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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
177/313

百二十一、寒食、陰気、介子推

121.

暴風大雨,震電建德殿端門、襄國市西門,殺五人。雹起西河介山,大如雞子,平地三尺,洿下丈餘,行人禽獸死者萬數,曆太原、樂平、武鄉、趙郡、廣平、钜鹿千餘里,樹木摧折,禾稼蕩然。勒正服於東堂,以問徐光曰:「歷代已來有斯災幾也?」光對曰:「周、漢、魏、晉皆有之,雖天地之常事,然明主未始不為變,所以敬天之怒也。去年禁寒食,介推,帝鄉之神也,歷代所尊,或者以為未宜替也。一人籲嗟,王道尚為之虧,況群神怨憾而不怒動上帝乎!縱不能令天下同爾,介山左右,晉文之所封也,宜任百姓奉之。」勒下書曰:「寒食既并州之舊風,朕生其俗,不能異也。前者外議以子推諸侯之臣,王者不應為忌,故從其議,倘或由之而致斯災乎!子推雖朕鄉之神,非法食者亦不得亂也,尚書其促檢舊典定議以聞。」有司奏以子推歷代攸尊,請普復寒食,更為植嘉樹,立祠堂,給戶奉祀。勒黃門郎韋謏駁曰:「案《春秋》,藏冰失道,陰氣發洩為雹。自子推已前,雹者復何所致?此自陰陽乖錯所為耳。且子推賢者,曷為暴害如此!求之冥趣,必不然矣。今雖為冰室,懼所藏之冰不在固陰沍寒之地,多皆山川之側,氣泄為雹也。以子推忠賢,令綿、介之間奉之為允,於天下則不通矣。」勒從之。於是遷冰室于重陰凝寒之所,并州復寒食如初。

(註釈)

暴風・大雨が起こり、

震電(稲妻)が建徳殿の瑞門、

襄国市の西門へ落ち、五人が死傷した。


雹が西河の介山に起こり

大きさは雞子(卵か雛)の如くで

平地に三尺、洿下に一丈余、

通行人・禽獣の死者は万を数えた。


太原たいげん楽平がくへい武郷ぶきょう趙郡ちょうぐん広平こうへい鉅鹿きょろく

千余里で樹木はへし折られ、

禾稼かか(穀物)は蕩然(全部ダメ)となった。


石勒は東堂にて服装を正し、

徐光じょこうへ問うて言った。


「歴代以来、斯様な災禍は如何程有った?」


徐光は答えて言った。


「周・漢・魏・晋、いずれにも起こりました。


(厄災は)天地の常なる事と雖も、

明主が変事を為さねば始まらず、

敬愛する上天の怒れる所であります。


去年、寒食を禁じられましたが

介推(介子推かいしすい)は

陛下のご郷里の神にございまして

歴代の尊崇する所で、

(風習を)替えるべきでなかったと

考えている者もおります。


一人の籲嗟(ため息)すら

王道をなお虧損けいそんさせますのに

況してや、神々の怨恨ならば

上帝を怒動させずにおれましょうか。


たとえ天下をかくも同一に出来ずとも

介山の左右は、晋の文公が

彼(介子推)を封じた場所でして

宜しく百姓にこれを奉らせるべきかと」


石勒は書を下して述べた。


「寒食は既に并州の旧い風習であり、

朕はその俗習を生きてきたので

違える事はできないのだ。


以前の外議では、

子推は諸侯の臣であり

王者がその禁忌に

応ずるものでないとされたために

その議に従ったのであるが、

或いはこの事が理由で

斯様な災厄が起こったのではなかろうか!


子推は朕の郷里の神と雖も

食にのっとらずしてまた乱れ得まい。


尚書はその旧典を検査して

議論を定め、上聞するように」


有司は、子推が

歴代の尊崇を集める事を以て

普く寒食の再開を要請し、

新たに嘉き樹木を植え、祠堂を立て、

戸を供給し、祭祀を奉じた。


石勒の黄門郎である

韋謏いしょうが反駁して述べた。


「『春秋』を勘案しますと

藏冰(蔵氷)が道を失い、

陰の気が洩れ出る事で雹と為るとか。


介子推以前の雹はまた

何の致す所だというのでしょう。

(介子推の怒りで雹が降るというなら、

介子推より前の時代に

雹が降ってるのはおかしいじゃないか)


これは、陰陽(の気)の乖離から

起きた事に過ぎぬのです。


かつ、介子推は賢者であり

どうしてかくの如き暴害を為しましょう。


これを冥趣(神々、冥界?)に

求める事は絶対に間違っております。


今、氷室が為されたと申せど

恐らくは、所蔵した氷が

陰気の固まる沍寒ごかんの地になく

多くは全て山川の側であるため

気がれて雹となったのでしょう。


介子推の忠賢を以て

綿上・介山の間に彼を奉らせて

まことを為し、天下に於いては則ち

行き渡らせてはなりません」


石勒はこれに従った。


こうして氷室は

重ねて陰気の凝集している

寒冷の地へと遷され、

并州では当初の如く寒食が復活した。


(註釈)

介子推は晋の文公の臣下、

そのうち淡々史記でも触れるでしょう。


「雞子」って何か調べてみたら

「睾丸」……?


んなバカな、

雞がニワトリなので、

タマゴかヒヨコのことと思われます。


それくらいのサイズの雹が降り

通行人や家畜に多くの死傷者が出、

各地の樹木はなぎ倒され

作物が全滅するという天変地異。


石勒が原因を問えば

并州の神格である

介子推を敬うための「寒食」を

廃止しちゃったからではないのかと。


黄門郎は

「介子推のせいではなくて

氷室を陰気の集まる場所に

配置しないのが悪い」と反論。


氷室って京介かな(混乱


なんやかんやあって

寒食も復活しました。


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