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淡々晋書  作者: ンバ
第一、宣帝紀
70/313

おまけ、王隠晋書の司馬懿

おまけ。


王隠おういんの「晋書」の原文見つけたので

ついでに司馬懿のところ訳してみました。


短いのでこのページに全部載せちゃいます。


1.

宣皇帝,河內溫人。


(訳)

司馬懿は河内かだい郡温県の人である。


2.

魏武辟高祖,高祖以漢祚將終,不欲屈節於曹氏,辭以風痹不能起居。魏武遣親信令史,微服於高祖門外樹陰下息。時七月七日,高祖方曝書,令史竊知,還具以告,又乃重遣辟之。敕行者曰:「若復不動,便可收之。」


(訳)

曹操が司馬懿を招辟したが

司馬懿は漢の国祚が既に尽きたと考え

節を曲げて曹氏に仕えようとはせず

風痺のために起き上がれないとして

辞退した。


曹操が自ら信任していた令史を派遣し

微服(お忍び姿)にて(偵察させると)

司馬懿が門外の木陰のもとで

休息しているところに出くわした。


この日は七月七日で、司馬懿はちょうど

曝書ばくしょ(虫干し)をしており、

令史は仮病を窺い知ると

つぶさに曹操に報告し、

また何度も使いを遣って

司馬懿を招いた。


曹操は行者に勅して言った。

「もしまた司馬懿が応じなければ

ただちにひっ捕らえてしまえ」


3.

諸葛亮挑戰,冀獲曹咎之利。


(訳)

諸葛亮が戦いを挑んでくると

曹咎そうきゅうが獲えられた時のような

利をこいねがった。


4.

宣帝討公孫淵,至襄平,遂圍之。起土山地道,楯櫓鉤橦,發石雨下,晝迄攻之,斬傳其首。


(訳)

司馬懿は公孫淵こうそんえんの討伐に向かい

襄平じょうへいへ至ると、かくてこれを囲んだ。


盛り土をして坑道を掘り

楯櫓(大盾)、雲梯(はしご車)、

撞車(城壁を破壊する兵器)を繰り出し

矢石を雨のごとくに降り注がせ

昼夜に渡ってこれを攻め抜き

公孫淵の首を斬って送った。


5.

公孫平,又增封舞陽、昆陽、二縣。


(訳)

公孫淵を平定すると、また

舞陽ぶよう昆陽こんようの二県を加封された。


6.

宣帝既滅公孫淵,還,作榼兩口,二種酒,持著馬上,先飲佳酒,塞口而開毒酒口,與牛金飲而死


(訳)

司馬懿が公孫淵を滅ぼして帰還すると

両口の樽を作らせて二種類の酒を入れ、

司馬懿は馬上にてこれを持ち上げて見せ、

まず佳き酒の方を飲み、口を塞いで

毒酒の方の口を開けて牛金ぎゅうきんに与えた。

牛金はそのまま服毒死した。


7.

魏帝裛高平陵,曹爽兄弟皆從。高祖以爽執政不平,廢之,起奏事永寧宮。悉起營兵及城中餘眾,承制發武庫仗,開四門,出迎魏帝於洛濱,奏爽罪也。


(訳)

曹芳そうほう高平陵こうへいりょうを訪うと

曹爽そうそう兄弟はみな従った。


司馬懿は曹爽の執政に不平を抱き

これを廃そうと永寧宮えいねいきゅうに上奏した。


陣営の兵及び城中の余勢は悉く決起し

武器庫の兵器を取って発することを承制し

四門は開かれて、曹芳は洛濱らくひんに迎えられ

曹爽の罪状が上奏された。


8.

天子策命上為相國。


(訳)

曹芳は策命して

司馬懿を相国しょうこくと為した。


9.

今上受禪,追上尊號曰宣皇帝。


(訳)

司馬炎が禅譲を受けると

宣皇帝の尊号を追謚された。



(註釈)

毎回これくらい短いと楽なんだけど……



司馬懿の事績の三つの見所は


・諸葛亮戦

・公孫淵戦

・高平陵の乱


ですね、やはり。


目新しい情報は6だけです。

牛金が司馬懿に毒殺されたという。


この逸話はなぜカットされたんでしょう。



晋書は、5世紀──北魏の時代に書かれた

十六国春秋じゅうろっこくしゅんじゅう」という書物をモトに

7世紀に編纂された歴史書です。


著者がリアルタイムで近代史を綴っている

「三国志」や「漢書」とは異なり、

舞台となる五胡十六国時代から、

その史書が編纂されるまでに

2〜300年くらい間隔が空いてるために

信憑性に乏しい記述も必然的に

増してくるというものでしょう。


元ネタを漁ってみようにも、

この十六国春秋、北宋の時代に

散逸されてしまったらしく、

現在残っている文は、

再編纂されたものらしいです。


房玄齢ぼうげんれいらが、元ネタから

どこをどう取捨選択して

「晋書」を創っていったのか、

もはや、誰にもわかりません。


読みたかった……

原文を読みたかった……


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