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幼馴染に好きな人できたからクッキー毒味してって言われて…

作者: 猫の集会
掲載日:2026/08/15

 和希かずき、顔は整ってるのに残念ね。


 …


 突如、姉貴に言われた悪口。


 まあ、でも昔も言われたことがある。


 陰で…


 和希って、顔は整ってるのに…なんか色々残念だよねって。


 残念とは?


 オレは、特に髪型なんかどうでもいいし、なにしろ体系がどうでもいい。


 好きなものを食べて好きなことをする。


 これって、あたりまえじゃない?


 ってさ、そんなこと…あたりまえじゃなかった。


 オレは、高校生になってもバイトもせずに学校から帰ると、すぐさまゲームしていた。



 幼馴染のナミは、よくオレの家にくる。


 しかし、目的はオレの母ちゃんだ。


 なぜ?って…それは、オレの母ちゃんにナミは、毎週お菓子づくりを教わっているからだ。


 そんなお菓子のおこぼれを、オレはちょうだいいたしている日々だ。


 まぁ、それも太る原因かな。


 いつものように、お菓子のいいにおいがただよってきたそのとき、なにやら台所が騒々しかった。


 ん?


 なんだ?


 お菓子失敗か?腹減ったのにな。


 少し残念がっていると、バタバタとナミが走ってオレの部屋にやってきた。


「和希‼︎おじちゃんがっ‼︎」


 オレは、咄嗟にたち上がりナミの手を握り、下におりた。


「父さん‼︎大丈夫か‼︎母ちゃん救急車よんだ⁉︎」

「まだ…」


 オロオロする母ちゃんは、ナミに任せて、オレはテキパキと救急車を呼び、その際の応急処置を電話できいて、処置した。


 父さんは、もともと心臓部がよくない。


 でも、まさか…こんなことになるなんて。


 どうしていいかわからない母ちゃんを連れて救急車に乗った。



 ナミは、後から姉ちゃんとナミのご両親と一緒に様子をみにきてくれた。


「ナミ、姉ちゃんに連絡ありがとうな」

「…うん」


 オレよりも元気のない青白い顔のナミ。


「ナミ、大丈夫だから。な?」

「うん…」


 ナミは、オレの母ちゃんに懐いているけど、父さんとも仲がよかった。


 そもそも、ナミのご両親は仕事が忙しくて、よく出張でいないので、オレたちはよくうちで一緒に過ごしていた。


 だから、ナミにしたら父さんは、第二の父さんなのだろう。


「今日は…」

「うん?どうしたナミ?」

「今日ね…おじちゃんの好きなクッキーつくってて…まだ…」


 …ナミがポロポロ涙を流した。


「うん。また元気になったら作ってやってよ。父さんの快気祝いでさ。帰ったら、一緒に仕上げの続き焼こうな?」

「うん…」



 父さんは、しばらく入院することになった。


 今までは、ほぼ父さんの収入で家計は、まかなわれていた。


 しかし…


 母ちゃんがパート時間を増やそうかなって、この前姉ちゃんに相談していた。


 …


 母ちゃんは、病院にパートに家のことで、これ以上働いたら父さんみたいに倒れてしまうかもしれないと思ったオレは、バイトをはじめることにした。


「母ちゃん、オレバイトする。家にも金、少しだけどいれる」


 母ちゃんは、驚いた顔をした。


 そして…


「え?あんたが?」

 と。


「オレだって、やるときゃやるんだよ」


 母ちゃんは、フッと笑って

「ありがとう。」

 と、真っ直ぐにオレをみた。


 その日から、オレはゲームを封印した。


 そして、バイトをはじめた。


 仕事って…意外とおぼえたり責任あったり、大変だった。



 ゲームのレベル上げとは、全く違う。


 …


 バイトしてて、いまさらだけど…髪が邪魔だと気づいたオレ。


 髪をばっさり切った。


 なんなら、清潔感も必要ってことで、風呂キャンを封印。


 学校帰りのバイトは、体力も大事だ。


 したがって、食べ物もお菓子から栄養があるものにチェンジした。


 そしたら、肌艶が良くなった?


 オレは、父さんが退院してもバイトは、続けた。


 ナミは、父さんの快気祝いにクッキーを作ってくれた。


 オレももらったが、今回のクッキーは甘さ控えめで、にんじんのすりおろしが入っていた。


 父さんの健康を気遣ってのことらしい。


 そういう、ささやかな気配りができるナミが好きだ。




 そんなある日、ナミが珍しくオレの部屋におめかししてやってきた。



 えっ⁉︎


 下で母ちゃんとクッキー焼いてたんじゃなかったの⁈



「ナミ…その格好どうした?」

「その……好きな人ができました」

 と、いきなり発言。


 す、好きな人…


 撃沈。


 水没。


 おわた。


 すべてを水に流したいって言うのは、こういうことなの?


 これから、告白にいくんだな。


「ナミ、頑張れよ‼︎クッキー焼いて持っていくんだな?大丈夫だ。ナミは、かわいいしクッキーも抜群にうまいから、自信もて‼︎」

「…ほんと?」

「ほんとだ。」

「…じゃあ、受け取ってください」


 ⁉︎


「えっ⁉︎ん?味見⁇」

「ううん。毒味」


 ⁉︎


「こえーこというじゃん」

「うそ、和希に」


 …


「え?オレ…?」

「うん。和希に」


 …


「なんで⁉︎」

「その…わたし、ずっと前から和希が好きだったんだけど、最近の和希があまりにも魅力的すぎて……焦ってこうなりました。」

「えっ⁉︎マジ⁉︎ナミ…こんなダメダメのオレを⁉︎」

「和希は、昔からかっこいいよ?おじちゃん倒れたときだって、必死で輝いてたし、小学生の頃にお化け屋敷入ったときも、大丈夫だよってずっと手繋いでてくれたし、雷の日だってずっと手握っててくれたじゃない…」

「あれは…必死で…てか、オレずっと手握りっぱなしじゃん。なんか、ごめん…」

「そんなことないよ。嬉しかったし、心強かったもん。でもね…今の和希って、前よりもっと輝いていて、だから…不安で…その…」

「好きだよ。オレも」

「えっ?」

「オレもずっとナミが好き」

「ほんとうに?」

「うん、昔からずっとずっと大好きでした。ほんとは、オレから告白すればよかったよな。ごめんな、ナミに言わせて」

「ううん、いいたかったから、言ったんだよ?」

「そっか、ナミありがとう。愛してるよ」


 チュ〜♡


 ダメダメなオレに、かわいい幼馴染彼女ができました♡


 ナミにもっとかっこいいって思ってもらえるよう、これからは、もっと頑張っちゃうからな。


 もう、だれにも残念なんて言わせない。


 と、思っていたら違う意味で残念の嵐だとナミから聞いた。


 和希に彼女ができた‼︎残念‼︎ってみんな言ってるよってね。


「わたし、和希に告白してよかった」

「うん、オレもナミに大人になったら、大告白するからまっててね。」

「大告白?」

「うん、一生に一度の大告白」

「なんか、わかっちゃったかも。嬉しい」

「そのリアクション、オレも嬉しいよ。ナミ、大好きだよ〜」

「わたしも大好き〜」



 ♡



 プロポーズは、オレからちゃんと言おうと決めている。




 おしまい♡

 

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