生まれ変わっても桜の下で…〜後編〜
前編の続きです。楽しんで下さい!
短いので…
2つの声が聞こえて…
俺は、何となく聞こえる声を聞いていた。
信乱と政頼…2人は、何者なのか、ここは、どこなのか。
しばらくすると、何となく身体が浮いた気がした。
「悪いな、助けてやれなくて…」
「約束守れよ!絶対だぞぉ!」
「あの世でも俺達と戦ってくれ、力を貸してくれ…!」
信乱が泣いているような声で、話していた。
それもまた、俺に話しているように、
「…約束は守って欲しい、私もそう思う。」
「安らかに眠っていてくれ、そろそろ其方の家だ。」
政頼は、落ち着いていた。静かに、俺に話しているように、話している。
その瞬間、また身体に痛みが…さっきよりは、全然マシだ。
でも、痛い、普通に痛い!思わず声に出してしまった。
「あぁっ、痛っ、痛い」
「っ…前田!?」
「どうした!!?何が起きた!??」
2人とも、驚いている。
そのうち視界が開き、2人の人間が俺の顔の目の前にいた。
「無事だったのかぁ!!?」
「あれ程の傷を負いながら、しかも、1度脈が無くなったのだぞ…生き返ったのか?」
信乱と政頼の声が聞こえる。俺は、このまま喋ろうと思った。でも、自分のお腹あたりを見た時、言葉を失った。そして思わず、
「この傷なんだぁ!?血まみれじゃないかぁ!?何したらこうなったんだぁ!!?」
叫んだ、そして、落ち着き前を見ると…
ガタイの良い若い俺と同い年くらいの男とスラッとした美しい女性がいた。2人も血まみれで、和服を着ていた。女の人は、上下黒い袴?男の人は、侍みたいな格好だった。2人とも腰に刀が納められていてまるで、戦国のコスプレみたいだった。
次第に痛みは無くなった。そう言えば、さっき俺のことを「前田」と呼んでいたが…
「前田、生きているのか、それとも罠か!?」
さっきから、女の人が俺のことを前田と呼んでいる。
「あの…俺のこと?前田って…」
聞いてみることにした。すると次の瞬間…!
「何を言う!!?お前は、誰だぁ!!!」
急に女の人が刀を俺の喉に突きつけてきた。だが、切っ先はわずかだが、震えていた。
「あの約束ぐらい覚えてるだろうな…?」
男の方が聞いてきた。そう言えばさっき言ってたっけ…
約束守れよ!?約束ってなんだよ!!
「言え、約束…我々の誓いを言え…」
「言えないのか!?」
女の人に続けて、男も言った。
「ごめんなさい。分かりません。」
正直に言ってしまった。俺また死ぬの?ここで、転生して生きるのかと思っていたけど…
「じゃあ、お前は誰だ…どこの誰だ!!」
男が言った。そう言えば、信乱と政頼ってどっちがどっちだろう。政頼の声は、女の人にしては、低くて重たい感じだったけどなぁ…
「其方がどこの誰かは、知らぬが我々の事を知った時点で其方も剣士になれ。そして、我々と共に戦え。奴の首を共に切り落とせ…」
女の人とは、思えない口調で、女の人とは、思えない事を政頼(多分)は言った。そして、信乱(多分)も付け加えた。
「では、誓え…我々の仲間となるのなら!分かったかぁ前田!もう前田じゃないのかもしれないけどよっ!」
何を誓うのか謎だが…前田という男(体つきから男)を俺が乗っ取ってしまった償いになるだろう。
「分かった。誓います。」
すると2人とも改まった顔をして、
「誰かが死んでも、当たり前。我らの誓いを貫き必ず守り抜く。」
俺も復唱した。その後政頼(多分)が微笑んで言ってくれた
「其方も、仲間だ、約束を教えよう。」
『生まれ変わっても桜の下で…』
「死んでも、仲間を守れよ!約束も!」
2人とも本気だった。
そして俺は…信乱と政頼の仲間になった。
「政頼、コイツとペアを組んで鍛えてやってくれ!」
信乱が政頼というのだから、政頼が女性であるということが確定した。(なんか、女性だと思うと…意識しちゃうなぁ…)
次へ続く…
どうでしたか?未熟な私なので、誤字脱字があるかもしれませんが、あったら教えてくださいm(_ _)m