
ルービ火山
漣サイド
植物はほぼ枯れ、生物もあまり生息しないという火山…そこへ今回の獲物『サラマンダー』を狩りに俺たち『白銀の牙』はやって来ていた。
ミツキ「情報によればこの辺りやな。」
レン「ええ。ここでヤツを倒せば遂に憧れの刀、滅竜刀が作れ…あう!」
ミツキ先輩に頭を殴られた。
地図を片手に拳を握り、俺の頭がさっきまであった場所にそれがあった。
ミツキ「あほ!緑化委員会の依頼が先やろが!」
ライト「ははは!相変わらず賑やかだな。」
ミツキ「ライト!笑い事ちゃうで!」
この人はライト(平井俊哉)先輩。
白銀の牙の副隊長であり、ミツキ先輩の彼氏だ。
ちなみに俺の幼なじみでもある。
これに偵察が主な仕事のカイ(貝田達郎)、補助のミチル(小山みちる)を加えた5人が今回のメンバーだ。
[ファンタジー]内での狩り、通称[クエスト]は基本的に5人以内で行われる。
理由はあまりにもメンバーが集まりすぎると依存しすぎてしまい、生徒の成長が期待できないこと。
そして思考錯誤が繰り返されて5人までとなった。
他のチームのパーティーと一時的に結託するのはアリだ。
ガサッ
草村が揺れて迷彩柄のマントを羽織った長身の男が出てきた。
ライト「カイ、どうだ?」
カイ「ええ。予想通りこっちに向かっています…赤い大サンショウウオが。」
カイの説明にミツキ先輩が嫌な顔をする。
確かミツキ先輩って爬虫類苦手だっけ。
ミチル「…罠を仕掛け終えた。解毒薬も作れるだけ調合した。」
ライト「ご苦労さま、ミチル。」
この無口なのがミチル。
忍装束で調合、罠の設置、採取と何でもこなすスペシャリストだ。
ライト「…さあ、狩るぞ!」
「「「応!!」」」
そのかけ声の後、目の前の洞穴から赤い大サンショウウオが姿を現した。
「ギャオオオオ!!」
体長はかなりあり、高さは俺の四倍ぐらいで頭から尾までは50メートルはゆうにある。
俺はロングソードを構えてサラマンダーに向かい合った。
ライト先輩も大剣を構え、ミツキ先輩は弓を構えて後退した。
カイは三叉の槍を構え、ミチルは仕込み杖を構えて後退した。
天井はサラマンダーより数メートル高いボスフロア仕様だ。
ミツキ「いくで!陣形・白銀の牙!」
「「「応!!」」」
…
……
………
[現実]
放課後
美月「よっ!漣!目当ての武器が出来たっちゅーのになんで元気ないん?」
帰り道、同じ方向の美月先輩に話しかけられる。
漣「仕方ないじゃないですか!ついにはNPCにまで性別を間違われたんですよ!?」
そりゃ俺だって女顔なのは自覚してるけど…
さすがにシステムにまで間違われるのは癪だ。
美月「確かにあの鍛冶屋でのやり取りは笑わせてもろーたわ♪『お嬢ちゃん、コイツは男用の武器だぜ?』『俺は男だあーっ!』」
丁寧に立ち位置まで変えたモノマネをありがとうございます…。
顔も微妙に似せてるし。
でもなぜか夕焼けで見る美月先輩の顔って可愛いんだよな…
美月「何見てん?お昼のたこ焼きの青ノリが付いてたとか?」
漣「な、何でもないですよ!」
美月「そか…ところで黒騎士の噂知っとるか?」
美月先輩が真剣な表情になる。
黒騎士…[ファンタジー]にて時折発生する謎のデータだ。
違反ユーザーを狩り、弱きを助けることから英雄として崇められているが稀に挑戦する者もいる。
そのユーザーのデータは破壊され、初期設定に戻されるらしい。
漣「ええ。でも生徒に挑まないように注意すれば良いのでは?」
美月「…いや、最近なぜか学ラン(学内格付ランク)上位者が襲われる事件が起きてるんや。翼の吉野や爪の田中、藤井が既にやられとる。」
翼、爪は俺たち牙の上のランクのグループだ。
白銀の翼、白銀の爪、白銀の牙と併せてシルバー同盟と呼ばれている。
上から順に学内グループランクが一位、二位、三位となっていることからシルバー同盟は最強の同盟とされている。
もちろん入隊にはかなりの厳しい条件がある。
漣「翼や爪のメンバーまで…?」
美月「せや。全く正体が掴めへんくてな、風紀委員会や教師陣も手間取ってるみたいやわ。」
教師陣も出たとなるとバグの可能性もあるがうちの校長に限ってそれは無いだろう。
漣「召喚魔法や変化魔法っていうことは無いんですか?」
美月「それも考えた…けどクリスタルの欠片も効かんかったみたいや。」
クリスタルの欠片は相手にかかった魔法効果を打ち消すアイテムである。
漣「となると…内部の人間が?」
美月「せや。心当たりとかないか?槍使いで特殊な装備作っとるヤツ。ちなみに貝田は調べた。」
貝田達郎(同級生)以外に特殊な槍使いは知らないな。
漣「知りませんね…」
美月「そか…知ってる範囲で調査してほしいんやけどダメか?」
漣「俺は忙しいですから。」
成績を上げて次なる標的[ガルーダ]を倒す準備をしないといけないし。
ってか先輩がにやついているのが気になる。
美月「杏餡庵のパフェ。」
説明しよう。
これは俺を誘惑する魔法の呪文だ。
ちなみに先輩の実家でもある。
漣「ぐ…ガルーダの素材から作れるマントには変えられな「ストロベリーパフェ」くっ…」
なんて呪文だ…あそこのストロベリーパフェは…高くて月1が限界だというのに…。
漣「ガルーダの肉は高く売れ「新メニュー・ストロベリーあんこパフェ」ぐあっ…だが…ガルーダの嘴は「二個」微力ながら全力でお手伝いします。」
あれ?何で俺は先輩に礼を?
美月「交渉成立やな。」
美月先輩はニッと笑う。
だって仕方ないじゃないか…自家製あんこと自家製高級イチゴの最強タッグだよ?
[ファンタジー]最強と噂されるモンスターのゴールデンナイトとクインラミアが同時に襲ってきても何とかできる気がする。
そんな俺の弱点を的確に突く美月先輩もスゴいと思う。
甘いものには目が無いんだよな。
漣「具体的にはどんな調査を?」
美月「目撃情報、主に場所・時間を正確に、それと戦闘経験者には相手の攻撃パターンや特技を聞いてまとめてくれ。後は回復アイテムの補充・調合に離脱のクリスタルの補充。それから…」
漣「多すぎますよ!まさか先生でも見つけられない相手に僕らだけで挑もうなんて気は…マンマンみたいですね。」
先輩の目は輝いていた。
美月「勘が鋭くなったみたいやな。ウチらで捕まえるでぇ!!」
先輩の叫びが響いた。
なぜかこの人となら無茶なことでもできそうな気がするんだよな。




