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6.焼き焦がすは愛の炎/ボクだって

今回、めっちゃくちゃ難産でした。

気付いたら二ヶ月放置状態とかマジでダメダメッすね。


一応頑張って書いては消してを繰り返していたとだけ主張します!

> Side Alain + RYOU



エリーからの返事は結局「今はまだ、待って欲しい」という言葉だった。


その言葉で冷や水を浴びる思いだったが同時に納得がいった。


正直なところ、焦っていたといえるのかもしれない。

こうしてエリーと一緒に居ると、嘗てと今の差を感じてしまう。

だから、焦ったのだろう。

エリーを手放したくないから。エリーを独占したいから。

だけど、少し落ち着けば分かることだ。

彼女も兄さん達や父さん、おばさん、村のみんなの事が気がかりなのだろう。


『どちらにせよ、焦り過ぎだバカ。もう少し雰囲気作ってから言うべきだったな』


ボクの体の大家はそう言ってヤレヤレと呟く。


「ごめん、エリー。ちょっと焦りすぎたな……。

 先ずはみんなの安否を確認、それともう少し余裕ができてから。そうしてから決めよう」


そう言うと、エリーは嬉しそうなでも少し困ったような表情を向けてきた。


『やれやれ、自分の体越しに他人のラブコメ鑑賞って言うのはある意味拷問だな。寧ろコメディだけにしてくれた方がこちらの精神には優しい』


はいはい、リョウは黙ってて。


『やれやれ、宿主に対して冷たい奴だ』


リョウはそれだけ言うと沈黙した。


「とりあえず、今日はもうお互い疲れてるし……そろそろ休もうか」

「え、でもまだ夕食も食べて……」


そういわれてボクはようやく今がどれぐらいの時間なのか悟った。

余り意識していなかったせいもあって気づけなかったな。


「そうだったな……じゃあ今日ぐらいは任せてよ。大丈夫、エリーよりも上手にやってみせるさ」

「本当に大丈夫かしら?」


自信満々に言うボクにエリーはからかう様に尋ねる。


「大丈夫大丈夫!アイリおばさんに色々と簡単な料理は教えてもらってたんだよ、コレでも」

『なぁんとなく、不安だなぁ……本当に大丈夫なのか?』


その辺りは大丈夫。父さんや母さんにみっちりと相手してもらったからね。

……それに、剣を持って振り回すよりも料理をしてる方が案外気が楽なんだよね。

そう思いながら厨房で調理を始める。


『あぁ、そういうの聞いたことあるな。……そう、ウチの弟も同じようなことを言ってたな。アイツの場合はものづくり全般だな。とにかく何かを作るのが好きって奴だった。勉強とか運動は苦手でも、小手先の作業をしている時は誰よりも楽しそうだったな』


きっと、ボクと弟さんは気が合うね。

何時か会ってみたいよ。


『縁があれば会うこともできるだろう。無ければ俺もお前も残りの人生で一度も会うことはできねぇだろうけど』


素直に会いたいって言えば良いのに。


『アイツが弟じゃなくて妹だったら心配するけどな。まぁアイツはアイツでかなりしぶとい。なにがあっても大丈夫だ』


信頼しているんだねぇ。

あ、塩をもう一摘み入れるかな。


『ほぅ、炒め物か。……俺は鍋物ぐらいしか作れないから勉強になるな』


へぇ、リョウの住んでいた国の鍋料理かぁ……興味あるなぁ。


『まぁ、気が向いたら教えてやるよ』


期待してる。


それから程なくして調理が終わり、エリーを起こしにいった。

疲れていたのかぐったりとベッドに寝そべっているエリーを見て、労う気持ちもあったがそれよりも何時の間にか見違えるほど色気をかもし出すようになったエリーにドキリとした。


『…と、いう訳だな?』


うわっ、何だよ急に変なことを言って!?


『ふふん、茶化されるぐらい慣れておけ、いい加減な。

 この先俺の体を使い続けるなら、事と次第によっては俺はいやでもお前とエリーがまぐわう所をみなきゃならんのだしな』


みないで欲しいなぁ。


『それこそ無茶を言うな。俺の体を通してみている光景は全て俺の目に届く。今の状態だって正確にはお前が俺の体を利用しているだけの状態に過ぎない』


「だから例えば、こんな風に一瞬で体を取り返すこともワケないって事だ」


うわっ、いつのまに!?

って、今度はまた感触が戻って!?

本当に何時の間に!?!


『今の間に、だ。良いか、念押しで言っておくが俺がこの体の主。お前は唯単におこぼれを預かっているに過ぎない。

 この体は元々俺のものだから当然だな。一応、戦闘になった時は必要に応じて入れ替わってやるが、期待するなよ。

 あくまでお前に貸してやるのは入れ替わりも含めた『もう一度死ぬまでの間』もしくは『エリーが死ぬまで』か『俺が飽きるまで』だ』


これはキチンと目が覚めてから何度も念押しされた彼の言葉。

これがボクと君が取り交わした絶対のルール。わかってるよ、大丈夫。


『わかって入るのなら良い。後、焦らずに情報収集はしろよ……キナ臭い事が起こりすぎてる(・・・・・・・)からな、この辺りは』


リョウの忠告にボクはドキリとした。

キナ臭い事といえば、キキスミ領主の息子である、あの野郎の馬鹿をやっていると言う噂。

それにルクツーが滅び、僅かな生き残りが反乱軍となって森に集まっているという話。


「ボクにどうしろって言うんだ」

『好きにしろ。だが、簡単に死んでくれるなよ?折角お前に機会を与えてやるんだからな』


「で、アランは何時になったら私を起こしてくれるのかなぁ~?」


ボクとリョウが話していると、何時の間にか目覚めていたエリーが、ボクを胡乱な目でみていた。

その目はとても起こっている時の目だった。こう、目に光がないって言うか深遠の闇(地獄の様な物)に通ずる何かがありそうなそんな感じの。


「えぇっ!?エリー起きてたの!?」

『はっはっは!早速笑わせてくれるな、お前は!数分前からエリーはお前の様子を伺っていたぞ』


えぇい、黙っててよ!

『あ、後さっき言ってたことなんだけど半分ぐらい嘘だ。実はこの状態でも眠ることは出来るから情事とかは寝て待っていてやるよ』

「あ、あはは。エリー、ごめんごめん。ちょっと考え事してたら色々と、ね。

 それよりご飯できたよ。一緒に食べよ」

「う、うん。直ぐに行くわ!」


エリーはそのあと、美味しい美味しいと言ってボクの用意したご飯を平らげていく。

ボクも自分の作ったご飯を食べて今日のはそれなりだな、と頷いて納得する。


「でも驚いたわ。アラン何時の間にこんなに上手に?」

「村に居た頃、エリーがアイリおばさんに色々教わるからって引き篭もってた時期があったじゃないか。あの頃だね。

 丁度あの時期に旅の料理人を名乗る冒険者の人たちが来てて基礎を教えてもらったんだ。後は前も言ったけどアイリさんやうちの家族から。

 教えてもらったと言っても調理法のメモを貰ったりしただけだけどね」


『しかしアイリおばさん……ねぇ。 愛理おばさんと同じ名前……俺の知ってるおばさん、なわけないか』


何か言った、リョウ?


『いや、独り言だ。気にしないでくれ』


リョウはリョウで考え事をしているようなので、ボクの方もしばしココに至るまでの回想をすることにした。

と、言ってもそれほど時間が経ったわけでもないから思い返すことは少ない。

ギルドで出会った人との会話を思い返すぐらいだ。



「ようやく起きたわね、気分はどうかしら?」

「え?えぇっと……」


目を覚ましたボクに、何時からかは知らないが目の前に居た女性が問いかける。


『いや、ずっと目の前に居たから。お前が気づかなかっただけだよ』

「とりあえず、アランとの接触にゃ成功しましたよ。あの野郎、寝ぼけたまま俺を乗っ取ろうとしてやがったからキチンと首に縄つけて主導権は握ってやりました」

「あら、もしかして才能あるのかしら?普通は精神世界で相手と対峙した場合は大半の人が相手を消滅させるか、あるいは相手が強力過ぎて逆に消滅させられるかなのだけど」


って、何で勝手に口が動いてるのさ!?


『俺が動かしてるに決まってるだろう』


「とりあえず、エリーへの対処を含めて面倒事が残っているから等分の間は共生する事にしました。

 ただし、俺の気が向く限りですがね」

「存外に寛大な処置なのね。アルスとマリーの友人としては嬉しいけれども」

「まさか、面倒ごとをやらせる丁稚が居るのならやらせようと言う魂胆に他なりません。

 多少の面倒は宿代だと思って諦めさせますしね」


リョウが少し悪っぽく笑ってみせるとピュコアさんはどうやら苦笑している。

似合わないんだろうか?


「とりあえず、貴方が決めたことならば私からは口を挟むつもりはありません。

 なにがあっても、どうなっても残りは自己責任です、いいですね?」

「当然」


リョウは何を今更と心で呟いてる。


「あ、そうだ。お願いしたいことがあります。ヴァンさんと……エリーと組んでるジェンとリエラへの事情の説明を簡単に。よろしいですか?

 特にジェンとリエラは俺の事も知っているからごたごたするのは面倒だし」

「……しょうがないですね。簡単な説明ぐらいは此方でしておきます。

 詳しい説明は自分でしてくださいね」

「わかりました。それじゃあ後はアランに変わります。アランは俺の行動の端々をみていた様なので詳しい説明は不要ですが、何か言いたい事があればお好きにどうぞ」


その言葉と共にボクに体の感触、支配権が移ってきた。

思わず手を見つめてにぎにぎとやってしまう。


「えぇっと……はじめまして、で良いのかしら?」

「あ、はい!はじめまして、アラン・ルクツリアです!」


その後は当たり障りのない雑談や趣味の話し、普段何をしているかなどを話すボクとピュコアさん。

ところで、その露出の多い衣装……本当に神官の服なんですか?とは思っても聞かなかったボクはある意味偉いと思う。


『ふぅむ、改めてアランの人となりが良くわかるなぁ』


なにがさ。


『気づいてるかは知らないけど、お前さんピュコアさんにどういう人物かって思いっきり根掘り葉掘り調べられてたんだぞ、今。

 まぁ、たぶん向こうも「余り頭は良くないし、強くもない上に少し不器用で人に騙され易そうな天然系の善人な青年」ぐらいに思ったんじゃないか?』


凄く酷い事を言うね、君も。


『気にするな、今更だ』


その後、ヴァンさんを紹介されて熱烈に戦いに出るように説得されたりもしたけど、その辺りは思い出したくないかな。

あの人、暑苦しくて思い出すのが本当にいやだから。




思い返してみると、なんとなくボクの扱いって酷くないか?

食事を食べながらリョウに語りかける。


『いや、普通に余り良くないぞ?まぁ、死者に対しての態度を考えればこれでも良い方じゃないか。

 普通だったら既に消滅してるんだし。良かったな、エリーが心を壊すほどお前が好きで。

 ああいう風に厄介な子じゃなかったらお前の事なんてさっさと消してるところだったよ、多分。

 つか、語りかけるな、俺は眠いんだ』


良いじゃないか、どうせ精神だけなんだから大して疲れないだろう?


『人間の三大欲求には食欲、性欲、睡眠欲の3つがある。前者二つは当分使う気が無いから俺は最後の一つを満喫するんだ!邪魔をするな!』


リョウはそれきり話しかけてもいびきしか返さなくなってしまう。

本当に寝てしまったんだろうか……?

まぁいいか、あんまり邪魔するのも悪いし。




その後、エリーと話しをして、途中で兄さんとマリーさんのモノと思われる少し高価そうなお酒をエリーがもってきて飲む事になった。

その後の展開は良く覚えてないんだよね。

何か良い事があった気もするし、リョウさんに酒に弱すぎとかへたくそと罵倒された気もする。

翌朝気がついたらエリーと一緒のベッドで寝てて、なんとなく足腰がだるい感じだったぐらい。

改めてエリーを見るとやっぱり本当に美少女だなって思うよ。

すっきりとした顔たちで艶やかで触り心地のいい茶色の髪の毛、スタイルも良い。本人としては身長だけはボクと同じぐらいほしかったらしいけど。ボクとしてはエリーに勝れる部分って全然ないから身長だけが唯一のとりえなんだよね。


この体はリョウの体だけど。


『と、いうかだな。俺の体を使っててあの程度の酒で理性失うなよ馬鹿』


ありゃ、起きてたのリョウ?


『起きてたの、じゃねぇよ……。俺の体であそこまでヘタレられてたらもう泣きたくなるね。

 お前はあれだ、もう少し精神的な強さを磨け。我慢強さと置き換えてもいい。お前がヘタレたことばかりすると、俺もヘタレだと思われるんだからな!』


ヘタレヘタレって、酷いなぁ。

ボクだってやるときはやるんだよ?


『酒が入ってなきゃヤれない様な奴はヘタレで十分だ』






朝食を採り、ギルドに赴くとヴァンさん、ピュコアさん、ジェン、リエラの4人がボクとエリー、そしてリョウを待っていた。

もっとも、ボクからすれば直接会ったことがあるのはピュコアさん一人だけになる。

彼らがボクをどう扱うか、それが非常に気になるところだ。

エリーがリエラとピュコアさんに連れられて席をはずした。


「で、今のリョウは本当にアランなんだっけ?」


ジェンの問いにボクが答えようとする寸前で肉体の支配権がリョウに移った。


「アランに貸している、という状態だ。俺の意思ですぐに俺が出てこられる」

「ありゃま、リョウはどこか普通とは違うと思ってたけど本当に人とは違うな」

「まったくだな。おいリョウ。本当に何の問題もないのか?」


ジェンが驚いたように言い、ヴァンさんが心配するように問いかける。



「問題があるようならアランを既に消滅させているよ」


 当たり前のように言ってのけるリョウのその言葉に、ボクはもちろんヴァンさんとジェンは空恐ろしい物を見るようにリョウを見る。……もっとも、ボクの場合はリョウの中にいるからリョウを見るというのはおかしい表現なのだけど。


「そして、損よりも得があると判断したからこそ許しているのさ。どうも俺の手持ちの時間は有限ではなく無限に近いらしい」


人間が無限の時を生きる?それじゃまるで神様かなにかみたいだ。


その後しばらく駄弁っていたけど、いい加減邪魔になってしまったのかヴァンさんに急かされてボク達は一つのクエストを引き受けることになる。


「最近、どうも魔物や魔族の繁殖速度が洒落にならない速度になっているようだ。

 魔物はともかく、魔族までってのは少々おかしいんだがな……。

 で、出来る限り都市周辺の魔物は狩っておこうという話しになったわけだ。

 なにせ都市の外周には農耕地域なんかもあるからな、生活に関わるんだよ」


ということらしい。

他にも聞いてみると、街道の一部でも襲われているので治安と流通にも影響が出ている状態であり、悪化すれば経済的な打撃は免れないとも教えてくれた。

具体的にどうなるかとリョウに尋ねてみると「農家の人間に被害が出たり、食い物やその他商品全般の値段が上がったり、治安が悪化したりと悪い事だらけだ」と大雑把に説明された。


「けど、正直驚きだよなぁ。魔族が大繁殖してるって話。あいつ等ってそう簡単に増えるモンなのか?」

「さぁ?詳しいことはアタイには分からないけど、オーク辺りはイヤな噂もあるから何とも言えないわねぇ」

「それって、もしかして……アレ?」

「そうアレ。見つかったら即殲滅しないとあたし等拙いから覚悟しなさいよ、エリー」

「うん」


ハテ?そもそも魔物ってそこまで簡単に増えただろうか?魔物は確かに多産ではあるけれど、基本的に季節的なものがある。要は春頃が発情期で4ヶ月ぐらいでいっぱい生まれてるといった具合だ。魔族も同様だが、やつらは多少インターバルが短く季節ごとにで更に人間より相当早いが成体オトナになるのに4年~5年かかる。

この辺りはルクツーでガードをしてた時代に知識や情報だけはきちんと仕入れていたつもりなんだけど……もしかして知らないだけで奴等の繁殖速度や成長速度が速くなる何かがあるんだろうか??

リョウはこの辺りの知識は無いだろう、ならジェン達に聞いてみるかな。


「アレってなにさ?」


 と、尋ねたらジェンが肩をすくめる。


「アラン、アレはアレに決まってるだろう。野暮だぞ野暮」


アレ?アレと言われるからには既に一般に浸透している事柄なんだろうか?しかも野暮とか言って嫌な顔してるから余り良いことじゃない?

釈然としないなぁ……一体何なんだろうか?けど、この場で聞くのは諦めた方が良いか?


「うん??まぁ、そうなら良いや」


釈然としないながらも諦めると、リエラとエリーの会話が耳に入った。


「う~ん、それにしても本当に彼がアランなのねぇ」

「え?今更何を言ってるのよリエラ」

「えーっと……まぁ大した事じゃないわ。彼が天然ってだけよ」


て、天然?少し酷くないか?


(いや、割とあってるだろ)

「割とあってるわね」


ひ、酷いよ。エリーもリョウ二人して酷いなぁ。


(とはいえ、アランは魔物や魔族に関する雑多な知識を持ってるようだな。そこは感心したぞ)


そりゃ、腕っ節が弱いのに知識も知恵も無いんじゃガードには採用されないよ。

元々ボクは腕っ節よりも雑学とか薬草学の方が自身あるんだけどなぁ……。


(それならいっそそちらを仕事にすりゃ良いのにどうして?)


あー……簡単な話なんだけど、家柄ってヤツかな。

ウチの家系って腕っ節と度胸と知恵の3つを尊ぶ家柄なんだ。

勿論家の人間、祖先も合わせて全員がそうだった訳じゃない。

例えばボクの父さんは腕っ節はそこそこで度胸と村の発展を維持するぐらいの知恵は持ってた。

兄さんは腕っ節がすごく強い上に度胸もとんでもないし運気も強かった。

で、ボクなんだけど腕っ節は……まぁ、残念で度胸もそんなあると思ってない。少し自慢できるのは他の人よりも雑多に色々知ってるかな?って感じ。

特に魔物や魔族の生態とか薬草学とかね。冒険者の人達から聞いて色々と覚えたつもりだよ。

まぁ、そんな訳で父さんが『頭でっかちだと良くない!』って言ってガードに就けた訳。腕っ節は相変わらずダメだけど、度胸は入る前よりはマシになったかな?きっと、多分……。


さて、そんな風に姦しく進んでいくと、魔物の群れを発見した。

ヴォルフ4匹とオーク5匹だ。皆にしてみれば馴染みの編成とも言える相手らしい。


「俺とアランはある程度前に出て二人に敵が行かないようにする。二人はいつもどおり弓と魔法で確実にしとめてくれ。

 いけるな、アラン?」

「うん、だいじょうぶ。リョウも手伝ってくれるし問題ないよ」

(言っておくが、ギリギリまでは自力で何とかしろよ)


言われる前でもないよ、ボクだってリョウに頼りっきりになるつもりは無いんだ!

決意を胸に剣を握り両手で構える。


やっぱりコレ、ちょっと重いな。


そう思いながらジェンと並ぶと早速リョウからアドバイスがでた。


(アラン、無理に前に出ずにジェンとの距離をうまく維持しながら戦え!

 前に出過ぎたら孤立して袋叩きにされるぞ!)


「俺とアランでヴォルフの相手をする!二人は遅れてやってくるオークの相手だ!」

「わかったわ!」


ジェンの言葉にリエラが答える。

ボクとジェンは早速駆け出してきたヴォルフ相手に剣を、槍を振るう。


「ち、相変わらず素早くて面倒だ」


そう言いながらジェンが槍を払うとヴォルフを切り付け同時に複数まとめて弾き飛ばした。


「避けるのは簡単だけど、剣が当たらない!」


何度かヴォルフの突撃を回避したけれど、剣で切り付けようと払おうと突こうと、どうしても相手に剣が当たらない。


(見切りが甘い!ついでに踏み込みが2歩分足りてない!!踏み込みの足りないチキンな攻撃など当たったとしても大した攻撃にゃならんぞ!!)


「くそっ!!」


ボクが悪態をつきつつも防戦している一方で、後方から光の矢と矢が数本飛んでいった。


「負けてられねぇな!でりゃでりゃでりゃー!」


ジェンの言葉から察するに、どうやらそれでオークに攻撃したようだった。

更に勢いづいて突進しヴォルフ達を槍の連続突きで攻撃するジェン。

ボクも負けていられない!


「ボ、ボクだってやってみせるっ!!」


一度ボクから距離をとったヴォルフへ今度は自分から距離を詰める。

今度こそあたれ!とにかくあたれ!

そう思いながら剣を振り回す。


「せっ…ってえぇえええ!?」


剣は確かに相手に当たった。

だけど、相手を斬ることは出来ず、棍棒がぶつかったかのような鈍い感触だけだ。


(ふぅむ、ライトニングは俺しか使えない剣だけど、俺と同じ肉体なら使えるかと思ったがそうでもないのか。

 この場合、俺自身が前に出ないと使えないのか?いや、アランは一応持てているから使えるはず。……つまり扱いきれて居ないと言うことか?)

「あぁああ……くそ、そういうこと!?」


リョウの分析に思わず苦い顔をして即座に後退する。

そこにジェンのフォローが入った。


「アラン、その剣本当に剣かよ!?」

「一応剣だよ!でも、今のボクじゃ扱いきれてない!!」


改めて剣を握りなおす。これじゃ剣と言うより棍棒として使ったほうがマシじゃないのか?!


「ほら、二人とも!口より手を動かす!!」


リエラの放った矢がジェンの死角に迫っていたヴォルフを掠り、けん制した。


「ちっ、的が小さいからあて辛いわ」

「なら、こうしましょう!光の礫よ、雨の如く降り注ぎて我が敵を射抜け!フォトン・レイン!」


 エリーの放った雨あられともいった感じの光の飛礫が甲高い音を立てて無数の魔力弾が弾幕となってヴォルフとオークに襲い掛かる。

しかし幾らなんでも威力まで今まで道理と言うわけではないようでコレだけで相手をノックダウンすることは出来ないようだ。


この隙にジェンが近づいていたヴォルフ二匹のうち一匹を槍で一突きにし、ボクは聖剣と言う名の棍棒でもう一匹のヴォルフの頭を粉砕した。



しかし、その間にエリーの弾幕を掻い潜ってオークが二体、ジェンとアランに襲い掛かる。


(オークが来てる!体勢を整えろ!あいつらお前達を矢と魔法の盾にするつもりだぞ!)

「っ!!」


リョウの警告のお陰でオークの攻撃を余裕を持って回避することに成功した。


「二人を盾にした?!」

「小賢しいことするわね!弓で射ようにも曲射って結構難しいのよ?!」


後衛二人の忌々しそうな愚痴が聞こえるけど、こっちだって同じ気分だ!


「ちっ、少しの間耐えろよアラン!二人はその他の敵を!」


ジェンの指示が飛び、エリーとリエラはボク達二人を包囲しようとしていたヴォルフとオークを攻撃、けん制する。

くそ、こんなんで勝てるのか!?


「ほら、そら、おらっ!」


ジェンが槍で相手の攻撃を裁きつつ反撃をしていたが、ボクは逆に攻撃に回れなくなっていた。


「うくっ!?重い!?……!」


そう、重いのだ、剣が……先ほどよりもだ。

おかげで段々と動きが遅くなっていくのと焦り始めている事を自覚してしまう。

オークが剣を振り下ろし、それを何とか剣で防ぐけど、それに腕が痺れてこれ以上は、もう……!

(もう見ていられん!!じれった過ぎる!)

「チッ、使いこなせないのなら武器に拘るんじゃねぇってんだ!」


突然体が思うように動かせなくなり、けれどボクの体は剣を押し、引いて、流した上で相手がよろけた所で腕を掴み、足を引っ掛けてうまく転ばせていた。


(こっからは俺がやる!お前は見学して使い方を少しでも覚えやがれ!)

「うそっ!?オークってかなり重いのよ!それをあんな簡単に転ばせちゃうの!?」

「小外刈りって言う技だ……よ!」


リョウは言うなり剣でオークの首をスパッと刎ねる。

先ほどと違って剣はすんなりと相手の肉どころか骨さえも断ち切って見せた。



「んじゃこっちも行くぜぇっ!」


こっちが無事なのを見て、ジェンも全力でオークに挑んでいく。

ジェンは気合と共に先ほどよりもさらに切れのある三段突きをオークへと放ち、胴体に3回槍を突き刺す。

その時、向こうにいたエリーと目が合い、リョウが口を開く。


「エリー!!」

「うん!」


リョウが声をかけるとエリーが何時もよりも気合の入った声で詠唱を行っている。


「燃え盛るは情熱の炎、焼き焦がすは愛の炎、愛と情熱の炎の魔神クェストリアよ何時の炎の抱擁を以って我が敵を包み…!」


詠唱が終わると人型の炎が顕れ、オークに急接近し抱きついた。

オークの哀れな悲鳴が聞こえる。


(うげぇ、あれドンだけえぐいんだよ……焼ける臭いが酷いぞ)


「爆ぜろ!」


エリーの言葉と共に炎は爆ぜ、オークともどもに砕け散った。そう文字通り爆ぜたのだ。

爆炎と肉片をぶちまけて。

これ、下手しなくても近くで撃たれたら前衛も巻き込まれるよね?


「な、なんつー凶悪な魔法だよ……オレ、ぜってーにエリーは敵に回したくないわ」

「あ、あたしもね」

「ぼ、ボクも…」


思わず3人揃ってエリーから距離をとってしまう。

お陰でエリーが納得いかなそうに少しすねてしまったけど。


とりあえずコレで依頼は終了でボク達は後はかえるだけ。後はのんびりと休めるはずだったのだ、ユディツァがボク達の知らない所で何者かによって襲撃さえされていなければ……。






> Side Elie


アランに『そろそろ結婚しないか』と改めて言われて私の頭は真っ白になっていた。

まともにものを考えられない。嬉しすぎて真っ白になるのはコレで何度目だろうか?


「村にいた頃にした婚約、まだ有効だよね?約束した結婚の日までもう後少し。

 本当なら村のみんなと祝いたかったけれど、今の状態じゃ残念だけど呼べないね」


アランは何時もの少し困ったような笑みを浮かべていう。


「村を慌てて出てきたのはもう、大体一月も前になってしまうのね。

 色々あり過ぎてそんなに時が過ぎていたなんて気がつけなかったわ」


 私も思わず苦笑してしまう。だって本当に色々あったんだモノ。

森を抜ける為に怖い思いをしたり、冒険者になったり、私が本格的に魔導師として活動を始めたり。

今まで怖くて倒せる気がまったくしなかった魔物を倒せるようになったり。

そして何より、アランと二人だけで、誰の邪魔も無く暮らすようになった事が。


「本当は兄さんやマリーさんを待ちたいけど、二人もいつ帰るか判らない。

 だから、本格的なのはそれまで取っておくとして、神様の前で宣誓だけと思うんだ。どうだろう?」


 アランは私の内心の独白に気づく事無くそう言った。

もしかしたらアランは気づいているかもしれない。

でも、だからこそ私は今彼と結ばれる事を躊躇した。


「ごめんなさい、アラン。今はまだ、待って欲しいの」


 気が付けば、私はそう言っていた。

実はアランには黙っていたのだけれど、私が今まで危険な戦闘系の依頼に拘っていたのは一つ理由があった。

それは何時か結婚式を盛大に行う為にお金を貯めたかったからだ。


「ごめん、エリー。ちょっと焦りすぎたな……。

 先ずはみんなの安否を確認、それともう少し余裕ができてから。そうしてからゆっくりと決めようエリー」


 あぁ、やっぱりアランは優しい人。

自分の事よりも私を、みんなのことを気にかけている。

私は自分の事とアランのことしか考えられない。

その浅ましさを実感してしまう。


「とりあえず、今日はもうお互い疲れてるし……そろそろ休もうか」

「え、でもまだ夕食も食べて……」


私がそういうと、アランは「あ」っと言ってから。


「そうだったな……じゃあ今日ぐらいは任せてよ。大丈夫、エリーよりも上手にやってみせるさ」

「本当に大丈夫かしら?」

「大丈夫大丈夫!アイリおばさんに色々と簡単な料理は教えてもらってたんだよ、コレでも」


 その日の料理は私の味付けとは異なって、少し味付けの濃い料理だった。

だけど、アランの好きな味がまた一つ理解できてうれしく思えた。


 そしてその日の晩、初めてアランと一緒のベッドで寝て……結ばれる事ができた。

声が漏れて隣家のおばさん達に噂されないか、少しだけ心配。


 翌日の朝。

私とアランは久しぶりに一緒にギルドカウンターまでいった。


「お、アランにエリーじゃねぇか!二人揃ってと言うのは珍しいな!」

「そうね……ってエリー貴方なんだかフラ付いてるけど大丈夫なの?」


その言葉に何事もなかったかを装うつもりだったけど体がピクリと反応してしまう。


「あはは、エリーは今日、少しばかり調子が悪いみたいなんだ。今日はエリーの代わりに出るから、よろしく頼むよ」

「アラン、それじゃあ私が休むみたいじゃない。私もキチンといくわよ。アランが幾ら強くなったからって、まだ危なっかしいもの」


 そうよ、アランはどこか抜けてるから私が頑張らなくちゃいけないんだ。

なんだか最近はしっかりしているように見えたから安心してたけど、でも、まだまだ気を抜けないわ。


「あはは……酷いなぁエリー」

「しゃーねぇだろうな。お前、実戦に出るの久しぶりだろう?」

「まぁ、そうなるんだけどさ。大丈夫、足は引っ張らないよ。今のボクには頼れる相棒が居るからね」

「ははは、頼りにさせてもらうぜ!」


 ジェンとアランはやっぱり仲がいい。

男同士だとやっぱり通じ合う物ってあるのかしら?


「どうおもう、リエラ」

「さぁ? そ れ よ り も!どうせだから昨晩あったこと、お姉さんに話してみたらどうかしら~?

 何があったのかは足元見ればわかるわよ、お姉さんも経験者だし~♪」

「え、えぇ!?あぅぅ……勘弁して頂戴、リエラ」

「だぁーめ!」


なんてやり取りをしていると、カウンターの向こうで呆れた表情をしたヴァンさんが。


「おまえら、ガキじゃないんだから早く依頼を受けるなりよそに良くなりしろって」


と、催促した。



 結局その日の依頼は先日と同じ都市外周部の魔物退治と相成った。

昨日受けて達成したばかりの依頼が再び出ているのをおかしいと思ったジェンがヴァンさんに質問していたが。


「最近、どうも魔物や魔族の繁殖速度が洒落にならない速度になっているようだ。

 魔物はともかく、魔族までってのは少々おかしいんだがな……。

 で、出来る限り都市周辺の魔物は狩っておこうという話しになったわけだ。

 なにせ都市の外周には農耕地域なんかもあるからな、生活に関わるんだよ」


ということらしい。


「けど、正直驚きだよなぁ。魔族が大繁殖してるって話。

 あいつ等ってそう簡単に増えるモンなのか?」

「さぁ?詳しいことはアタイには分からないけど、オーク辺りはイヤな噂もあるから何とも言えないわねぇ」

「それって、もしかして……アレ?」

「そうアレ。見つかったら即殲滅しないとあたし等拙いから覚悟しなさいよ、エリー」

「うん」


 アレとはオークの雄が人間の女性を捕らえて……まぁアレするのだ。考えるだけでもおぞましい。


「アレってなにさ?」


と、思っていたらアランは連想ができなかったのか尋ねて来た。やれやれとジェンが肩をすくめる。

本当に分かってないのかしら?


「アラン、アレはアレに決まってるだろう。野暮だぞ野暮」

「うん??まぁ、そうなら良いや」


アランは釈然としない、という表情を顔全体に露にしつつもそう言って尋ねる事はしなかった。

多分、アランはそういう話を聞く機会が無かったのだろうけど…あまりにもアレだからいう気も起きないわ。


「う~ん、それにしても本当に彼がアランなのねぇ」

「え?今更何を言ってるのよリエラ」

「えーっと……まぁ大した事じゃないわ。彼が天然ってだけよ」


アランが天然かぁ……。


「割とあってるわね」


そんな風に姦しく進んでいくと、魔物の群れを発見した。

ヴォルフ4匹とオーク5匹だ。お馴染みの編成とも言える相手だ。


「俺とアランはある程度前に出て二人に敵が行かないようにする。二人はいつもどおり弓と魔法で確実にしとめてくれ。

 いけるな、アラン?」

「うん、だいじょうぶ。リョウも手伝ってくれるし問題ないよ」


そういってアランは剣を掲げる。

リョウって剣の名前かしら……?

でも、この間はライトニングとか呼んでたような?


それはともかく、早く攻撃しなければ!


「俺とアランでヴォルフの相手をする!二人は遅れてやってくるオークの相手だ!」

「わかったわ!」


ジェンの言葉にリエラが答える。

私は応える代わりに杖を構えて詠唱を始める。


「我が内に眠りし力の流れよ、我が前にありしモノを貫く槍となれ!

 フォトン・ランサー!!」


言葉とともに体の中にある何かが、魔力が動く。

其れは杖先に集まり光を放ち、そしてオークへと私の狙い道理に飛翔していく!


今回使ったのは使い勝手の良いフォトンランサーだ。

速射性と貫通性に長けた扱いやすい攻撃魔法の一つである。

撃ちだした光の槍は狙いが甘かったせいかオークの胴体ではなく右腕に直撃した。


「グルォアアアア!!」

「こっちだってやってやるわ!」


リエラが速射で別のオークを射抜く。

こちらはエリーとの錬度の違いもあり胴体、頭と的確に急所を射抜いた。

距離がそこそこ近いと言うのもあったけど、そこまで弓の腕が良いというのは凄まじい気がする。


「負けてられねぇな!でりゃでりゃでりゃー!」


その言葉とともに突進しヴォルフ達を槍の連続突きで攻撃するジェン。


「ボ、ボクだってやってみせるっ!!」


アランがそう言って剣を下段に構えて走り出すが、どこか頼りない。


「せっ…ってえぇえええ!?」


アランの剣は確かに相手に当たった。

だけど、相手を斬ることは出来ず、棍棒がぶつかったかのような鈍い音だけだった。


「あぁああ、くそ、そういうこと!?」


アランは苦い顔をして即座に後退する。

そこをジェンが槍でフォローする。


「アラン、その剣本当に剣かよ!?」

「一応剣だよ!でも、今のボクじゃ扱いきれてない!!」


どういうこと?でも、今はそれを気にしている場合じゃない。


「ほら、二人とも!口より手を動かす!!」


リエラの放った矢がジェンの死角に迫っていたヴォルフを掠り、けん制する。


「ちっ、的が小さいからあて辛いわ」

「なら、こうしましょう!光の礫よ、雨の如く降り注ぎて我が敵を射抜け!フォトン・レイン!」


 フォトンランサーの溜めを弱くして速射性を強化した連続発動型の魔法だ。

甲高い音を立てて無数の魔力弾が弾幕となってヴォルフとオークに襲い掛かる。

しかし幾らなんでも威力まで今まで道理と言うわけではない。

大幅に威力が減衰し、射程も少し短くなっている。


しかし、その弾幕を掻い潜ってオークが二体、ジェンとアランに襲い掛かる。

同時に、私はこれ以上魔法が撃てない事に気が付く。

魔力切れではなくて……。


「二人を盾にした?!」

「小賢しいことするわね!弓で射ようにも曲射って結構難しいのよ?!」


私は驚き、リエラは忌々しそうに愚痴る。

これで私とリエラの攻撃は封じられる事になった。


「ちっ、少しの間耐えろよアラン!二人はその他の敵を!」


ジェンの指示が飛び、私とリエラは二人を包囲しようとしていたヴォルフとオークを攻撃、けん制する。


「ほら、そら、おらっ!」

「うくっ!?重い!?……!」


まるで対照的な状態の前衛二人組み。

やっぱり、今日のアランは調子が……!?


「チッ、使いこなせないのなら武器に拘るんじゃねぇってんだ!」


アランが突然強気になってオークの長剣を防いでいた剣を押し、引いて、流した上で相手がよろけた所で腕を掴み、足を引っ掛けてうまく転ばせる。


「うそっ!?オークってかなり重いのよ!それをあんな簡単に転ばせちゃうの!?」

「小外刈りって言う技だ……よ!」


アランは言うなり剣でオークの首を刎ねる。

先ほどと違って剣はすんなりと相手の肉どころか骨さえも断ち切って見せた。


「んじゃこっちも行くぜぇっ!」


アランが無事なのを見て、憂いがなくなったジェンも全力でオークに挑めるようになった。

ジェンは気合と共に先ほどよりもさらに切れのある三段突きをオークへと放ち、胴体に3回槍を突き刺す。

その時、向こうにいたアランと目が合い、アランが口を開く。


「エリー!!」

「うん!」


つまり、全力全開の一撃で敵を倒せばいいんだよね?わかっているよ、アランが言いたいことぐらい。だから見せてあげる、私の本当の、最大最強の一撃を!


「燃え盛るは情熱の炎、焼き焦がすは愛の炎、愛と情熱の炎の魔神クェストリアよ何時の炎の抱擁を以って我が敵を包み…!」


詠唱が終わると人型の炎が顕れ、オークに接近し抱きついた。

オークの悲鳴が聞こえる。


「爆ぜろ!」


私の言葉と共に炎は爆ぜ、オークともどもに砕け散った。


「な、なんつー凶悪な魔法だよ……オレ、ぜってーにエリーは敵に回したくないわ」

「あ、あたしもね」

「ぼ、ボクも…」


あ、あれ?何でだろう…みんなさりげなく距離とってない?

一応依頼は達成したけど、なんでこうなるのー?!



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