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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
148/313

七十四・七十五、続・祖逖襲来/ちゃんと造りなさい!

74.

時晉征北將軍祖逖據譙,將平中原。逖善於撫納,自河以南多背勒歸順。勒憚之,不敢為寇,乃下書曰:「祖逖屢為邊患。逖,北州士望也,儻有首丘之思。其下幽州,修祖氏墳墓,為置守塚二家。冀逖如趙他感恩,輟其寇暴。」逖聞之甚悅,遣參軍王愉使於勒,贈以方物,修結和好。勒厚賓其使,遣左常侍董樹報聘,以馬百匹、金五十斤答之。自是兗豫乂安,人得休息矣。


(訳)

この時、晋の征北せいほく将軍祖逖(そてき)しょうに據り

中原を平らげようとしていた。


祖逖は人々をよく慰撫して受け入れたので

黄河以南の多くは、石勒に背いて

東晋側に帰順してしまった。


石勒はこれを憚り、

敢えて侵攻しようとはせず、

かくて書を下して述べた。


「祖逖はたびたび辺境で患禍を為している。


祖逖は北州の士族で人望があり、あるいは

懐郷の念を抱いておるのやもしれん。


幽州に命を下して

祖氏の墳墓を修築し

墓守を二家配置させよう。


こいねがわくば、祖逖には

趙佗ちょうたが恩に感じ入ったように

乱暴をめてほしいものだ」


祖逖はこれを聞いて甚だ悦び、

参軍の王愉を石勒への使者に遣わして

方物を贈り、友好を結んだ。


石勒はその使者を手厚くもてなすと

左常侍の董樹とうじゅを返報の礼に遣わし

馬百匹、金五十斤を祖逖側に贈答した。


これ以来、兗州・豫州は

乂安がいあん(おさまること)し、

人々は休息する事がかなったのである。


(註釈)


苟晞や王浚や段部戦など

ノーアウト満塁のピンチの場面でも

直球で乗り切ってきた石勒ですが、

祖逖そてきには敬遠策。

それほど怖い相手です。


祖逖が故郷の奪還に燃えているのを察して

その墳墓をきちんと修築して

怒りの矛先を逸らそうとします。



75.

從事中郎劉奧坐營建德殿井木斜縮,斬於殿中。勒悔之,贈太常。


(訳)

従事中郎の劉奥りゅうおうが建徳殿を造営したが

天井の木材が斜めになっていて

減縮していたため、殿中で斬られてしまった。


石勒はこれを後悔し、

劉奥に太常たいじょうを追贈した。


(註釈)

癇癪が結局治ってない石勒。

門が崩れた時も責任者殺してたし、

建築関係には神経過敏になる。


殺しちゃった後で反省して

官職追贈するところまでワンセンテンス。

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