まとめ
最後に、ンバの個人的な司馬懿評です。
戦闘★★★★★★★★★★10
〜司馬懿の生涯戦績〜
○江夏(VS諸葛瑾)
○襄陽(VS張覇)
○新城(VS孟達)
○新豊(VS???)
△丹口(VS諸葛亮)※雨が降り撤退
○上邽(VS諸葛亮)※諸葛亮の勝利?
○漢陽(VS諸葛亮)※三国志に記述なし
○鹵城(VS諸葛亮)※三国志に記述なし
○五丈原(VS諸葛亮)※諸葛亮病死、蜀軍撤退
○??(VS馬岱)※指揮官は牛金
○襄平(VS公孫淵)
○襄平(VS公孫淵)
○襄平(VS公孫淵)
○梁水(VS公孫淵)
○樊城(VS朱然)※三国志に記述なし
○皖城(VS諸葛恪)※三国志に記述なし
○柤中(VS呉軍)
○高平陵(VS曹爽)※クーデター
○甘城(VS王淩)※戦わずして王淩降伏
19戦18勝1分
いや、一回くらい負けろ!!
五次北伐のイメージで
城に引きこもってる「ビビリ」の
印象が強い司馬懿ですが……
状況を見て臨機応変の策を講じ、
孟達や公孫淵を迅速に仕留め、
諸葛亮の北伐を結果的には防ぎ切り、
呉の誇る名将朱然も緩急使ってボコボコ、
あの俺様野郎の諸葛恪すら、
戦わずに逃げ出すほどのレベルです。
(三国志には書かれてませんが)
苦戦したのは四次北伐の
諸葛亮戦くらいであり、
用兵、機動力、実行力
搦め手や計略まで含めた強さは
三国時代中、トップクラス。
この時代の★10は
司馬懿(三国鼎立以降)と
曹操(三国鼎立以前)かなぁ、と。
次点の★9は今のところ周瑜と孫堅です。
・戦略★★★★★★★★★9
司馬懿の言うことは
基本全部当たっています。
孫権をけしかけて関羽を討ったり
公孫淵や孟達の行動を読み切ってるのは流石。
ボケ老人のふりをして
碌でもない宗族一派を粛清し
司馬氏の権力を確固たるものにするなど
70近くになっても切れ者ぶりは健在。
この男に耄碌の二字はありません。
曹家四代に渡っての重臣として
その身を全うした
どこまでも慎重な身の処し方、
感情のコントロール、
その臨機応変の才略には右に出る者なし?
そんな司馬懿に、
「荀令君より頭のいい人見たことない」
と言わしめた荀彧が★10です。
信頼性のおける記述を
ざっくり書く三国志と違って、
晋書はあることないこと
いっぱい書くので、司馬懿の知略も
ちょっと「盛られた」感がありますが……
司馬懿は三国志最強格でいて欲しい。
・内政 ★★★★★★★★8
軍事ばかりに目が行きがちですが
灌漑や農業等にも目を配り
低コストで確実な成果をあげる
地方活性化のエキスパートでもあります。
基本的に民衆ファーストであり、
民草がシステマチックな曹魏の政治より
こちらに靡いてしまうのも当然かも。
張悌(呉の最後の丞相)はいう、
「民衆は曹操の威勢を恐れてはいても
心までは靡いておらず、
曹丕と曹叡もこれに倣った。
司馬懿親子は、たびたび戦功を立てて
その苛政を除いているのだから
人々が彼等に心を寄せるのも当然だ」
厳しい始皇帝から
優しい劉邦に統治者が代わって
民衆が喜んだ時と、ほぼ同じ心理です。
司馬懿や司馬昭なら、
そこまで計算してやってのける。
殆ど文句の付けようがないんですが
唯一、中正官の権限を拡大して
せっかくの九品官人法を
形骸化させてしまった事が
少し引っかかってしまいました。
これが無ければ、★9です。
・人格 ★★★★★★6
ムカつく相手に対しても柔らかな物腰、
感情を飼い慣らすことで
警戒心を起こさせないのが見事。
君子ではないけど、
君子を演じることはできるから
結果的に君子になり得るのです。
曹丕に対する忠義は本物っぽいですが、
曹爽一派だけでなく
王淩や曹彪まで皆殺しにしたり
公孫淵との一戦にて、
死体の山で塚を築く等しでかした
残忍さには、目を瞑ることはできません。
曹操の徐州虐殺と並ぶ
マイナスポイントです。
用兵と処世術と民政の達人ながら
猜疑心の強さから
必要以上に殺戮を繰り返した
狼顧の相の梟雄、司馬懿の本紀でした。
彼は果たして、魏王朝にとって
「忠臣」だったのでしょうか、
「逆臣」だったのでしょうか。
ここまでご覧いただき
ありがとうございました。
明日からはまた姉妹作品
「淡々史記」を更新いたします。




