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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
179/313

百二十四・百二十五、石虎といっしょ/及慈雨

124.

勒如鄴,臨石季龍第,謂之曰:「功力不可並興,待宮殿成後,當為王起第,勿以卑小悒悒也。」季龍免冠拜謝,勒曰:「與王共有天下,何所謝也!」有流星大如象,尾足蛇形,自北極西南流五十餘丈,光明燭地,墜於河,聲聞九百餘里。黑龍見鄴井中,勒觀龍有喜色。朝其群臣於鄴。

(訳)

石勒はぎょうき、

石虎のやしきに臨むと、このように言った。


「功力は並立できない、

宮殿の完成を待った後で

王の為に第を建てようと考えているので

卑小な事に怏々とせぬようにな」


石虎が冠を脱いで拝謝すると

石勒は言った。


「王と共に天下を有しているのに

どうして謝する事があろう!」


流星が有り、大きさは象の如くで

尾足は蛇の形をしており

北極から西南へ流れる事五十余丈、

光明は地に煌めき、河へと墜ちた音が

九百里余りに聞こえた。


鄴の井戸の中に黒龍が見られ、

石勒は龍を観て喜色を浮かべた。

鄴にてその群臣が参朝した。


(註釈)


石勒

「季龍ごめんな、

お前の働きはよく分かってる。

宮殿作ったらお前の屋敷建てるからな。

つまらん事でイライラすんなよ」


石虎

「あ……あざぁぁぁーっす!」


石勒

「おいおい、俺はお前と

天下取ったようなもんじゃん。

むしろ感謝したいのは俺の方だよ」



悶々とする石虎を慰撫する石勒。

やはり、石虎を消すつもりは

毛頭ないようです。


石虎の戦力がなきゃ

絶対中原制覇できてないし、

胡族流で結果を出してる彼を

殺しちゃったら、

石勒のアイデンティティ

全否定するようなもんだからね。



そのあとド派手な流星群。


井戸の中に黒龍が現れた。


石勒と石虎はあざなに

「龍」が入ってるし、

後趙は水徳の王朝だから

とても縁起がいい。


てゆーかこれ、石勒の後釜は

結局石虎になるって瑞祥だよね。


125.

命郡國立學官,每郡置博士祭酒二人,弟子百五十人,三考修成,顯升台府。於是擢拜太學生五人為佐著作郎,錄述時事。時大旱,勒親臨廷尉錄囚徒,五歲刑已下皆輕決遣之,重者賜酒食,聽沐浴,一須秋論。還未及宮,澍雨大降。

(訳)

郡国に命じて学官を立て、

郡ごとに博士祭酒を二人、

弟子を百五十人置き、

三孝を修成させ、

優秀な者は台府へのぼらせた。


ここにおいて太学の生徒五人を

抜擢し、拝して佐著作郎さちょさくろうとして

時事を記録させた。


この時は大変な旱であり、

石勒自らが廷尉のもとへ赴いて

囚徒を取り締まり、

五年以下の刑の者は、全員

軽い判決として釈放してやり、

重罪人には酒食を下賜して

沐浴を聴き入れ、一旦秋を須って論結した。


宮殿まで帰還せぬうちに

澍雨(恩沢の雨)が大層降り注いだ。


(註釈)

学業奨励。


日照りが続いたので

罪人たちに恩赦を施したら

嬉し涙雨が降った。


いよいよあと3回!

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