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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
162/313

九十七・九十八、鄴の統治者

97.

勒既將營鄴宮,又欲以其世子弘為鎮,密與程遐謀之。石季龍自以勳效之重,仗鄴為基,雅無去意。及修構三台,遷其家室,季龍深恨遐,遣左右數十人夜入遐宅,奸其妻女,掠衣物而去。勒以弘鎮鄴,配禁兵萬人,車騎所統五十四營悉配之,以驍騎領門臣祭酒王陽專統六夷以輔之。

(訳)

石勒は鄴に宮殿を築き、

また、世子の石弘せきこう

鎮撫をさせようと考えており、

程遐ていかとこの謀について密談した。


石虎は自らの勲功が

重きを為していると考えており、

鄴に拠りて基盤を為していたので

もとから去る気などはなかった。


三台が修築されるに及んで

その家室は遷されてしまい、

この事で程遐を深く恨んだ石虎は

左右の数十人を

夜に程遐の邸宅に侵入させて

彼の妻や娘に乱暴を働かせ、

彼らは衣服や貨物を掠め取って去って行った。


石勒は石弘に鄴を鎮撫させようと

禁兵一万人を配備し、

車騎の統領していた

五十四の陣営も悉く彼に配属させ、

驍騎将軍・領門臣祭酒の王陽おうよう

六夷の総統を専任させた上で

石弘の補佐役とした。


(註釈)

首都は襄国、副都は鄴という

二頭体制を敷こうと考えている石勒。

周意識してんのかな?


後継ぎの石弘に鄴の統治を

任せようとしますが、

鄴には戦功ナンバーワンの石虎がいます。

当然、出て行こうとしません。


石弘のおじに当たる程遐は

石虎の意向など無視して

ちゃちゃっと準備を進めてしまい、

ぶっち切れた石虎は暗い報復に出ます。


「遣左右數十人夜入遐宅,奸其妻女,掠衣物而去」


「奸」は「姦」なので、

信頼できる配下に命じて程遐の妻や娘を

レイプさせたことになります。

こいつはひでぇや。


石勒も、石虎の強さをアテにしてるので

強く怒れないところがあるんでしょうが、

ものすごい爆弾を抱えてしまったもんです。


石虎は、クローズの最終版に出てくる

九頭神竜男のイメージです。

誰もがひれ伏すほど強いんだけど、

人の上に立つ者としては……って感じで、

兄貴から後継者に指名されなかった。


五胡十六国から南北朝時代まで

能力と人間性が反比例している奴が

多いような気がします。


98.

石聰攻壽春,不克,遂寇逡遒、阜陵,殺掠五千餘人,京師大震。


(訳)

石聡が寿春じゅしゅんを攻めたが勝利できず

かくて逡遒しゅんしゅう阜陵ふりょうへ侵攻し

五千人を殺害・掠奪した。


京師は大いに震え上がった。


(註釈)

京師大震て、震撼した……

じゃなくて、地震のことかな??

標点の打ち方的にたぶん前者。


洛陽は既に落ちてるので

この場合の京師は建康けんこう建業けんぎょう)だと思われます。


西晋の最終皇帝・司馬鄴しばぎょうの避諱で

建業から建康に改称されました。

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