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克服、それは魔法への道2/2

※注意

 当作品には主人公が2人登場します。本当なら、章ごとに入れ替えるのが筋ですが、この作品ではそれぞれの視点をep2を区切りにして投稿しています。

(例) 主人公No1視点 ep1.ep2.ep5.ep6

  主人公No2 視点 ep3.ep4.ep7.ep8

 

 時には両者の視点が交わったりしますので、多少混乱するでしょうが、「それも一興!!」


 と受け入れてもらえると幸いです。


「まず、初めから整理しよう。えーと………あなた、名前は?」



「栗崎です。」



「栗崎さんは、僕の事を金剛力士像と例えた。多分それは、僕の事を恐怖の対象として見ていたからでしょう。」



「まぁ、はい……そうです。」


 そう俺が云うと、やや前傾姿勢で俺の顔を見上げた。その行動一つで、小幡さんへの印象は丸変わりした。


 僕は近くに"たまたま"あったメモとペンを取り出し、彼の話を聴く。


「要するに、思い込みです。あなたのその思い込みが、自然と魔法で僕の体をベースにして、あなたに金剛力士像の虚像を見せた。

 そして、もう一つ。あなたがこれを”克服”しようとした際、僕の顔をじゃがいもだと思おうとした。

 それがまた僕の虚像を作り出し、そして、それが潜在的な金剛力士像の虚像を作ろうとする魔力と丁度よく均衡を保ち、お互いを相殺した。」



 小幡さんの話は、現実世界で止まっていた僕の常識を塗り替えた。それくらい衝撃がデカかったからだ。


 これまでジェスチャーを元にわかりやすい説明をしていたが、それをやめ、顔だけこっちを向いた。




「だから、今は本当の僕が見えているはずです。」



「すごい………!ありがとうございます。とても参考になりました。」


 僕が云うと、僅かながら照れた様相を見せ、「あっそうだ!」と彼は右ポケットを漁った。


「名刺。渡しとくね。一応僕はトレーナーやってて、栗崎さんみたいな新人を教育する仕事をやってるんだ。」


 そう言われて、今一度周りを見渡した。すると、至る所で僕のようにアドバイスを受けている人が目に写る。



「それと、最後に。その話は今後の”魔法選択”に役立つと思うから、必ず頭の片隅に置いといて。」




「はい。分かりました。じゃあまたいつか会いましょう。」


「……おう!」


 小幡さんとハイタッチをした。本当に、今の話は今後に生かせる。



     (聴いといて良かった〜。)








 僕がアドバイスの事で頭がいっぱいになっていた時。


 小幡さんはまたここから少し遠くの場所で、仲間と話している様子だった。




「おい!お前が今話してた新人、どうだった?」


 今度は見るからにムキムキな人が数名。小幡さんの所に寄ってきた。


「………栗崎って言うんですけど、魔法の幻覚を自力で解きました。」


「「え!?」」


 小幡の言葉に、彼等数名はどよめきを隠さずにいた。


「あれは普通、俺たちが魔法で相殺する物だが、あの新人。ただ者じゃないですよ。」


 数名と小幡は、そっと栗崎の方向を見る。

 すると、そこには初心者にはない筈のオーラが微かに煌めいていた。






 一方俺は、小幡さんのいる所のどよめきを聴き、じーっと見ながらぼーっとしていた。



  (あの人達、何でこっち見るんだろう?)


 













 










 

 

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