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淡々晋書  作者: ンバ
第百一、劉元海載記
80/313

六、訪れた転機

6.

會豹卒,以元海代為左部帥。太康末,拜北部都尉。明刑法,禁奸邪,輕財好施,推誠接物,五部俊傑無不至者。幽冀名儒,後門秀士,不遠千里,亦皆遊焉。楊駿輔政,以元海為建威將軍、五部大都督,封漢光鄉侯。元康末,坐部人叛出塞免官。成都王穎鎮鄴,表元海行甯朔將軍、監五部軍事。



(訳)

ちょうど劉豹りゅうひょう(劉淵の父)が卒したため

元海は代わって左部帥さぶすいとなった。


太康年間(280〜289)の末期、

北部都尉ほくぶといに拝命された。


刑法に明らかにし、奸邪を禁じて

財を軽んじて施しを好くし、

誠心を推して人物に接したため

五部の俊傑で、元海のもとを

訪れぬ者はいなかった。


幽州・冀州の名のある儒家、

後門の秀士らが、みな

千里を遠いとも思わずに

交遊しにやって来た。


楊駿ようしゅんが政治を輔弼するようになると、

元海は建威将軍・五部大都督に任じられ

漢光郷侯に封じられた。


元康年間(291〜299)の末期、

部人(匈奴の者)が叛いて

都から脱出したために

連座して元海も免官となった。


成都王の司馬潁しばえいぎょうの鎮守に当たると

上表して元海に甯朔ねいさく將軍、

監五部軍事を兼行させた。



(註釈)

樹機能の乱から

一気に30年くらい進んどる!



西晋の武帝・司馬炎しばえん

290年に55歳で無くなりました。


一般には暗愚なことで知られる

恵帝・司馬衷しばちゅうが後を継ぎ

外戚の楊氏が政治を壟断ろうだんするという

後漢とほぼ同じパターンを辿ります。


(ちゃんと晋書読んでみると

晋の恵帝ってそんなアホじゃなくない?

と思える描写が結構あります)



司馬衷の皇太子の司馬遹しばいつ

優秀だったため、司馬衷の即位は

単なる繋ぎとして捉えられていたようですが

建国の功臣である賈充かじゅうの娘で

恵帝の皇后である賈南風かなんぷう

司馬遹を殺してしまいます。


こうなると、皇族たちは

「司馬衷が帝位にいる意味がなくない?」

「あれ、俺でも皇帝になれるんちゃうか」

という考えへと至るようになり、

グダグダの内ゲバトルの幕が

切って落とされてしまうのでした。



291年には、

賈南風と太后のよう氏とが対立し

楊一族は粛清されて、今度は

賈一族の時代がやって来ます。


そんなこんなで諸王を巻き込んだ

八王はちおうらん」に

事態は発展してゆきます。


皇族たちは血みどろの私闘に明け暮れ

結果として西晋の国力を

大きく衰退させてしまいます。



一方、戦乱の気運が高まったことにより

我らが劉淵にも転機が。


250年前後に生まれたから、

最初に洛陽に来た時の劉淵は

まだ15歳くらいだったはず。


有り余る才能を持ちながら

40くらいになって

時の権力者である楊駿ようしゅんの上奏で

ようやく侯爵や将軍位を得られました。


と思ったら、50に差し掛かる頃

連座でまた官職を剥奪された。


しかし、八王の一人である

司馬潁しばえいの手によって

再び天下を窺うチャンス到来。


かつて曹操が、力を蓄えられぬように

5つに分割させていた匈奴でしたが、

こうして司馬潁の後ろ盾を得たことで

ある程度自由に動けるようになったのです。


八王の一人、司馬潁、

人望のある人物なのですが

これは大チョンボじゃないでしょうか。



晋末期の内ゲバ──八王の乱をきっかけに

雄飛する事になる劉淵ですが、

その時にはすでに肉体的な

ピークを過ぎていた事が

残念でなりません。


すでにガタガタだったとはいえ

劉淵が独立してから、

たったの12年で西晋は滅ぼされます。


劉淵が挙兵時30歳くらいだったら

天下統一できてた…………かも?


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