DATA:タルタロスの迷宮2
[デュエル]
レン:ナイト
レベル:46
HP:5000
MP:1500
VS
ナナ:暗黒騎士
レベル:70
HP:7200
MP:3600
さすがはギルドリーダーなだけあってかなり強い。
暗黒騎士のステータスの高さもあるから厳しい戦いになるだろう。
レン『いきますよ!』
俺はロングソードを構えた。
ナナ『フフフフフ♪』
先輩は笑い(?)ながら鎌を構えた。
1つ気になるのは暗黒騎士の特徴、魔法攻撃に弱いということだがどれくらい弱いかが分からない。
まずは攻めるしかないな。
けど相手の武器はリーチが長い上に伝説の武具に次ぐ強度のブラックデスサイスだ。
迂闊に攻めると首を持ってかれる…ならば!
特技:ドワーフの加護
俺の武器が茶色く輝きだす。
ドワーフの加護は武器の耐久力を上げる特技だ。
土属性も付加する。
ユイ『レン!来るよ!』
ユイの言った通りに先輩は俺に向かって跳んだ。
暗黒騎士の特徴として素早さが遅いはずなんだけど先輩は装備が軽いためにものすごく速い。
レン『ボルタ!!』
詠唱から発動までの時間が短い電撃魔法を先輩に向けて放つ。
雷の玉に先輩は吹っ飛ばされる…はずだった。
先輩はその魔法を受けて吸収した。
ナナ『フフフフフ♪』
上段から先輩は鎌を振り下ろしたが俺はすんでのところで横に避けた。
先輩はまさか…90台か?
確か今回の雷属性は英語。
各科目には属性が決められており(定期テスト毎に変更)、一定点数を超えるとその属性の特殊能力を得ることができる。
今回の場合、英語で90点台を取った先輩は雷属性吸収の能力が追加されているようだ。
もし満点だとしたら非常にマズい。
っていうか魔法耐性と素早さをカバーされている時点でかなり厳しい。
ユイ『レン!次が来るよ!』
レン『うおっ!?』
咄嗟にマト○ックスで鎌による横薙ぎを避け、距離をとる。
ナナ『シバ、レン、コロス…フフフフフ♪』
ひたすらに俺は先輩の攻撃を避ける。
先輩はがむしゃらに鎌を振り回しているようでなかなか隙がない。
不意に先輩はバックステップで距離をとった。
そして右腕をかざした。
ナナ『ギガボルタ!!』
雷属性魔法最強の威力を持つ魔法を先輩は唱える。
やはり満点だったか。
レン『(賭けるしかない…)ウエポンチェンジ!!』
ロングソード→ハデスの剣
ユイ『レン!それは…!』
『力ヲ貸ソウ…』
レン『(誰だ?)うおおお!』
ユイ以外の誰かの声がしたが俺は先輩の放った巨大な雷の玉に向かって跳んだ。
無意識のうちに剣の腹で雷の玉を打ちにいっていた。
すると雷の玉は先輩の方に反射された。
ナナ『ギガボルタ!!』
先輩は再び最強の呪文を唱え、跳ね返ってきた雷の玉を相殺した。
そして先輩は鎌を上段に構えて飛びかかった…ところで急に[デュエル]が強制終了された。
結果
第三者の干渉によりドロー。
[デュエル終了]
ナナ『誰…ワタクシトゆいノ邪魔ヲシタ者ハ…ギャッ!!』
業火がナナ先輩を包み込んだ。
そしてギャラリーを割って現れたのは…いつもの真紅の鎧ではなくメイド服を装備したハル先輩だった。
レン『ハ、ハル先輩?』
ハル『うむ…街中で人に擬態していたモンスターが現れたとの通報があってな。』
ユイ『ナナ先輩…モンスターに間違われたんだ。』
ユイが呆れた顔になる。
でもあれぐらいなら仕方ないな。
ハル『まあ、さっきのは冗談だ。』
ハル先輩がフッと笑う。
先輩でも冗談言ったりコスプレしたりするんだな。
ハル『…さて、本題だ。』
ハル先輩の表情が真剣なものに変わる。
ハル『…呪いアイテム使用法違反で連行願おう。』
ユイ『ちょ、ちょっと待ってください!レンはボクを守ってくれて』
ハル『問答無用だ。次はない。』
俺とユイの周りに魔法陣が幾つも出現している。
レン『ユイは関係ないじゃないですか!』
ハル『犯罪の片棒を担いでる可能性があるからな…何の真似だ?』
気がつくと俺はハル先輩に剣を向けていた。
レン『ユイを犯罪者扱いするのはたとえ先輩でも許せませんよ。』
ユイ『レン…』
ハル『まだ決まったわけじゃないさ。だが念のための調査が必要なのでな。』
先輩は表情を変えない。
ユイ『…分かりました。レン、行こう。』
ユイが俺を見る。
ハル『話が早くて助かる。君らの友人にはメールをいれておく。』
そう言うと先輩は転移の結晶を取り出した。
その間、何もできなかった俺が悔しくてたまらなかった。
ユイに一言ぐらいかけれたかもしれないのに…。
[白銀の爪・取り調べ室]
そこは大体普通の学校の教室のような場所にソファーなどが置いてあり、どちらかといえばサロンのようなところだった。
俺とユイがハル先輩に連れられて入ると顔を赤くして俯いた懐かしい人がいた。
…カルマ先輩だ。
ハル『待たせたな。ショタコン(カルマ)先輩。』
カルマ『呼んどいてそれはないんじゃないか?』
たしかにたまにハル先輩はヒドいことを言う。
ユイも苦笑いだ。
レン『っていうか高校の先輩にタメ口って大丈夫なんですか?』
ハル『ラグナロクでタメ口OKにしたからな。深く言えば珍しいスキル持ちだったのでもらったんだ。』
要するにラグナロクで倒したギルドからヘッドハンティングしたということだ。
ユイ『珍しいスキル…?』
レン『俺も気になりますね。』
ハル『カルマ先輩、発表を。』
カルマ『ああ。俺は[鑑定]スキルと[呪解]スキルってのを持ってるんだ。』
[鑑定]スキル…たしかアイテムの用途や正体、呪われているかどうかなどを知ることができるスキルだったはず。
もう1つはその名前通りに呪いを解くスキルだな。
ユイ『そんなスキルを2つも?』
ユイが驚いたのも無理はない。
普通、スキルは最初に何種類かを持っていてそこの中から選んで上げていくのが殆どだ。
ジョブによってスキルが追加されたり、[ファンタジー]内で何らかの条件を満たすと新たなスキルが習得できたりする。
その中では[鑑定]はなかなか上げる人がいないし[呪解]は明確な習得条件が分かっていないためにどちらも使えるレベルともなると有用な人材ということになる。
レン『カルマ先輩ってスゴいんですね。』
先輩は頬を赤らめて俯いてしまった(やめてくれ)。
ハル『まあ、メンバーも揃ったし始めようか。』
そういえば取り調べ…だっけ。
いつもの雰囲気すぎて忘れてたな。
ハル『まずは…すまなかった。』
ハル先輩が俺たちに頭を下げる。
どうしたんだ?
ユイ『え?状況が分からないんですけど…。』
ハル『今からそれを説明させてもらう。』
そう言ってハル先輩は皆に座るように促した。
ハル『まず…どこから話そうか?』
ユイ『…ハデスの剣について知っていれば教えてください。』
ユイが真剣な表情で尋ねる。
ハル『あれはな…[聖剣]の話からまずしようか。』
レン『聖剣?』
確か…[エクスカリバー]とか[草薙の剣]みたいな特殊効果を持つ剣だっけ。
市場では買えない[ファンタジー]に一振りの神話の剣。
ハル『ああ。[ハデスの剣]の能力は知っているだろう?』
レン『さっきは魔法を反射してましたね。』
ハル先輩は頷く。
カルマ先輩も黙って聞いている。
ハル『そう、[ハデスの剣]は魔法を問答無用で跳ね返す呪いがかかった魔剣だ。』
レン『むしろ便利そうですけどね。』
ハル『回復魔法や補助魔法も例外じゃないからな。時として仇となるはずだ。』
そうか。
だとしたらひたすら戦い続けるしかないってことか。
ユイ『それと聖剣に関係が?』
ハル『大ありだ。魔法を跳ね返す[聖剣]の名前は知ってるか?』
ユイ『たしか…まさか!?』
レン『ハデスの剣…伝説の剣でありながら呪われた剣であると?』
先輩方2人は頷いた。
ハル『ちなみに[ハデスの剣]は過去に普通のプレイで手に入れた前例はない。いつの間にか持っていた、というのばかりだ。』
俺は[ハデスの剣]を取り出して眺める。
ユイもそれを覗き込んだ。
カルマ『(じっと見つめられて羨ましい…)それにある時いきなり消失するのが殆どらしい。だから今回は調査のために呼ばせてもらったんだ。』
ユイ『…それだけじゃありませんよね?』
ユイの一言にカルマ先輩はピクリと反応する。
ユイ『おそらくあのギャラリーに黒騎士事件に関わる人物がいた、とボクは思ったんですよ。』
ハル『ふん…[星空の花嫁]を倒したらお前をもらおうかな。』
その一言にユイが身構える。
ユイ『なっ…!?まさかハル先輩にもそんな趣味が!?』
カルマ『おい!ショタだけじゃなくロリにもぐぶぉあっ!』
ノーモーションからのギガストライクがカルマ先輩の顔にめり込んだ。
カルマ:錬金術師
レベル:86
HP:5500→25
MP:8600
カルマ先輩の頭上に出現したHPゲージがかなり減少した。
っていうか錬金術師!?
ハル『私はロリコンでもショタコンでもない。分かってもらえたか?』
ユイ『わ、分かりました。』
ボディランゲージの説得力は恐ろしいな…
レン『そういえばカルマ先輩の職業の錬金術師って…』
ユイ『[呪い]スキルと並んで[錬金術]スキルは禁忌のはずですよ?』
しかしハル先輩の応対は…
ハル『次回のギルドリーダー会議でアリにするから大丈夫だ。』
あっけらかんとしたものだった。
まあ、その件はそれでいいだろう。
レン『それで…その俺たちを見張ってた人って一体?』
ハル『使い魔の報告が正しければ…[混沌の二刀流]の異名を持つ女・ムサシ。』
確か聞いたことがあるな。
高等部ギルド学ラン二位のギルド[純潔の薔薇]のギルドリーダー…だっけか。
ユイ『ムサシが[始まりの街]に?』
高等部は大抵開拓されたエリアの住みやすい街を見つけて住む人が多い。
[ファンタジー]はRPGのみと見られがちだが職業やスキルによっては店を開くこともできる。
カジノ等の娯楽施設もあるなのであまりRPGが好きでない人も楽しめる。
ユイ『ムサシ…』
忌々しげにユイはその名前を呟いていた。
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