六十七・六十八、礼楽整備/懲りない男
67.
勒始制軒懸之樂,八佾之舞,為金根大輅,黃屋左纛,天子車旗,禮樂備矣。
(訳)
石勒は軒懸の楽、
八佾の舞の制度を始め、
金根大輅,黄屋左纛,天子車旗を為し
礼楽を備えた。
(註釈)
石勒は天子の格式にすごくこだわっている。
出自のコンプレックス凄いんだろうな……。
でもそういった反骨精神が
ゾンビなみの生命力と
無尽蔵の覇気に繋がっているんじゃないかな。
68.
使石季龍率步騎四萬討徐龕,龕遣長史劉霄詣勒乞降,送妻子為質,納之。時蔡豹屯於譙城,季龍攻豹,豹夜遁,季龍引軍城封丘而旋。
(訳)
石虎に歩兵騎兵四万を統率させて
徐龕の討伐に当たらせると、
徐龕は長史の劉霄を遣わして
石勒に降伏を申し入れ
妻子を人質として送ってきたので
石勒はこれを納れた。
この時、蔡豹が譙城に駐屯しており
そこで石虎が蔡豹を攻めると
夜間に遁走していった。
石虎は城内の軍を引き連れて
封丘へと凱旋した。
(註釈)
石勒
「徐龕殺してこい」
石虎
「妻子を人質に出してきましたけど」
石勒
「ならもうさすがに寝返らんかな?
わかった、降伏を認めよう」
石虎
「徐龕が寝返りました」
石勒
「やっぱ殺しときゃよかった」
こういうやつです。
段文鴦だっけ段匹磾だっけ、
も、妻子捨てて逃げてたっけな。




