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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
173/313

百十六、鄴に宮殿造りたい!!

116.

勒將營鄴宮,廷尉續咸上書切諫。勒大怒,曰:「不斬此老臣。朕宮不得成也!」敕御史收之。中書令徐光進曰:「陛下天資聰睿,超邁唐虞,而更不欲聞忠臣之言,豈夏癸、商辛之君邪?其言可用用之,不可用故當容之,奈何一旦以直言而斬列卿乎!」勒歎曰:「為人君不得自專如是!豈不識此言之忠乎?向戲之爾。人家有百匹資,尚欲市別宅,況有天下之富,萬乘之尊乎!終當繕之耳。且敕停作,成吾直臣之氣也。」因賜咸絹百匹,稻百斛。又下書令公卿百僚歲薦賢良、方正、直言、秀異、至孝、廉清各一人,答策上第者拜議郎,中第中郎,下第郎中。其舉人得遞相薦引,廣招賢之路。起明堂、辟雍、靈台于襄國城西。時大雨霖,中山西北暴水,流漂巨木百餘萬根,集于堂陽。勒大悅,謂公卿曰:「諸卿知不?此非為災也,天意欲吾營鄴都耳。」於是令少府任汪、都水使者張漸等監營鄴宮,勒親授規模。

(訳)

石勒がぎょうに宮殿を造営しようとすると

廷尉ていい続咸ぞくかんが上書して痛切に諌めた。


石勒は大いに怒り、言った。


「この老臣を斬らねば

朕の宮殿が成就せぬ!」


詔勅により御史ぎょしに彼を逮捕させると

中書令の徐光じょこうが進み出て述べた。


「陛下の天与の資質は聡睿であられ

唐虞とうぐを超邁しておられますが

改めて忠臣の言葉をお聞きにならず、

どうして※夏癸、商辛の君のように

なさるのですか。


(※尭舜)

(※夏の桀王、殷の紂王)


その進言が用いるべきであれば

これを用い、用いるべきでなければ

それ故にこれを容赦すべきで、

どうして一旦の直言を以て

列卿を斬られるのですか!」


石勒は歎息して言った。


「人君が為す事とは、かくの如くに

自らが専らとしてはならぬのだな。


どうして彼(続咸)の言葉の

忠義を識らずにおれよう。


先の事は戯れにすぎぬ。


人家すら百匹の資産が有れば

なお別宅を購入しようとするのに、

況してや、天下の富や万乗の尊貴が

有るとなれば、尚更だな。


最終的にはこれ(鄴の宮殿)を

修繕するつもりであるが、

一旦は勅語により作成を停止させ

我が直言の臣の気概を

成就させてやるとしよう」


こうして続咸に絹百匹と

稲百斛が下賜された。


一方で公卿・百僚に書を下して

毎年、賢良けんりょう方正ほうせい直言ちょくげん秀異しゅうい

至孝しこう廉清れんせいを各一名推薦するよう命じ、

※答策で、上位に及第した者は議郎ぎろうに、

(※政治や経済の問題を作り、応答させる)

中位に及第した者は中郎ちゅうろうに、

下位に及第した者は郎中ろうちゅうに拝した。


それらを推挙した人物は

だんだん互いに推薦や

招引ができるようになり

賢人を招く道が広がった。


明堂、辟雍、霊台を

襄国城の西に起こした。


この時、大変な霖雨により

中山の西北で水が氾濫し、

流されてきた百余万根の巨木が

堂陽へと集まった。


石勒は大喜びして、こう言った。


「諸卿にはわからんのか?

これは災害ではない、

天の意思が吾に鄴都を

造営させんとしているのだ」


こうして少府の任汪じんおう

都水使者の張漸ちょうぜんらに命じて

鄴宮の造営を監督させ、

石勒自らは規模を授けた

(工程についての指示を出した)。


(註釈)

科挙の先取りっぽい事もやってる。

さすが俺たちの石勒さん!!!!

(すっかり大ファン)


徐光は一時期こそ煙たがられてましたが

随所で的確なアドバイスしますね。


でも石虎の代になった途端

秒で殺されちゃうのがなぁ……。


宮殿の造営はいったん

寝かせようとしたおりに

長雨が降り、流木が

わんさか集まった。


大雨のたびに何か

新しい建物作ってそうな石勒さんであった。

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