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淡々晋書  作者: ンバ
第百五、石勒載記下
145/313

六十九、禁句を言っちゃあ…

69.

徙朝臣掾屬已上士族者三百戶于襄國崇仁裏,置公族大夫以領之。勒宮殿及諸門始就,制法令甚嚴,諱胡尤峻。有醉胡乘馬突入止車門,勒大怒,謂宮門小執法馮翥曰:「夫人君為令,尚望威行天下,況宮闕之間乎!向馳馬入門為是何人,而不彈白邪?」翥惶懼忘諱,對曰:「向有醉胡乘馬馳入,甚呵禦之,而不可與語。」勒笑曰:「胡人正自難與言。」恕而不罪。


(訳)

朝臣で掾屬以上の士族の三百戸を

襄国の崇仁裏すうじんりに移し、

公族大夫を置いてこれを統領させた。


石勒は宮殿及び諸門に着手すると

制度や法令をいっそう厳しくし、

「胡」の字をむ事が最も峻厳であった。


酔った胡族が馬に乗って

止車門に突入してしまった事があった。

石勒は大いに怒り、

宮門小執法きゅうもんしょうしっぽう馮翥ふうしょにこう言った。


「そもそも人君が令を為すのは

なお天下に威光を行き渡らせるのを

望まんがため。

況してや、宮闕の間なら尚更だろう!


馬を馳せて門に入ったのは

何人(何者)だ?

糾弾はせぬから、白状せよ!」


馮翥は恐惶して

諱のことを忘れてしまい、

対してこう答えた。


「酔っ払った胡人(・・)

馬を馳せて入ってきまして、

大いに呵叱して

これを禦ごうとしたのですが、

ともに語る事ができませんでした

(言葉が通じなかった)」


石勒は笑って言った。


「なるほど、胡人(・・)なら自ずと

言葉をかけるのは難しいな」


馮翥の事を大目に見て

罪には問わなかった。



(註釈)

趙国において「胡」は禁句です。

胡遵や胡烈のような

「胡」姓の人はどう呼べばいいのかな?


つくづく、石勒の

胡族コンプレックスがひどい。


これをついうっかり

口にしてしまった門番の人に対し、

また癇癪が発動するかと思いきや

温情を施しました。


王になってから、一生けんめい

寛大になろうとしているイメージ。

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