黒い蛇模様のナイフが飛んできた
第三の殺人事件が報道されて四日後の真夜中、俺とジョージとヨーコは堀内公園内の殺人現場に向かった。
「コロシのあった現場は公園の北側で木がいっぱい茂っているところだワン」
「ヨーコ、お前が事件にあったのもその場所だろ。お前、大丈夫か?」
「やっぱり嫌だし怖いけどクモちゃんとジョージ、それに柴丸もいてくれるので、大丈夫だワン。それに犯人を見つけて捕まえたいワン!」
「ヨーコチャンハ勇気ガアリマス。キュートデチャーミングナ勇者です。トコロデ心配なコトアリマス。ケーサツハ連続殺人事件トイウコトでコンカイノ殺人事件をオモクミテイマス。故に現場検証モまだツヅイテイルンジャナイカト思うのだが。どうだヤマサン?」
「ああ、その可能性はあります。ボス」いきなり刑事モードになった?
「ドウスル?」
「もし現場検証が続いているのならば、まず私がその周囲を捜査してみます。私なら幽霊なので警察官に見つかりませんし、ガイシャとも話せると思います」
「ワカッタ。ダガくれぐれもヨウジンシテクレ。相手はコロシノプロダ」何言ってんだ、こいつ。
「任せてください、ボス。私は隠密行動のスペシャリスト、『透明のヤマさん』ですよ。では」お前は幽霊のヨーコだろ。
「ウム」ジョージとヨーコは何故か敬礼をし、その後ヨーコはフワーッと飛んで行った。
前方にはパトカーの赤色灯が光っている。俺は二人の茶番には閉口したが、警察がまだ現場にいる以上、ヨーコがその周囲を調べるのが現実的ではある。
俺とジョージはヨーコが戻ってくるまで、しばらくこの森の中で待っていることとなった。
堀内公園は広くて芝生や丈の短い草が生い茂っている場所がたくさんある。散歩や遊ぶのに最適なところでイベントもよく行われている。言うなれば街の人の憩い場所だ。俺たちが今いる場所は「北の森」と呼ばれていて日中は森林浴も楽しめる。だが真夜中の森は闇が覆っていて人が居る場所ではないように俺は感じていた。ジョージも珍しく軽口をたたかない。俺の足元には柴丸がいて時々俺の足に体を擦り付けている。パトカーの赤色灯の光が脳の中に引っかかる感じがして不快だ。
「ヨーコチャン、遅いデスネ」ジョージは腕時計を見ながらポツリと言った。
俺は嫌な予感がした。以前コンビニ強盗が入る前、何故かジョージは真面目な顔をして突然体を動かし始めた。手をブラブラさせたり首や足首を回したりしたので、俺はまた変なことしていると思った。今にして思えば、あれはジョージが異変を事前に察知して格闘前のウォーミングアップをしていたのかもしれない。
「おーい、クモちゃーん、ジョージィ」ヨーコが木立を避けて走ってきた。時々木に当たるけどすり抜けている。俺とジョージの前に来るとハアハアと荒い息をついている。幽霊でも疲れるのか?
「ドウデシタカ、ヨーコチャン。幽霊のオトコノヒト、イマシタカ?」
「ううん、いなかった。結構探したんだけど・・・、ワン」
「今回の殺人事件で被害者は本当に幽霊になったのか?」俺は訝しげに女幽霊に訊いた。
「ホントだよ。あたし、彼が殺されて魂が体から出て行くときピンときたんだもん!」
「・・・・・・」俺はヨーコの真摯な態度に沈黙した。
柴丸がキャンキャン吠えた。
「ヨーコチャン! ハセガワサン!」いきなりジョージが俺とヨーコの北西側に来て両手を大きく広げた。空気を切り裂く音がして「ドッ」という小さな音が聞こえた。
「ウッ」というくぐもった声を発してジョージの巨体が仰向けに倒れた。
「ジョージ?」俺とヨーコは突然倒れたジョージの傍に寄った。奴の右胸に何か生えていた。正確には黒い柄のナイフがジョージの右胸に突き刺さっている。
「ジョージィ!」ヨーコは蒼ざめて震え始めた。
「おい、ジョージ、大丈夫か?」俺の声は上ずっていた。
「ダイジョーブデス・・・、カナリ痛いデスガ・・・」よく見るとジョージの分厚い筋肉がナイフの食い込みを浅くしていた。そしてカーキ色の厚手ジャケットも防御に少し役立ったみたいだ。それでも血のシミはジャケットの表面で広がっていった。
「ジョージ、救急車呼ぶから待ってろ」俺はスマホを取り出した。
「ハセガワサン、救急車ヨンデハイケマセン!」
「どうしてだよ。お前、ナイフ刺さってんだぞ!」
「コノ場所で僕がナイフ二ササレタトイウコトハ、めんどくさいことにナリマス」
「何言ってんだ。お前、ちゃんと治療してもらわないと」
「クモちゃん、ジョージの言うとおりだよ。そのナイフは第三の殺人に使われたかもしれないし。クモちゃんが救急車呼んだら警察が来て、連続殺人の容疑者か重要参考人になっちゃうかもしれないよ。」
「エッ! そうなのか?」
「ハセガワサン、ケーサツがカランダラ僕たちのソーサのジャマニなるとオモイマス。このくらいのキズダイジョーブデス。ナントカシマス」何とかなるのか?
「でも、その傷、縫った方がいいよ・・・・・・血が止んないよ」ヨーコが泣き出した。その時、俺はこの状況で頼りになる人間が一人いることに気がついた。
「ジョージ、待ってろ。病院に行かなくても治してくれる人を呼び出すから」俺は再びスマホを取り出してモニターをスクロールした。
俺の家の居間でジョージは寝ている、と言うか嬉しそうに横になっている。この男の胸のキズを縫ったのは妹の美月だった。美月は細かい作業がとても上手いのだ。裁縫も上手くて時々服の丈や裾を見事に手直ししているのを俺は見ている。もっとも服と人の体とは別物で更に胸にナイフが刺さった傷を処置することは難しいと思ったが、美月は俺の予想通り冷静に処置した。
「美月、ごめんな。夜中にこんなことさせて」俺は困ったとき、ついつい妹に頼ってしまう後ろめたさがある。
「ううん、いいのよ、お兄ちゃん。気にしないで。しかしジョージさんの筋肉は凄いですね。ナイフを抜いてもあまり出血しなかったので縫合する際助かりました」
「イエイエ、こちらこそアリガトウゴザイマシタ。美月チャンにチリョウシテモラッテ、嬉しいです。デヘヘヘーッ」この助平外国人は俺が美月に治療してもらおうと言った途端、元気になって美月がフェアレディZで迎えにくるのを嬉しそうに待っていたのだ。
ヨーコは何故か遠慮して居間の天井に貼りついている。あの能天気幽霊女もジョージの処置が終わって安堵の表情を浮かべている。
「ジョージ、お前の傷は思ったほど深くないみたいだ。今日の昼くらいまで俺の家で休んで帰れ。それから毎日ちゃんと消毒しろよ」
「オゥ―、僕のシュジイハ美月ちゃんデスカラ、マイニチココニキテ美月ちゃん二ショウドクシテモラウノですね?」
「違う! お前の家でやれ。美月は忙しいんだ。だいたいお前のバカげた筋肉だったら消毒も要らないんじゃないか?」
「お兄ちゃん、駄目よ、そんなこと言っては。ジョージさん、毎日ちゃんと消毒してガーゼも代えてくださいね」
「ハイ! ワカリマシタァ!」さっきまでナイフが刺さって、のびていた奴が今は全身で喜んでいやがる。ジョージの色ボケパワーは凄いものだ。
「美月、もう休んでいいよ。明日も早いだろう。ありがとうな」
「ううん、役に立てたみたいで良かったわ。また何かあったら遠慮なく言ってね。ジョージさん、お大事に」
「ハーイ、美月ちゃん、グッナイト」
「アッ」居間の引き戸を閉めようとした美月が俺を見た。
「お兄ちゃん、あのナイフどうする? できたらお父さんに見てもらった方がいいんじゃないかしら?」珍しく妹が不安そうな表情を見せた。
「うーん、そうだな。考えておくよ」
「じゃあ、お兄ちゃんも無理しないで。おやすみなさい」
「おやすみ」
「オヤスミナサーイ! 美月ちゃーん」うるさいケガ人だなと俺はジョージのニヤついた顔を見た。そして美月がいなくなるとジョージは「ハァ」とため息をつき顔をしかめた。やはり痛いのだ。するとヨーコが俺たちの傍にきた。
「ジョージ良かったね。あたし、ジョージの胸にナイフが刺さったとき、ジョージが死んじゃうんじゃないかと怖かったよーっ」柴丸も「クーンクーン」と言いながらヨーコのTシャツから出てきた。
「ボクガ死んだらヨーコチャントお仲間デスネーッ」そんな単純な問題じゃないだろっと言いたかったが、話がややこしくなるので黙っていた。
「あたしぃクモちゃんの妹、初めて見たけど超かわいいのだ、ワン。それから若いのに大人っぽくて素敵だワン」
「デショー。美月ちゃんハヨーコチャントハチガッタ魅力ガアリマス」こいつ、ナイフが刺さって治療されて横になっているのに、よくペラペラと喋れるものだ。
「あたしやジョージとは違ったタイプの人間だ、ワン」
「ソーデスネ」確かに美月はお前たちとは違う。
「ところでクモちゃん、あの変なナイフ、どーするのだ、ワン?」
俺たち三人はこの畳部屋のローテーブルに置いてあるナイフを見た。そのナイフにはジョージの血が乾いているが付着している。美月がジョージの胸から抜き取る時、驚くほど滑らかに取れた。ジョージの異常に発達した筋肉と瞬時の身体操作でナイフは肺まで達しなかった。俺は美月からそのナイフを手渡されるので、とりあえず新聞紙をローテーブルに置いておいた。今、そのナイフはローテーブルに置いてある新聞紙の上にあった。
「そのナイフ、怖いけど・・・ンーン? ワン」ヨーコは不思議そうな表情をした。
「ウウッ、ソノナイフ持つところガヘンデス」ジョージは何とか上体を起こしてローテーブルに置いてあるナイフを見つめていた。ナイフを持つところ、いわゆるハンドルというところだが確かにそこに絵柄が不気味だった。ハンドルの材質は何かの木材だろうが、そのナイフは黒い渦というか黒い蛇がどくろを巻いている絵柄が浮き出ていた。そして刃の部分、ブレードと呼ばれる部分は長さ二〇センチぐらいだが、ここの部分も全体的に黒ずんでいた。
俺はそのナイフを見続けていると、ブレードから黒い煙のようなものが出てきたように思えた。俺は最初、目の錯覚かと思ったが、相変わらず黒い煙が細い筋となってゆらゆらと空中に漂っている。
「おい、ジョージ。ナイフから黒い煙が出ていないか?」
「イエ、出てないデスヨ。デモハセガワサン、このナイフオカシイデス」俺とジョージは首を捻りながら顔を見合わせた。
「キャンキャン!」柴丸が俺の横で吠えたてた。見るといつの間にかヨーコがとろんとした目をしてナイフのブレードに触ろうとしていた。ヨーコはナイフから出た黒い煙を吸い込んでいる。
「バカ! ヨーコ止めろ!」俺は急いでヨーコの体を抱きしめてローテーブルの上から寝ているジョージの足元に移動した。
「アッ・・・・・・痛ッ」ヨーコの右てのひらがぱっくりと裂け、そこから血が流れ出した。
「ヨーコチャン! ダイジョーブデスカ?」ジョージも驚いてヨーコと畳に落ちたナイフを交互に見ている。
「いたーい! 痛いよーッ、クモちゃん、ジョージ」ヨーコの掌から鮮血がしたたり落ち空中で霞んで消えている。ヨーコは生身の人間のように激しい痛みを感じているらしい。どうしたらいい?
「ハセガワサン、ヨーコチャンの傷口にハセガワサンノ右手をアテテクダサイ。ソシテ、ナオルヨウニ念じてください」俺は何の疑問も抱かずジョージの言葉に従った。ヨーコの出血している傷口に俺の右手を合わすと、彼女の血で右手が濡れていく感覚があった。流れ続ける血は俺の手のひらから手首そして肘まで伝わって消えていった。ヨーコは俺に抱きつきながらヒクヒクと泣いていたが、一〇分くらい経つと少しずつ落ち着いてきて三〇分経つと傷口は塞がっていた。
「オイ、ヨーコ、痛くないか?」
「ううん、まだ痛い、痛いよーッ」ヨーコの涙は乾いていたが、彼女は泣きそうな辛そうな表情をしていた。俺はまた右手を重ねてヨーコを抱きしめていた。
「あっ、だめぇー、うふふ」いきなりヨーコが体をくねらせた。俺のお腹のあたりに何かモソモソ動き、それがだんだん上の方へ移動していく感覚があった。
「アハ―ン、ダメェ・・・柴丸ぅ。今あたし、感じやすいのぉー」ヨーコは俺に抱きついたまま、いつものように体をクネクネさせた。
「クックックッ」ジョージは必死に笑いを我慢していた。時々傷口が痛むのか顔をしかめていたが、それでも笑って俺たちを見ていた。
「コラァ! ヨーコ、いい加減にしろ!」俺は頭に来て、この変態幽霊女を突き飛ばした。だが元気になったヨーコはジョージの枕元にフワーッと着地した。
「へヘヘーッ、クモちゃんハグのおかげで掌の傷、治ったワン」ヨーコは掌を俺に見せてニタニタしている。
「ヨーコチャン、いつからテノヒラノケガ治ったノデスカ?」
「ウーン、クモちゃんがハグしてから二〇分くらいかなぁ? クモちゃんがあたしを離してくれないから、あたしぃ困っちゃたワン」こいつはどうして、こういうことに頭が働くのだろう? 俺は頭にだんだん血が上って顔がヒクヒクしてくるのが分かったが、怒りを鎮めるために深呼吸を数回した。そして畳の上にあるナイフをローテーブルに敷いてある新聞紙の上に戻した。
「ヨーコ、どうしてあのナイフの方に近づいて行ったんだ」
「あれっ、クモちゃん、まだ怒ってる? ごめんね・・・」
「いいよ、もうそれは。それより俺の質問に答えてくれよ」俺の声は低くなっていた。
「あっ・・・、あのう何か分からないけど、気がついたらナイフ触っていた」
「あのナイフから黒い煙みたいなものは見えなかったか?」
「ううん、何も見えなかったよ・・・」
「ジョージは黒い煙見えたか?」
「アーッ、ボクモ黒い煙ミエマセンデシタ。デモナイフガぼやけてミエマシタ。ソレ、嫌なカンジシマシタ」
「ヨーコには見えなくてジョージにはぼやけて見えて俺には黒い煙が見えた。ヨーコ、お前はその黒い煙を吸い込んでナイフに引き寄せられたみたいだぞ。まさか、そのナイフがお前を切るとは思ってもいなかったけど」俺は深く考えざるを得なかった。美月が言うように物事はあまり良くない方に進んでいるみたいだ。俺は胡坐を組んで黒っぽいナイフを見た。今はそのナイフから黒い煙は立ち昇っていない。
「あっ、あの、クモちゃん、ごめんね。いろいろ・・・迷惑かけちゃったみたいで・・・・・・」
ヨーコもさすがに神妙な顔をしていると思ったら、彼女の蒼い瞳からポタポタ涙が溢れてきた。
「泣くなよ、ヨーコ。お前のせいじゃないんだから」
「ヒック、ヒック、ウウッ、ウウッ・・・」ヨーコはちゃんと正座して泣いている。
「まあ、お前も被害者だからな。悪いのはその変なナイフとそれを作った奴だ」
「ウウッ、本当? ウウッ、クモちゃん、怒ってない? ウウッ、」
「怒ってないよ。心配している」俺は少し申し訳ない気がした。
「ホント?」
「ヨーコチャン、コノ不愛想な顔デモ、ハセガワサンハヨーコチャンノコト心配しているデスヨ」不愛想な顔とは何だ。しかしこいつらのように俺は愛想は良くない・・・確かに。
「ホント、クモちゃん?」
「ああ、心配してる」
「フーッ」ようやくヨーコは泣き止んだ。柴丸も心配して遠慮していたのか、彼女の膝の上に乗った。
「ジョージ・・・俺思うのだけど、このナイフ、ヨーコと変に相性良くないか?」ヨーコが落ち着いたので俺は先ほどから考えていたことを口にした。
「イエス、ソウデスネ。ボクモソレハ感じてイマシタ」
「エッ、それはどういうこと? だワン」
「あーっ、つまりだ。そのナイフでジョージを刺した奴の本当の標的は俺かヨーコ、お前かと思っていた」
「ハイ」ジョージも俺の意図を察したらしい。
「それでさっきお前が怪我して出血しただろう。このことから考えて犯人の奴の標的はヨーコ、お前だと思う」
「ええーっ! どうして? あたし、人に恨まれることしていないよ。それにもう死んでいるし」
「そうです。ヨーコチャン、ナニモ悪いことシテマセン。凄くワルイヤツイマス」ジョージが珍しく本気で怒っている。
「俺の勘だけど、そのナイフと、ヨーコお前は引き合っているみたいだ。だからヨーコはここから離れたほうがいい」
「ボクモソウ思います」
ヨーコはしばらく膝の上の柴丸を撫でていた。そして少し悲しそうな表情を浮かべた。
「ウン、分かった。あたし帰る」
午前四時になっていた。
「ジョージ、俺、途中までヨーコを送るけど、いいか?」
「モチロンです」
「ありがとう、クモちゃん、ジョージ」
俺とヨーコは家を出て階段の降り口まできた。空は晴れていて満天の星が煌めいていた。
「クモちゃん、ここでいいよ」
「階段の降りたところまで送るよ」
「・・・ありがとう」
俺とヨーコはゆっくりと百十七段の石階段を下りた。途中でヨーコの小さな左手が俺の不器用な右手を繋いだ。そのとき俺はヨーコが何の罪もなく殺された少女だと実感した。許せなかった。ヨーコを殺し五歳のマー君を殺し、今度また若い男を殺しジョージを傷つけた奴。そいつはピョン太、ピー子、ワン五郎、ニャン太郎、そして柴丸たち多くの動物をも殺したのだ。俺はこれまで感じたことのない怒りに体が小刻みに震えた。この世界は理不尽だ。
階段を下りたところで俺の両手をヨーコの小さな手が包んだ。
「クモちゃん、ありがとう」ヨーコはそう言うと、俺にそっと抱きついた。柔らかく優しい体だった。
「気をつけて帰れよ」
「ウン、クモちゃんも」
ヨーコは背を向けてアスファルトの歩道を歩いて行った。後ろから柴丸が小走りについて行った。