表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々晋書  作者: ンバ
第一、宣帝紀
2/313

一、司馬氏の系譜

晋の宣皇帝せんこうていは、すなわち司馬懿しばい

あざなを仲達ちゅうたつです。


曹操そうそう(155〜220)

曹丕そうひ(在位220〜226)

曹叡そうえい(在位226〜239)

曹芳そうほう(在位239〜254)

と、魏の4代に渡って仕えた重臣ですが

その晩年にクーデターを起こして

権力を手中にします。


三国志演義では、諸葛孔明しょかつこうめい

最大のライバルとして登場し、

蜀の掲げた「漢王朝再興」の悲願は、

コイツさえいなければ成就していたのに!

と思わせられるような、

憎らしい程に優秀な

敵役として描かれております。


司馬懿の本紀を紐解けば、

「諸葛亮の北伐」を、魏側の視点から

考察することが出来るだけでなく

魏の一臣下に過ぎなかった司馬家が

どのように権力を握っていったかを

詳細に知ることができます。


このへんは五胡十六国時代ではなく

まだ三国時代の範囲なので

そこそこ語れる……と思います。


それでは読んでいきましょう。


1.

宣皇帝諱懿,字仲達,河內溫縣孝敬里人,姓司馬氏。其先出自帝高陽之子重黎,為夏官祝融。歷唐、虞、夏、商,世序其職。及周,以夏官為司馬。其後程伯休父,周宣王時,以世官克平徐方,錫以官族,因而為氏。楚漢間,司馬卬為趙將,與諸侯伐秦。秦亡,立為殷王,都河內。漢以其地為郡,子孫遂家焉。自卬八世,生征西將軍鈞,字叔平。鈞生豫章太守量,字公度。量生潁川太守儁,字元異。儁生京兆尹防,字建公。帝即防之第二子也。少有奇節,聰朗多大略,博學洽聞,伏膺儒教。漢末大亂,常慨然有憂天下心。南陽太守同郡楊俊名知人,見帝,未弱冠,以為非常之器。尚書清河崔琰與帝兄朗善,亦謂朗曰:「君弟聰亮明允,剛斷英特,非子所及也。」


(訳)

宣皇帝は諱を、字を仲達ちゅうたつといい、

河内かだい郡温県孝敬里(こうけいり)の人であり、

姓は司馬氏である。


その祖先は高陽の子の重黎ちょうれいから出ており、

重黎は夏官(軍政担当)の祝融しゅくゆうとなった。

とうしょうの時代を経て

代々その職を受け継いだ。


周代に及んで、夏官は「司馬」と為された。

その後、程伯休父ていはくきゅうほが周の宣王の時代に

代々受け継いだ司馬の官を以って

徐州方面を平定し、一門は官名を賜って

それに因んで「司馬」氏となった。


楚漢そかん戦争の間、司馬卬しばごうが趙将となり

諸将とともに秦国を伐った。

秦が亡ぶと、司馬卬はいん王として立ち

都は河内に置かれた。

漢は河内を郡と為し、

司馬の子孫はそのまま河内に居住した。


司馬卬の八世代あとに

征西将軍の司馬鈞しばきんが生まれた。

司馬鈞は、字を叔平しゅくへいという。

司馬鈞は豫章太守の司馬量しばりょうを生み、

司馬量は字を公度こうどといった。

司馬量は潁川太守の司馬儁しばしゅんを生み、

司馬儁は字を元異げんいといった。

司馬儁は京兆尹けいちょういん司馬防しばぼうを生み、

司馬防は字を建公けんこうといった。

宣皇帝は即ち、司馬防の第二子である。


若くして奇特なる節操を有し、

聡明にして朗らか、大略多く、

博学多聞で儒教に傾倒していた。

後漢末期に大乱が起こると、

宣帝はいつも天下を憂いて慨嘆がいたんした。


南陽太守で同郡(河内出身)の楊俊ようしゅん

人物評価で名を知られており、

二十歳に満たない宣帝に見え、

非常の器であると考えた。


尚書で、清河せいが出身の崔琰さいえん

宣帝の兄の司馬朗しばろうと仲が良く、

いつも司馬朗に謂っていた。


「君の弟は誠に聡明、かつ剛毅果断、

実に優秀な人物であるな。

君の及ぶところではないぞ」




(註釈)

代々武官の司馬家。

手柄を立てるうちに官職名を賜り、

「司馬」を名乗るようになりました。


漫画「キングダム」に

李牧りぼくという名将が出てきますが、

彼と一緒に戦った司馬尚しばしょうの子が

司馬卬しばごうです。


彼らが司馬懿の先祖に当たります。



司馬懿は8人兄弟、みんな優秀で

あざなに「達」がついていたため

「司馬の八達」と呼ばれていました。


司馬懿の兄の司馬朗しばろうは8つ年上で、

孫権との戦いで、軍に病気が蔓延するなか

兵士たちを看病していたら、

自分が病死してしまったそうな。


年子の弟で、三男の司馬孚しばふ

93歳という超長寿です。



他の5人あんまよく知らない……(がんばれよ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ