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淡々晋書  作者: ンバ
第百一、劉元海載記
72/313

序文一

司馬懿の本紀はまだ

「三国時代」の範囲内でしたが

ここから本格的に

「五胡十六国時代」の話に移っていきます。


私も目下勉強中の身でして、未だ

付け焼き刃の知識しかありませんが、

それでも、その魅力を伝えられるよう

精一杯頑張りますので

何卒お付き合いくだされませ。



皇族(劉備)宦官の子(曹操)孫子の裔(孫権)

それぞれ智と力を競った三国時代のあとは

異民族が覇を競う時代が到来。


今回紹介するのは、

劉邦を打ち破った伝説の匈奴きょうどの王

冒頓ぼくとつ単于の末裔にして

異民族としては史上初の皇帝となり

五胡十六国時代の端緒を開いた劉淵りゅうえんです。


その国号が「漢」だったことから

劉備の子孫に設定されている

小説もあります。


晋書しんしょはだいたい、2世紀の終わりから

5世紀の初めくらいまでの歴史を

紀伝体方式で取り扱っています。



三国志は全65巻でしたが

晋書は倍の130巻あり、


1巻から10巻までが晋の皇帝の「紀」。


(※最初に翻訳した司馬懿のお話は

ここに該当します)



11巻から30巻までは

地理や法律、制度について記した「志」。


31巻から100巻までが

晋の臣下や関連人物を記した「列伝」。


そして101巻から130巻までが

他の王朝の創始者や

関連人物を併記した「載記」



今回からは101巻以降の

載記さいき」を読んでいきたいと思います。



まずはその序文です。

ここの訳が一番自信ない……。


序文1.

古者帝王,乃生奇類、淳維,伯禹之苗裔,豈異類哉?反首衣皮,餐膻飲湩,而震驚中域,其來自遠。天未悔禍,種落彌繁。其風俗險詖,性靈馳突,前史載之,亦以詳備。軒帝患其干紀,所以徂征;武王竄以荒服,同乎禽獸。而於露寒之野,候月覘風,睹隙揚埃,乘間騁暴,邊城不得緩帶,百姓靡有室家。孔子曰:「微管仲,吾其被髮左衽矣。」此言能教訓卒伍,整齊車甲,邊埸既伏,境內以安。然則燕築造陽之郊,秦塹臨洮之險,登天山,絕地脈,苞玄菟,款黃河,所以防夷狄之亂中華,其備豫如此。


(訳)

古代の帝王は奇類を生み、

淳維じゅんい獯粥くんいく=匈奴の始祖)は

伯禹はくう(夏の始祖)の苗裔であるのに、

なにゆえ、異類というのか。


髪の毛を振り乱して

(動物の?)皮に身を包み

肝を食べて乳汁を飲む

(ような野蛮人だからである)。

自ら住処を遠く離れて

中原を震撼させた。


天は禍害を追悔することなく、

その落種はあまねく繁殖してしまった。


奴らの風俗は邪悪かつ不正で、

その精神は猪突猛進。

前史はこのことを掲載し、

また詳細に渡っていた。


軒轅けんえんは、異民族が法に

違反したことを憎んで征伐し、

武王が荒服(辺境の部族)を追放したのは

禽獣と同様だと考えた故である。


露寒(肌寒い)の野にて風月を覘候てんこうし、

隙を見て旗揚げして

間に乗じて欲しいままに暴虐を働き、

辺城は緩帯(武装を解く?)できず、

百姓は家を失う事になった。


孔子は言っていた。


管仲かんちゅうがいなければ、

我々は被髮(ざんばら頭)で

左衽(左前の服)を着ていたろう。

(蛮族のような生活をしていたろう)」


この言葉は、

卒伍(庶民)を教え諭し、

車甲が整備されれば

辺境の地は帰伏し、

境内を安んじることが

出来るという事を意味する。


則ち、燕は洛陽の郊外に築造して

秦は臨洮の険峻を塹塁とし、

天山に登り地脈を絶ち

玄菟げんとを包括して黄河へと至ったのは

夷狄いてきが中華を乱す事を防ぐためで

その備豫はかくのごとくであった。




(註釈)

ごめんなさい、たぶん誤訳した……。

まちがいなくどっか誤訳した…………。




とりあえず、「えびす」を

漢字変換してみてください。


蛮、戎、夷、胡、狄などの

字が出てくるはずです。

辺境の地だの、異民族を指す語です。


匈奴きょうどだの烏丸うがんだの鮮卑せんぴだの

ていだのきょうだのだの

彼ら異民族はざんばら頭で

変な服着てて、低俗な風習で

ケモノのような食生活してる、

野蛮なやつらなんだ!!


あんなやつらが王者を名乗って

いい訳がないのだ! と最初に定義付け。



しかし、そんなやつらが

天下取る一歩手前まで

行っちゃったのが、この時代なのです。


隋と唐の創始者(楊堅ようけん李淵りえん)だって

元を辿れば異民族の出という説があり

唐人がこれ書くの、自分の首絞めてるんじゃ。

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