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淡々晋書  作者: ンバ
付、劉和伝
90/313

一、六日天下

付記されている劉和伝。


三日天下ならぬ六日天下。

1.

和字玄泰。身長八尺,雄毅美姿儀,好學夙成,習毛詩、左氏春秋、鄭氏易。及為儲貳,內多猜忌,馭下無恩。元海死,和嗣偽位。其衛尉西昌王劉銳、宗正呼延攸恨不參顧命也,說和曰:「先帝不惟輕重之計,而使三王總強兵于內,大司馬握十萬勁卒居於近郊,陛下今便為寄坐耳。此之禍難,未可測也,顧陛下早為之所。」和即攸之甥也,深然之,召其領軍劉盛及劉欽、馬景等告之。盛曰:「先帝尚在殯宮,四王未有逆節,今忽一旦自相魚肉,臣恐人不食陛下之余。四海未定,大業甫爾,願陛下以上成先帝鴻基為志,且塞耳勿聽此狂簡之言也。《詩》云:'豈無他人,不如我同父。'陛下既不信諸弟,復誰可信哉!」銳、攸怒曰:「今日之議,理無有二。」於是命左右刃之。景懼曰:「惟陛下詔,臣等以死奉之,蔑不濟矣。」乃相與盟於東堂,使銳、景攻聰,攸率劉安國攻裕,使侍中劉乘、武衛劉欽攻魯王隆,尚書田密、武衛劉璿攻北海王乂。密、璿等使人斬關奔於聰,聰命貫甲以待之。銳知聰之有備也,馳還,與攸、乘等會攻隆、裕。攸、乘懼安國、欽之有異志也,斬之。是日,斬裕及隆。聰攻西明門,克之。銳等奔入南宮,前鋒隨之,斬和於光極西室。銳、攸梟首通衢。


(訳)

劉和りゅうかはあざなを玄泰げんたいという。

身長は八尺(193cm)、

剛毅で容姿は美しく

学問を好くし、若くして毛詩もうし、左氏春秋、

鄭氏易ていしえきに習熟した。


元海が死ぬと劉和が帝位(偽位)をいだ。


儲弐ちょじを為すに及び

(後を継ぐのに及んで)

内心は猜疑することが多く、

配下に恩徳を施さなかった。


彼の衛尉えいい西昌王せいしょうおう劉鋭りゅうえい

宗正そうせい呼延攸こえんゆうは、先帝の遺命の場に

参席できなかったことを遺恨に思っており、

劉和に説いて言った。


「先帝は軽重の計を顧みておらず、

三王(劉乂、劉隆、劉裕)すべてに

宮中の強兵を預からせ、

大司馬(劉聡)に十万のつよき士卒を掌握させ

近郊に居座らせておりますのに

陛下は今、そうして玉座におわすのみです。


このままではどんなわざわいに見舞われるか

予測もつきませぬ、願わくば陛下には

速やかにこの計画(四王を討つ)を

実行に移されますよう」


劉和は即ち、呼延攸の甥であった。

劉和はこの言を実にもっともだと考え

領軍の劉盛りゅうせい及び、劉欽りゅうきん馬景ばけいらを召して

この計画のことを告げた。


劉盛は言った。


「先帝はなお

殯宮ひんきゅう(遺体の仮安置所)におわします。


四王(劉乂、劉隆、劉裕、劉聡)は

いまだ反逆の意思など有してはおらず、

(たちま)ち、ひとたびに彼らと

互いを魚肉に(身内同士で食らい合う)

なさろうとすれば、人々は陛下の

余禄を食むことにならぬのではないか

(天下の人間に見離されるのではないか)

と、わたくしは恐れております。


四海はいまだ定まっておらず、

大業を為し遂げておりませぬ。

願わくば陛下には、先帝の鴻業こうぎょうを基盤に

そのご遺志を成就させる事を最上となされ、

且つ、耳を塞がれて、このような狂簡の言を

聴き入れる事の無きよう。


『詩経』は云っております。

あに他人無からんや、我が同父に如かず〟


陛下が御諸弟を信じられずにおれば、

また、誰を信じられると仰るのですか!?」


劉鋭、呼延攸は怒って言った。


「今日の会議に、他の事を議する理など

有りはしないものを!!」


こうして左右の者に命じ、

彼(劉盛)を刺し殺させた。


馬景はおそれて言った。


「ただ陛下が詔勅をお下しになれば

わたくしどもは死を以てこれを奉じ、

成功しない事はございますまい」


こうして東堂に於いて互いに同盟を結び、

劉和は、劉鋭と馬景には劉聡を、

呼延攸には劉安国りゅうあんこくを引き連れさせて劉裕りゅうゆうを、

侍中の劉秉りゅうへいと武衛の劉欽りゅうきんには魯王の劉隆りゅうりゅうを、

尚書の田密でんみつと武衛の劉璿りゅうえいには北海王の劉乂りゅうがいを、

それぞれ攻撃させた。


しかし、田密、劉璿らは人を遣わして

関所の者を斬り、劉聡のもとに奔った。

(劉和の計画を知った)劉聡は、

配下の者に武装を命じて、これを待ち受けた。


劉鋭は、劉聡に

備えが有ることを知って逃げ帰り、

呼延攸・劉秉らと合流して

劉隆・劉裕を攻撃した。


(田密、劉璿が裏切ったことから)

呼延攸と劉秉は、劉安国と劉欽が

異心を抱いているのではないかと懼れ

彼らを斬ってしまった。


この日、劉裕及び劉隆が斬られた。


劉聡は西明門を攻めて勝利し、

劉鋭らは奔走して南宮へと入ると

前衛にこれを追撃させて

劉和を光極西室に於いて斬った。


劉鋭と呼延攸も

通衢つうく(広い道路)に晒し首となった。



(註釈)


即位したての劉和に

弟たち殺しちゃえよとささやくバカ叔父。


実行に移したら裏切りに遭って

疑心暗鬼から同士討ち。見苦しすぎる。


お前ら、晋が内ゲバで

ボロボロになってんの

見てこなかったんか〜い。



劉和はこうして、

在位たったの6日で

弟の劉聡りゅうそうに敗れ、死亡。


劉聡が劉和に代わり

匈奴漢の3代皇帝となります。


匈奴漢の皇帝は、初代劉淵、

3代目の劉聡、5代目の劉曜りゅうようだけ

覚えておけば問題なさそうです。



・劉和評


戦闘 ★★★★★ 5


身長8尺とあるので、

一般ピーポーよりは強そう。


しかし、劉淵・劉聡・劉曜と異なり

武勇に関する逸話が何もないので

★5のまま動きません。



戦略 ★★★ 3


若くして学問を好くし……たけど

活かせていない気がします。

呼延攸の口車に乗って即位から6日で滅ぶ。

強烈なマイナスポイントです。



内政 ★★★★★ 5


何かする前に終わってしまった。



人格 ★★★★ 4


皇太子に選ばれたのは長幼の序?

立太子されたらケチ臭くなった。


劉聡ら宗族とのコミュニケーションが

上手くいってたとはとても思えません。





劉宣伝もあるんですが飛ばします(やれよ

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