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淡々晋書  作者: ンバ
第百四、石勒載記上
136/313

五十五、帝王の起こりにどうしてまた常あらんや

55.

劉曜又遣其使人郭汜等持節署勒太宰,領大將軍,進爵趙王,增封七郡,幷前二十郡,出入警蹕,冕十有二旒,乘金根車,駕六馬,如曹公輔漢故事,夫人為王后,世子為王太子。勒舍人曹平樂因使留仕於曜,言於曜曰:「大司馬遣王脩等來,外表至虔,內覘大駕強弱,謀待脩之返,將輕襲乘輿。」時曜勢實殘弊,懼脩宣之。曜大怒,追汜等還,斬脩于粟邑,停太宰之授。劉茂逃歸,言王脩死故,勒大怒,誅平樂三族,贈脩太常。又知停殊禮之授,怒甚,下令曰:「孤兄弟之奉劉家,人臣之道過矣,若微孤兄弟,豈能南面稱朕哉!根基旣立,便欲相圖。天不助惡,使假手靳準。孤惟事君之體當資舜求瞽瞍之義,故復推崇令主,齊好如初,何圖長惡不悛,殺奉誠之使。帝王之起,復何常邪!趙王、趙帝,孤自取之,名號大小,豈其所節邪!」於是置太醫、尚方、御府諸令,命參軍鼂讚成正陽門。俄而門崩,勒大怒,斬讚。旣怒刑倉卒,尋亦悔之,賜以棺服,贈大鴻臚。


(訳)

劉曜はまた

使者の郭汜かくしらに節を持たせて派遣して

石勒を太宰・領大將軍に署し、

爵位を趙王に進封させると、七郡を増封し、

以前と併せて(食邑は)二十郡となった。


石勒の出入には

警蹕けいひつ(先払い・警護)が付けられ、

冕旒べんりゅうは十二とし

冕冠べんかんに玉飾りが十二個?)

六頭立ての金根車に乗り、

曹操が漢を輔翼した故事の如くとし、

石勒の夫人を「王后」、

世子を「王太子」と為した。


石勒の舎人の曹平楽そうへいがく

使者として遣わされたまま

劉曜のもとに留まって仕えており、

劉曜に対してこのように述べた。


「大司馬(石勒)の遣わした王修おうしゅうらが来たり

表向きは敬虔としておりますが、

内は大駕(劉曜)の強弱をうかがっており、

王修が帰ってくるのを待ってから

剽軽にも乗輿じょうよを襲撃せんと目論んでおるのです」


この時、劉曜の勢力は実際に疲弊しており

王修が戻って、このことを

石勒に報告する事を懼れた。


(石勒に二心ありと聞いて)

劉曜は大いに怒り、

郭汜らに帰りを追わせて

粟邑ぞくゆうにて王修を斬り

太宰の授任も取りやめてしまった。


(生き延びて)逃げ帰った劉茂りゅうも

王修が殺された経緯を伝えると

石勒は激怒し、曹平楽の三族を誅滅して

王修に太常たいじょうの位を追贈した。


また、殊礼しゅれいの任官も

取りやめになったことを知ると

石勒は怒りを爆発させ、

下々に命を下して述べた。


わたしら兄弟は劉家を奉戴し

人臣の道を過ぎる程

(功を立てて尽くしてきた)であり

もし、我ら兄弟がいなければ

どうして南面して『朕』だなどと

称していられようか!!!!


(それなのに)国家の基盤が既に

出来上がったからと言って

たちまちに図ろうと

(私を殺そうと)している。


天は悪(劉家)を助けずに

靳準きんじゅんに手を貸したのだな。


孤が考えるに、主君に事える体とは

虞舜ぐしゅんたすけた瞽瞍(こそう)(父親)の義を

求めるべきであり、

故にふたたび令主を推し崇めて

(劉聡亡き後、賢明な君主を推戴して)

当初の如くの好誼を結ぼうとしたのに

どうして悪事を助長してあらためず、

誠心を奉ずる使者を

殺めてもよいということがあろう!?


帝王が起つにどうしてまた常あらんや

(帝王の隆興に習わしなぞあるものか)!!


孤は、趙王の位も、趙帝の位も

孤自らの手で捥ぎ取ってやるぞ!!


(そもそも)名号の大小をどうして

(人に)決められなければならんのか!!』


こうして太医たいい尚方しょうほう、御府諸令を配置し、

参軍の鼂讚(ちょうさん)に命じて正陽門を作らせた。


(しかし)俄かに門が崩壊してしまい、

激怒した石勒は鼂讚を斬った。


怒りのまま、

刑を倉卒いきなりに執行したが

すぐにこのことを悔やんで棺に服を賜り、

大鴻臚だいこうろの位を追贈した。




(註釈)


曹平楽あっさり寝返りすぎ!!



このページだけで3回もキレている。

石勒の血圧は大丈夫なんでしょうか。


一応ここまでは漢の臣下として

立ち回ってきた石勒ですが、

新帝・劉曜の仕打ちにカンカンに怒って

本格的に独立を目論み始めます。


王弥と喧嘩してた時も思ったけど

劉曜って人心掌握だの

部下のコントロールが下手な気がする。



かくて劉聡の死と靳準の乱をきっかけに

匈奴漢は二つに分裂しました。


生き残るのは石勒か!?

はたまた、劉曜か!?



次回、祖逖そてき襲来。

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