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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
153/313

八十二、疎まれた右侯

82.

清河張披為程遐長史,遐甚委昵之,張賓舉為別駕,引參政事。遐疾披去己,又惡賓之權盛。勒世子弘,即遐之甥也,自以有援,欲收威重於朝,乃使弘之母譖之曰:「張披與張賓為遊俠,門客日百餘乘,物望皆歸之,非社稷之利也,宜除披以便國家。」勒然之。至是,披取急召不時至,因此遂殺之。賓知遐之間己,遂弗敢請。無幾,以遐為右長史,總執朝政,自是朝臣莫不震懼,赴于程氏矣。


(訳)

清河の張披が程遐の長史となり

程遐は仕事を委ねるほど

甚だ彼となじんでいた。

張賓の推挙で別駕べつがとなり、

招引されて政治に参画した。


程遐は張披が自分のもとを

去っていったことを嫉悪し、

一方で張賓の権勢が

旺盛である事をもにくんでいた。


石勒の世子の石弘は即ち程遐の甥であり

(程遐の妹が石勒に嫁いでいた)

自らが後ろ盾となって

朝廷の権威や重役を手に入れようと

考えており、そこで石弘の母(妹)に

うったえさせて述べた。


「張披と張賓は遊侠となり

一門の客分は日に百余乗、

望んだ物はすべてこれに帰しておりますが

これは社稷の利とはなりません。


宜しく張披を除き去り

国家の利便を図るべきです」


石勒は程氏(程遐)の意見を尤もだと考えた。


ここに至り、張披を取らんと

緊急の召集がかけられたが、

張披はすぐにやって来ず

この事に因り遂には殺されてしまった。


張賓は、程遐が自身に

離間を仕掛けたものだと悟り、

結局敢えて申し出ようとはしなかった。


幾許もなくして程遐が右長史となると

朝政の総てを一手に担い、

この事から朝臣で震え懼れぬ者はなく

みな程氏のもとへ走ったのであった。


(註釈)

石勒陣営もいまや中原の最大勢力。

権力の座を狙う悪鬼が出てきても

ちーっともおかしくない。


陣営の筆頭文官というと

もちろん張賓ちょうひんですが、

彼の権威を憚った外戚の程遐が

追い落としを画策。


自分が可愛がっていた張披が

張賓に引き抜かれたのも

彼の憎悪に拍車をかけました。


張賓は全てを悟ったうえで

やり返さないからえらいなぁ。


石勒載記には書かれていませんが、

張賓がこの頃に病死しており

それ故に程遐が筆頭になったのでした。


石勒は張賓の死をかなしみ、


「天は私に事業を成させないつもりか。

なぜこんなにも早く、私から

右侯を奪っていったのだ!」


と叫んだといいます。


石勒の場合、頼りのブレーンを失っても

そこまで自分を見失わないのが

またすごいところです。


管仲失った桓公や

王猛失った苻堅などは

けっこう悲惨な末路を辿っています。

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