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淡々晋書  作者: ンバ
第一、宣帝紀
39/313

三十八、曹叡の唐突な死

38.

初,帝至襄平,夢天子枕其膝,曰:「視吾面。」俛視有異於常,心惡之。先是,詔帝便道鎮關中;及次白屋,有詔召帝,三日之間,詔書五至。手詔曰:「間側息望到,到便直排閤入,視吾面。」帝大遽,乃乘追鋒車晝夜兼行,自白屋四百餘里,一宿而至。引入嘉福殿臥內,升御牀。帝流涕問疾,天子執帝手,目齊王曰:「以後事相託。死乃復可忍,吾忍死待君,得相見,無所復恨矣。」與大將軍曹爽並受遺詔輔少主。


(訳)

宣帝が襄平じょうへいに至った当初、

天子(曹叡)が自分の膝を

枕にしている夢を見た。


天子は「吾に面を視せよ」と言い

俯いて視てみると、

普段とは様子が異なっていたため

宣帝は内心で、この夢が

凶報ではないかと考えた。


これより以前、天子は

宣帝に便道(まっすぐ帰って)して

関中を鎮撫するように

詔勅を下していた。


白屋はくやに宿営するに及んで

宣帝を召還する目的の詔勅があり、

三日間の間に詔書が五度至った。


天子が手ずから詔して言うには


「この頃は息も絶えかけて、

そなたが到るのを待ち望んでいる。


到着したら、すぐに

直接排門から入り、吾に面を視せてくれ」


宣帝は大慌てし、

そこで追鋒車ついほうしゃに乗って昼夜兼行し

白屋からの四百里余りを

一宿で走破して(洛陽へ)至った。


嘉福殿の寝室の内へ引き込まれ

天子の寝台へと升った。


宣帝が涙を流して

病疾について問うと、

天子は宣帝の手を取り

斉王(曹芳)を目して言った。


「後事を君に託す。


死はまた耐え忍ぶ事ができる、

吾は、死を忍んで君を待っていた。


こうして君と見えられたからには

もはや何の悔いもない」


大将軍の曹爽そうそうとともに並んで

幼主を補佐するよう遺詔を受けた。



(註釈)

凱旋の途上で、曹叡の夢を見た司馬懿。

夢の中の曹叡は

「普段と様子が違っていた」そうですが

ここ、なんかゾワっとしました。


これは凶夢であり、

司馬懿が遼東に遠征してる間に

曹叡は危篤に陥っていたのです。


司馬懿この頃60歳。

に対して曹叡はまだ30代なんですが

まさかこんなに早くお迎えが来るとは。



「死乃復可忍」の訳ですが、

この場合の「可」ってどっちだろう。


死すらもまた忍ぶことができる。

(死にそうだけど、司馬懿が来るまで

なんとか耐えていたんだよ)


②死はまた忍ぶべきだ。

(生物の死ばかりはどうしようもないんだ)



①で訳したけど、②のが妥当かな……?




跡継ぎの曹芳そうほう、この時わずか8歳。

曹叡の子は殆ど夭折しており、

親族から養子を取ったのが曹芳だとか。


司馬懿とともに後を託された曹爽そうそうは、

かつての大将軍、曹真そうしんの息子です。


8歳の子に任せるくらいなら、

跡継ぎ、曹宇そううで良くない?

この時恐らく35〜40歳くらいでしょうし

素行に問題点も見当たらない、

かつ曹操の子なので、血統的にも文句なし。


曹真は、曹丕とは兄弟同然の間柄で、

諸葛亮の北伐を阻み、

部下にもとっても優しい

実に立派な人格者でしたが、

子の曹爽は、主君が幼いのをいいことに

増長するようなタイプの人間であり

司馬懿との間に溝ができていきます。


三国志演義では

親子共々司馬懿の足を引っ張る

アホウのように描かれており、

曹真は諸葛亮の手紙(挑発目的)を読んで

憤死してしまうなど、

かなり割りを食っています。




三國志11の能力査定


     曹真  曹爽 夏侯惇(参考)

統率   87  39  89

武力   74  33  90

知力   68  30  58

政治   72  66  70

魅力   88  51  81

合計  389 219 388


曹真も三國志Ⅵくらいまでは

凡将でしたが、徐々に再評価され

一流の水準になりました。

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